「文学横浜の会」

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2013年01月6日


「要介護世代」

 団塊世代と言われる、所謂、戦後ベビーブーム世代が続々65才になって、 定年延長で会社に残っていた人達も退いて、第二の人生を歩み始めている。

65才になると介護保険が始まり、要介護世代の仲間入りと言う事らしい。

65才になって即、要介護世代だと言われても、何かピンとこない。 介護制度が出来たのは何時なのか知らないが、なんでもかんでも年齢で決めてしまうのは如何なものか。 介護が必要なのは年齢ではなく、人それぞれの事情によるものだ。

まあ、年齢を重ねれば身体に色々不具合が出て来るのは判るが、それも個人によって異なる。 不具合が多くなれば病院に通う回数も増えて、例え3割負担のままだとしても、国の財政負担は増える。 増える分は若年労働者の医療費負担分でなんとか間に合っていたのが何年か前までだが、 少子化によってその均衡が取れなくなって国の財政負担が多くなっている。それが国の財政悪化の一因でもある。

そんな事は何年も前から判っていた事で、言われていた事でもある。 要は国民の負担をもう少し増やし、特に現在1割負担の高齢者の医療負担をもう少し増やして貰わなければいけない。 年金生活者には痛手だが、年収400百万にも満たない労働者が多くなった現在、年金生活者も我がままは言えないだろう。

介護保険の支払いもそうした負担の一部だと見なされない訳ではないが、介護保険と医療保険を別けた意味がよく判らない。 と言うより資料をよく読めば解るのだろうが、そんな興味は湧いてこない。 介護なんてとんでもない、と思っているのが多数派ではないだろうか。 考えられるのは医療費負担の上澄みを名前を変えただけではないかと思う。

医療費が年々増加しているのは判るが、医療における無駄をなくす努力は進んでいるのだろうか。 聞く処によると医師会の圧力によって改革は中々進んでいないと聞く。 現在の情報インターネット技術を使えば、カルテの共用化は可能であり、共用化によって重複した検査や医薬品の支出は倹約できるし、 それ以外にも無駄はあるのではないか。

まあ、機械も旧くなれば不具合もおおくなる。 それならばiPS細胞を使って身体の部品を取り換える、そんな時代もくる、…のかなぁ。

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 新政権がスタートした。第二次安倍政権だ。

政権の当面のターゲットは景気回復だと言う。 幸い株価は上昇してたようだが、日本を立て直す最後のチャンスだと言われている。 当面の景気回復策として、国土強靱化の名の下に借金をして公共事業を強化すると言う。 当面の国の借金は増えるが、上手く行く事を願って暫くは見守るしかないだろう。

今の閉塞感は国の借金額が余りにも巨額だと言う事にあるのを忘れてはいけないし、 財政の健全化にも政治家は努めなければならない。 日本の今の状況は本当に難しい局面なのだ。これ以上国債が増えれば…、こんな怖い時期に国の舵取りをする政治家も大変だ。

安倍総理、夢夢、前回のように政権を投げ出すような事はしないでね。
野党もただ足を引っ張るような、ただ批判するだけの政治はしないでね。
日本にはもうそんな余裕はない。

<K.K>


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