「文学横浜の会」

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2012年4月5日


「疑問に思う事」

 所謂、消費税の増税案が閣議決定されたそうだ。 これから国会で審議されて可決されるかどうか、どんな動きになるのか見当はつかない。

民主党政権になって凡そ2年半程になった。 その功罪は様々指摘されているが、国政に責任を持って関与した経験を積んだのは大きいと思う。

政権移動のなかった我が国の政治では、万年野党の政策はともすれば空論、 野党には情報が届かない中では仕方のない面もあるが、実態に即した政策は出来にくい。 ともすれば国民におもねる政策になり易い。 つまり国政に直接責任のない野党とは、政策に対する取組みの真剣度は自ずと異なる。

過去の社会党のように政権に就こうとする意志のない政党にとって、野党は居心地のいい位置だろう。 国会審議では与党から罵倒されず、与党をただ罵倒するだけで、 与党の出した政策に野党の主張を入れるようにただ要求すればいいのだから。

そうした日本の政治状況の中で、つまり自民党を中心とした与党体制が続いていた中で、 民主党が国政に責任を持たざるを得ない与党の経験を積んでいる事は、長い目で見れば悪い事ではない。

 そこで今の日本の政治で疑問に思う事、2点。
1)国会議員はそれぞれ自分の思う通りに行動せよ。
 つまり政党の縛りはなくせと言いたい。政党政治では政党の縛りを受けるのは当然だ、との意見もあるが、 現在のように複雑多岐に亘る政策に対して、全て同意して政党を支持している訳ではない。ある問題ではA政党、この問題ではB政党、 と問題毎に支持する政党が異なるのが普通だ。それを一票しかない選挙権で選ぶのだから、 政党の決めた事を全て支持しろと言うのは無茶だ。同様に一票で選んだ国会議員の全てを支持している訳ではない。 つまり政策ごとに政党の垣根を取った議論をして評決すべきだ。

2)公務員からの情報公開窓口は一本化せよ。
 官僚のもつ情報は全て公開原則にし、公開に当たっては責任者を明記し与野党、国民に公開する。 つまり今の状況だと官僚の都合によって、情報を誰に何処に出すかで、官僚にコントロールされてしまう可能性が高い。

何年か前にマル秘文書が野党に出回り、与党の攻撃材料に使用された例があった。 マル秘文書が誰がどうして漏らしたのかは問題にされず、国会審議の攻撃材料に使用されたのは、 正にこの国の官僚機構の大きな問題なのだ。 気に食わない政策には野党に攻撃材料を与えて抵抗する。 このような事が罷り通れば、結果国政は官僚の意のままにされてしまう。公開された資料以外は使用しない、してはいけないルールを作り、 そのような資料を漏らした公務員は厳罰に処す事も必要だ。

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 それにしても1,000兆円にも及ぶ国の借金をこれからどうして返していくのだろう。 大きなインフレが起きない限り、2・30年で返還する事は無理だが、 せめて国の収支バランス、所謂、プライマリー・バランスを正常に戻してほしいものだ。 例えば40兆円の収入しかないのに80兆円の支出を続けたら、国の借金はさらに膨らみ、国家の財政破綻は架空の話ではなくなる。

増税ばかりでなく、支出の削減なくしては収支バランスの正常化は覚束ない。 しかし急激な支出削減は様々な混乱を齎す。例えば、医療費の健康保険による本人負担を現在の3割負担から5割負担にしたり、 年金支給額を一律2割或いは3割削減したりすれば収支バランスはかなり改善されるとは思うが、国民は納得すまい。 でも財政の悪化している欧州では、そうした政策によって財政の健全化に着手している国もある。

国会議員の削減や公務員の賃金削減も無論大事だが、今の税収では、それだけの削減で解決できるような借金額ではない。 無駄の削減は無論大事だが、八ッ場ダム建設が復活した例を見るまでもなく、何が無駄かという事になると時間が掛かる。 大きなインフレを起こさない限り少しずつ借金を減らして行くほか無いのだ。 それともなければ支出を大胆に削る。これは、革命だね。

<K.K>


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