「文学横浜の会」

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2010年7月7日


「法案毎の連合を!」

 11日の参議院選挙がどんな結果になってもそんな大きな変化は起こるまい。

とは思うが、昨年の政権の移行からおよそ10ヶ月経っただけなのに、世の中の動きは早い。 鳩山政権から菅政権へ変わったのもそうだが、この参議院選挙が民主党政権の中間試験と言うのも性急な感じがする。 もっとじっくり見守るのも大事だ。 何れ衆議院選挙もあるのだから、もし駄目ならその時は民主党政権を退場させればいい。

参議院での結果次第で、連合政権の可能性があるのだが、どうもしっくりしない。 幾ら衆議院で絶対多数を持っていても、参議院で過半数がなければ法案は可決しない。 それで他党との連合政権となるのだが、その組み合わせが問題なのだ。

仮に1%足らずの支持政党(仮にB政党)との連合政権としよう。 B政党のこの政策を通さなければ連合を解消すると言われて、やむなくB党の政策を通さなければいけないとしたら、 国民にとってはそれは良いことなのか大いに疑問だ。 つまり国民の1%の支持しかない政策が通ってしまう。現実にはこういう例は多々あった。

こういう事を避ける為に、閣内に他党は入れず、単独政権でやってほしい。 そうすると法案が通らなくなると心配だし、与党がごり押しすれば多分法案は通らない。 しかし法案毎に他党と協議し、真に法案を審議する姿勢さえあれば、野党も無下に反対も出来まい。 それが真の議会制民主主義ではないか。

そうは言っても、野党は自分の党の存在感を示す為に、そう易々とは乗ってこない、と言う見方もある。 多分、そうした懸念は絶対にないとは言えない。でも今は自社対立の時代ではないし、イデオロギーの時代でもない。 一部の野党を除いて、政策に大きな違いはない。違いがあったとしても協議し互いに微調整すれば済む程度の違いだ。 ただ、それが政党間エゴで、今までは出来なかっただけだ。

つまり政策毎に連合を組めばいいし、議会で審議を重ねればいいだけではないかと思う。 何日でも審議期間を設ければいいし、互いに歩み寄る姿勢さえあれば法案は通る筈だ。 幸いにこの参議院選挙が終われば当分国政選挙はない。となれば政党の存在感をアピール・宣伝に固執する必要性も薄れよう。 政策をじっくり審議する時期ではないか。

民主主義は兎に角時間が掛かる。それを認めた上で与野党間でじっくり審議すればいい。 そして法案が通らない場合の責任は与野党共に負うべきだ。それが民主主義ではないか。

これまでの国会審議を見ていると、本来の政策とはかけ離れた誹謗中傷にエネルギーを費やしているとしか思えない。 そうした議論には国民がイエローカードやレッドカードを突きつけようではないか。
民主主義とは国民の目が絶えず注がれる事も肝要だ。

<K.K>


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