「文学横浜の会」

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2012年12月5日


「年末総選挙」

 24年振りの年末総選挙だと言う。

日本は今、曲がり角にあると言われて久しい。 団塊世代と言われた年代が続々定年になって、実社会から離れて行き、年金問題は益々切実となった。 このまま運営していけば、国の財政負担はもはやどうにもならなくなる。

やっと消費税が三党合意で可決したが、今回の選挙結果によっては赤信号が灯るかもしれないし、 景気動向によっては増税は先延ばしになるかもしれない。 となると益々国の財政は悪化し、今は円高で汲々としているが、諸外国から見放されて円安に向かうかもしれない。 それは最も危惧しなければいけない事態だ。

原発が停止していて火力発電に頼っているが、円安が大きく進むと電力料金に跳ね返るし、 小麦・大豆等の輸入に頼っている商品の値上がりは必至だ。 つまりハイパーインフレに繋がる可能性がある。 そうなれば借金は一気に解消されるかも知れないが、戦後の混乱を思えば絶対にそうした事態は回避しなければいけない。

消費税の増税に反対する側の根拠の一つとして、 「国の借金は確かに多いが、保有している預貯金はそれ以上あるから、まだまだ余裕がある」と言う事を聞く。 確かにそうだろうが、個人で所有しているいるのは多くは高年齢層であり、それも一部の層に偏っている。 ならば、そうした層からは多くの税を徴収する仕組みを作れ、と言いたくなる。

例えば高年齢層を対象に新幹線や航空運賃は平日運賃を大きく安くして旅行を促したり、 生前贈与を促す政策や、相続税を高くしたり、例えば一億を超える預貯金を持っている高齢者の年金は減額してもいい。 旅館や、社会的な諸設備も老人が気軽に利用できるようにする、等等。

 一方、65才の退職者でも元気な方は沢山いる。そうした元気な方にはボランティアに積極的に参加できるシステムを考える。 例えば地域の子供の面倒をみたり、より高齢者のサポートができるシステム作りもいい。 年金を貰うにはそうしたボランティアに参加する事を義務化してもいいのではないか。勿論、出来る範囲でだが。

若者についても高校を卒業した時点で、一年間のボランティア活動を義務化する。 昨今言われている国防意識を高めるためにも自衛隊活動、或いは海保、消防への参加もいいし、 山林整備・老人介護・身障者介護等のボランティアでもいい。 無論、何をするかは本人が決める。 若い一時期、そうしたボランティア活動を体験すればきっとプラスになる筈だ。 国にとっても安い賃金で若い労力を導入できる利点もある。

 4日に総選挙が公示され、今は選挙戦の最中だが16日には結果はでる。

耳に心地よい政策や、本当に我々の為になる政策か、よく吟味する必要はある。 でも言葉だけで吟味するのは難しいから、やはり“人”を択ぶんだろ。 人にせよ政党にせよ、選挙期間だけで選ぶのではなく、日ごろから注視していて選ぶのが理想なのだが…。

<K.K>


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