「文学横浜の会」

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2010年5月5日


「団塊世代は引退を」

 普天間問題は今月中に解決するのだろうか。 報道される内容からはなんとなく難しい雰囲気だが、もし今月中に解決出来なかったら鳩山首相はどうするのだろう。

一つの問題で辞任はないと思うが、鳩山首相がこれまで発言した内容からして、野党からの追及は激しくなるだろう。 ましてや参議院選挙が控えているから、選挙を意識した与野党の攻防になるのは間違いない。 しかしそれでは移転先として取り沙汰されている地元や、沖縄問題を考えるには不幸なことだ。

 現政権は与党あるいは首相としての発言に不慣れなように思えて仕方がない。 長年の野党暮らしで初めての与党だから仕方がない面はあるが、仕方がないとばかりは言っていられない。 国内問題なら我慢できる事もあるが、他国が絡むとこれは国家の利益に直結するし、しいては国民に利害が及ぶ。

普天間問題は、だいたい「5月を目処に解決する」等と明言できる問題ではない。 前政権で決まった解決法を踏襲するなら兎も角、県外移転を名言したからには国内の移転先への同意も含めて難しい交渉があり、 米国との交渉もある。他国との交渉は利害のぶつかりあいで、 期間を相手に知られた交渉など自ら負け札を持って交渉するようなものだ。 「5月までに解決したい」とは首相の腹づもりにしておくべきだった。

 まあ、これまでの長期自民党政権に対する閉塞感から民主党政権を国民は撰んだのだ。 前政権当時「前向きに対処する」「検討する」等の言葉がさかんに使われたが、それは「何もしない」と言う事を意味した。 現政権はそうした事への反発があって明快な物言いに努めているのだろうか。それとも鳩山首相の資質によるのだろうか。 恐らく両方あるのだろうが、少なくとも他国と絡む問題については発言に充分に注意してほしい。

現政権が出来ておよそ8ヶ月。「事業仕分け」にみるような前政権とは大きく変わった面もある。 今年度の予算については「組み替え」だけで大きな変化は望めなかったが、 来年度の予算編成については全てが現政権下で行われる。 民主党政権の評価はそれからではないか。

マスコミの報道の多くは「けなす」ような報道内容に傾きがちだが、 「新政権を育てる」方向にならないものか。 マスコミ報道が政権に毅然と対処するのはいいとして、けなす姿勢はいけない。

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 さてさて、先日ある番組を観ていたら「現政権のトップは団塊世代だから良くない」というような事をどなたが言っていた。 口調は幾分自重気味だったが、その根拠は「団塊の世代は人が多いから、どんな場面でも人を押しのけ、 或いは競争相手を手段を選ばず蹴落とさなければいけない。自分の事だけを考えていている。或いはそう見られている。 だからその下の世代からは煙たがれている存在だ。つまり真のリーダーにはなり得ない」と。

そして「団塊世代は早く引退しろ。次の世代に全てを任せろ」と言い、 今の日本のマイナスイメージを脱するには旧弊を排除して明治維新を断行した世代、 それまで日本を牛耳っていた方々が戦争犯罪人として強制的の排除された戦後の日本のように、 「4・50代の世代を中心に今の日本を立て直せ」と言う。全く同感だ。

でも団塊世代はしぶといから、、。

<K.K>


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