「文学横浜の会」
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2016年11月7日
「総中流化社会へ」
今、世界は動いている。
アメリカの大統領に誰がなろうと、現在の政治に不満を抱いている人々の数は無視できないほどになっている。
それは内向きの動きと重なって、排外的な動きを活発化している。
そうした現象はアメリカに限った事ではなく、EU諸国でも勢力を増している。
不満の遠因は貧富の格差にある事は間違いない。
片や何百億円の年収がある者がいて、一方では一生懸命に働いても年収200万円にも満たない多くの労働者がいる。
アメリカでは働いているのに、満足に住める家もなく、路上生活を強いられる労働者がいる。
アジアやアフリカの貧困国ではなくアメリカ等の先進国と言われる国々で、それも真面目に働いているのにだ。
原因は安い賃金で働かざるを得ないからで、住む家の賃貸料が余りに高いからに違いない。
一時「才能があり、一生懸命に働く者が高賃金を得るのは当然だ」との論があったが、
「より安く労働者を雇い、高利益を得るのが資本主義だ」と言うのが実態のようだ。
日本においても「総中流社会」は遠い昔の話で、
失業率は低くなったとは言うものの、実態は派遣労働者(社員)の急増による処がある。
その派遣社員の実態だが、正社員の年収と比べると、実収入は明らかに少ない。
日本の正社員の年収には年齢給や諸手当も加味されるが、派遣社員にそれは全くない。
だから40才の派遣社員も25才の派遣社員もそれ程変わらぬ賃金となる。
しかもそうした派遣社員が増えているのが実態だ。
30才の派遣社員が休まず働いて得る年収が200万前後、税金等の経費を引かれた実収入では月15万円前後。
それならまだいい方で、もっと低いと言う派遣社員もいるだろう。
そんな若者が多くなった社会で、若者達がどうして子育て、いや結婚に踏み込めるだろうか。
少子化対策として政府は様々な政策を出してはいるが、一向に少子化の傾向は止まらない。
と言う事は政府の政策そのものが根本的な少子化対策にはなっていない、と言う事だ。
少子化を食い止めるには、かつての「総中流化社会」に戻る事だ。
貧富の格差など無くす事だ。
それには働いた者が同じような賃金を得られる仕組み創る。
本人の努力意以外で得られる収入にはそれなりの高い税を課す。
そして高収入を得ている者への税率アップ、それが喫緊だ。
それで得た税収は低賃金者へばらまいてもいい。
就学援助への強化もいい。
兎も角、「総中流化社会」への回帰を進めよ。
<K.K>
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