「文学横浜の会」

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2013年04月4日


「10年後20年後」

 4月に入って値上げが目白押しらしい。

まだ実感はないが電気料金、ガス料金、円安による輸入品、小麦粉やパンと言った小麦で作る品々、等等。 何せ政府は2%のインフレを目指している訳だから、政府にとっては好ましい方向なのだろう。 だけどそれに見合う収入アップがなければ我々が困るし、買いがすぼめば売り上げは少なくなり目的は果たせない。

これから益々増えていく退職者等には、これからはまさに冬の時代だ。 でも国の借金が1千兆円にものぼるとなれば国民の負担が多くなるというのも何となく判る。

でも一寸待てよ。
これで国の借金は少しでも減るのだろうか。
或いは国の借金増加額が少なくなるのだろうか。

国民の収入が増えれば税金は増え、物価が上がればそれに伴う消費税も増える。 だから国の収入も増えると言う構造だが、果たしてそうなるのだろうか。

これまでのデフレは消費税が上がっても価格に上乗せすると売れないから、売り手側はそれを価格に反映しないで売る例があり、 その分生産者側はもうけが無くなり、企業経営は思わしくなくなり人員整理、或いは倒産、と言うことになる。 そうなると益々物は売れなくなり、売るためには値段を下げなくてはいけなくなる。 デフレパターンと言うのは大まかにいうとそういうことだろう。

だけどだけど90年代のようなインフレも考えものだ。 あの頃に謝金して自宅を購入した者の中には今もって借金を払い続けていのもいる。 今売っても買値の半分以下、と言う例も聞く。

 通常は1%程度のインフレがいいらしいのだが、政策の結果の善し悪しが判るのは10年後20年後だろう。 国の借金が幾らか減っているのか、それとも貧富の格差が益々広がって不満を持った非正規労働者が増えているのか。 最悪は貧富の差が広がってなおも国の借金が少しも減らないケースだ。

まあ、ぼくとしてはこれ以上便利にならなくてもいいし、これ以上物が増えなくてもいい。 外国に行って稼いでくるなんてしなくていいし、 外国で稼いだならその国に還元して、みんなが豊かになればいい。

日本で食べる物は日本で作り、安いからと言って外国から持ってこなくてもいい。 日本の農家が当たり前に食べられるだけの値段で売れるようにすればいい。 まあ、国際化が進んだ現代では難しいだろうな。

でもこれだけは言いたい。 賞味期限が切れたって身体に無害なら、
食物を無闇に捨てるような間違ったことはやめよう。
そんな奴はそれこそ罰金だ!

<K.K>


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