「文学横浜の会」
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2009年11月4日
「概算要求」
新政権になってやっと国会も開かれ、これから本格的に来年度予算に対する審議が行われる。
国会の始まる前から次々と新政権から発信される政策変更に関する報道には、新政権になったのだと実感させられる。
公共事業に代表されるコンクリートから人への大きな政策変更、それ自体は大いに結構で、まずは怯まずに進めてほしい。
進めた上で生じた障害は原因を吟味し、応じた対応をすればいい。
新政権が進めている予算編成の中で「事業仕分け」がある。
予算の策定に当たって「この事業は本当に必要か」を見極め、予算配分に生かそうという趣旨だ。
それ自体は大いに結構なのだが、今から来年度の凡ての事業についてチェックするのは本当に可能なのか、という疑念が残る。
国の予算は地方自治体のそれと比べると、その範囲も金額も大きい。
それに来年度の予算策定までに残された期間は限られている。
意気込みは理解できるが初めから風呂敷を広げると上手くいかない。
報道によれば新政権がやろうとしているのは凡ての事業についてではなく、問題がありそうな幾つかの事業のついてだという。
期間が限られていれば仕方がないが、予算の組み方にも一工夫必要なのではないか。
必要か必要でないかは、議論すればするほど簡単ではない。
内容をみて「無駄だ」と明らかに判断されれば簡単だが、
どういう観点で見るかによって変わるし、政治的な要素もあるだろうし、政策的な要素で判断を迫れることもあろう。
各省庁から出てきた来年度の概算予算は総計95兆円を超えると言う。
これから如何に削るかだが、概算要求のあり方も変える必要があるように思う。
つまり各省庁から提出させる予算要求そのものを変えるのだ。
予め各省庁で使用できる予算枠を、財務省(或いは、新政権では国家戦略局か)で決めて、
それで概算予算書を出せと指示するのだ。
例えば、子供手当に必要な予算はこれこれ、高校生の教育費手当はこれこれ、と政府で決めた予算は確定指示し、
その他の予算の使い方は各省庁で与えられた予算枠内で事業を決めさせる。
そうして決めた来年度予算書を提出させればいい。
「事業仕分け」については、再提出された概算要求書その中で大まかなチェックをし、
何も予算策定時だけチェックするのではなく、
年間通して絶えず事業内容をチェックする。事業実施後の結果が悪ければ次年度には予算をつけない。
勿論、専門家の意見を大いに参考にすべきだ。
予算の枠内でコスト意識を持たせて、有意義に使用させるための仕組みを検討する必要もある。
余った予算については省庁で独自に使用してもいい、というような事も許す。
無論、事業内容のチェックを受ける必要はあるが。
事業終了後のチェックについても大いに改める必要がある。
今のチェックは予算の使い方が極めて難しい仕組みで、使い方についても色々な制約がある。
事業者はチェックを受けるための予算書を作成するために、多くの労力を割かなければいけない。
結果については契約内容に沿ったアウトプットが出ているかだけで、内容についてはなんのチェックもない。
こうした事も改めた方がいい。お金の使い方を事細かにチェックするより、
成果を専門家にチェックさせる仕組みを整えるた方がいい。
各省庁で公募する多くの「事業」をWebページで見ると、
所謂天下り財団や特殊法人が、或いは一定の企業が受注している。
本当に必要な事業か? と専門家を交えた開かれた議論をしてほしい。
何しろ国の収入より多い支出を毎年続けている。家で考えればとっくに破綻家族だ。
本来なら収入にあった予算書を出させるのが普通だが、国家レベルとなると普通の常識で考えてはいけないのだろう。
それにしても少しでも税収が増えたら、凡て借金(国債の回収)に当てればいい。
景気が良くなっても借金が増え続ける、そんな政治はしてほしくない。
<K.K>
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