「文学横浜の会」

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2009年8月5日


「総選挙へ」

 なんとなく平年とは異なる梅雨だった、と実感している。

 さて、衆議院が解散した。いつ解散するのかと苛々させられたが「やっと解散か」と言うのが実感だ。 だけど7月21日に解散して、8月18日に公示、そして30日に総選挙と聞いて、なんとも間の抜けた解散だと思う。 与党の利害からこのような日程になったのだと思うが、この国の政治の一端をかいま見ているような気がする。

つまり政治そのものが与野党の利害の産物としか思えない。 与野党間の利害もあるが、政党内での利害の結果と言うのもある。 先の国会での麻生総理の「郵政改革は、実は反対だった」との発言でも判るように、 情けないことだが、国会議員そのものが自分の信条より利害関係で動いているとしか思えない。

 日本の多くの政党は自由と民主主義を標榜しているが、政党民主主義に偏っていないだろうか。 つまり政党で決めた事は絶対で、重要案件に関しては、それに反対なら政党から排除される覚悟をしなければいけない。 それでも反対だと、気骨のある議員が多ければいいのだが、実態はそうでもないようだ。

小選挙区制度では政党の名前を冠していないと選挙に不利、との印象があるから議員心理は理解できるにしても、 なんの為に議員になっているのかと思いたくなる。 情けない話だが、国会内では「実は反対なんだが、我が党の見解だから」と言った事で賛否を決する議員が多いのだろう。 こういう議員が多いと、いくら政党民主主義とは言っても、選挙運動で何を言っても信用できない。

議員は何のために立候補するのか。 自分の考えを国政に反映させたい為なのか、それともただ国会議員になりたいが為に選挙に出るのだろうか。 民主主義が機能していないと言えばそれまでだが、投票する側にも大いに問題があるし、 選挙が近くなって選挙民に働きかけるだけの議員の方にも問題がある。

18日の公示後は、テレビも街中も選挙一色になるんだろうが、蝉時雨と共に、騒音に悩ませられると思うとうんざりだ。 今回は公示までの期間が長いので、大きなスピーカーでの騒音はなくしてほしい、と思う。 がなり立てて知らせるだけの情報なら、もううんざりする程耳に入っている。

まあそうは言っても多少の騒音は我慢することにしよう。

<K.K>


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