「文学横浜の会」

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2010年1月6日


「米軍普天間飛行場の移転先」

 新政権における懸案事項の一つとして、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題がある。 鳩山政権の本音が何処にあるのか伺い知れないが、米軍基地の多くが沖縄に集中しているのを考慮して、 沖縄の負担を少しでも軽減したいという思いは本物と信じたい。

前政権がどうして名護市辺野古への移設に同意したのかという事も問題なのだが、 新政権にはアメリカとの関係が多少ギクシャクしようとも、ここは性根を据えて移設地を選択してほしい。

日本の国策として米軍基地がどうしても必要なら、ここは沖縄県以外の地を検討してはどうだろう。 例えば、昨今話題になっている日本各地に作られ、使用されていない飛行場の有効活用してはどうだろう。

こんな事をいうと候補地に挙げられただけで「米軍基地は反対!」と言う声が挙がるのは目に見えている。 しかし本当に日本にとって必要なら、新政権は真剣に説得すべきであり、沖縄の負担を軽減するための措置なら、 辺野古に新しく空港を作るより安上がりだし、もともとある飛行場なので環境問題も少ない筈だ。 騒音問題も、民間飛行機の騒音と軍用機の騒音に違いは無い筈だし、 何より無駄と思われていた飛行場が有効利用されれば、赤字を抱えた地方財政にも貢献する。

と言っても、米軍基地など日本の何処にも必要ない、という意見の方も根強くいるから、反対運動が起こるだろう。 これは何処に決まっても起こるので、説得するしかないが、政権としては性根を据えればいい。

日本には90以上の飛行場があるらしい。最近開港した飛行場としては、静岡飛行場、茨城飛行場などの名前を聞くが、 どちらも殆ど利用頻度の少ない飛行場だ。長く続いた自民党政権下での負の遺産と言わざる得ないこうした飛行場を、 有効利用させるためにも、一時的に米軍基地として活用したらどうだろう。 静岡飛行場や茨城飛行場以外にも、もっと利用価値の無い飛行場が地方にあるかも知れない。 そうした飛行場の活用も含めて、政府は移転先を決めてほしい。

<K.K>


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