「文学横浜の会」

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2013年11月3日


「諜報活動」

 今、アメリカの同盟国に対する諜報活動に、世界中から不審の目が向けられている。

事の起こりはロシアに亡命中のアメリカの元CIA職員スノーデンの証言に始まる。

スノーデンの証言による「アメリカのCIAはドイツのメルケル首相の携帯電話を盗聴していた」との報道で、 アメリカに対する不審の念が高まった。報道されたからには政治問題になる。 ドイツでは「ああそうでしたか」とは国内向けにも言えないのは明らかで、どう決着つけるのか両国にとってもやっかいなことになった。 アメリカ政府のどんな弁明も、盗聴されておた国としてはそう簡単に引き下がる訳にはいかない。

スノーデン証言を待つまでもなく、アメリカに限らず、諜報活動は多くの国で行っている。 冷戦時代は共産各国と西側諸国間との諜報戦は、小説もどきの遣り取りは知られるところだ。 で冷戦が終わったからと言って、そうした組織が無くなった訳ではない。

冷戦時代は終わったが、現代は対テロリスト集団をターゲットとした諜報活動がその名目となっているのだが、 同盟国の首相の電話まで盗聴対象としたとあっては弁明のしようもあるまい。 どんな弁明をしようとも同盟国間で正当な理由などない。とここまでは常識論だ。

だが、国家間で考えれば常識論は通用しない。 冷戦は終わったにしても、国家間の経済戦争は今も続いているし、国家間の抱える問題も複雑多岐に亘るようになった。 つまり同盟国と言えどもその国が何をどう考えているか、知りたいのだ。

 恐らく、今の技術をもってすれば、暗号機能のない電話は容易く諜報できるのだろう。 アメリカがやっていると同じレベルの諜報活動は多くの国で行っている、と考えた方がいい。 偶々、正義感(?)の強い職員がCIAにいて、政府の言っていることと実際とは違う、 これではアメリカそのものが駄目になってしまうと考えて、と解釈するのは綺麗すぎるが、まぁ、そう思いたい。

これは国家にとっては反逆者に等しいし、昔なら、今でもそうかも知れないが〈消される〉対象に間違いないし、 我々の知らない所でそういう事があるかも知れない。 あったにしてもそういう事はけっして表にでない。。

 でぼくの言いたいことは、どんなに同盟関係にあっても、国家間では諜報の対象国である、と言うことだ。 いまの同盟国が50年後も100年後も同盟関係にあるとは限らない。 国家とは自国の利益が最優先であり、個人における友情や義理人情、そうした考えは通用しないことを肝に銘じるべきだ。 例えその国の首脳と個人的な関係が上手くいっていたとしても、その首脳は未来永劫ずっと首脳であり続ける事はない。

日本は海に閉ざされた島国で、西欧と比べて機密という概念の希薄な国で、先の大戦では我が国の暗号は全て敵国に筒抜けだったと言う。 国際関係が緊迫した局面にあっても、機密情報に関する個々の意識は低い。 戦後もそうした意識は変わらず続いているが、今まではそれでもなんとかやっていけた。

だがインターネットの普及とグローバル化の今、国家間の垣根が低くなってそれで大丈夫なのか。 ハード面でもソフト面でも、情報漏洩に対する対策が、会社あるいは国家の存続に不可欠な大きな要素になっている。 同時に個人に対する情報教育の強化も必須だ。

だけどねぇ。「何でも機密だ!」、と言うような国も魅力がないよね。 何もかもあけっぴろで、それで肝心な情報は漏れない、そんな国がいい。

今は機密情報でも、30年後には必ず公開するとか、そんなルールも必要になる。 誰が機密情報としたか判るようにすれば、後々、その人の情報センスも評価される。

そして政治家に言いたいのは、話す内容の意味の重さを判って発言してほしい、と言う事だ。 聞くところによれば、日本の情報は外国人に聞けば判る事がままあるという。 つまり友好国の外国人ならと気を許して話してしまう方もいるんですかねぇ。

そんな国でTPPの交渉、どうなるんでしょう。

<K.K>


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