「文学横浜の会」

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2010年8月6日


「所在不明の高齢者」

 ああ涼しい、涼しい涼しい!
 こんなに暑いと言葉だけでも涼しく、と言ってみてもやはり暑い。

 世の中の動きは早い。参議院選挙の喧噪が静まって、最早、過去の事になったように感じている。 今話題になっているのは、所在が不明になっている「百才を越えた高齢者」が全国で判明している事だ。 全くと言うか、ニュースを聞く身にはただただ呆れるばかりだ。 恐らく、80才〜100才の高齢者にも範囲を広げれば、その数はもっと多くなるだろう。

お役所仕事だと言ってしまえばそれまでだが、年金給付とも関係するので、 本人確認を強制的に出来る仕組みを作る必要がありそうだ。 地方公務員の職務怠慢かそれとも家族を含めた住民意識の劣化が起きているのか、 何れにしても日本の社会システムに綻びが生じているのは間違いない。

社会の諸々の制度は、これまでの性善説から性悪説へ変えることも必要だろう。 戦後日本人のマナー、品格と言ってもいいのかも知れない、心の規範の劣化は方々で言われている。 それは教育において道徳教育を疎かにした結果だ。

死亡届を適正に提出できない人が多くいると言う事実は、社会の基盤が崩壊する兆しなのかも知れない。 国内には社会と接点を無くした“ひきこもり”の若者や、低賃金で自らの稼ぎだけでは自立できない若者が数多くいると言う。 そうした者達の中には、親の年金を頼っている者も数多くいるだろう。

昨今話題になっている孤独死の増加とも関係があるかも知れない。 社会情勢、或いは社会状況の急激な変化は高齢者にはとてもついて行けない。 そうした背景があって高齢者が社会から隔絶されてひっそりと暮らしているケースもあるだろう。

こうした事から適正に死亡届が提出されない原因があるのではないかと思わないない訳にはいかない。

個々のケースにはそれぞれの原因があるのだろ。何故死亡通知が適正に提出されなかったのか、 それぞれについて原因を調べ、早急に整理して検証する必要がある。日本の直面している病の本質が見えるかも知れない。
なんともやりきれない。

<K.K>


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