「文学横浜の会」

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2018年 3月10日


「森友問題と北朝鮮問題」

 森友問題をめぐる財務省の対応のまずさで国会がもめている。

言われているように公文書の改ざんされたのかどうか、真相は不明だが、 成り行きを見ていると、どうも財務省のぶが悪い。 絶対になければ「そんな事はない」ときっぱり言えばいいのに、 「捜していると」とか「捜査に支障をきたす」とか言っているだけでは不信感を助長させるだけだ。

もし改ざんされたのが事実だとしたら、犯罪であり、絶対に「はいそうです」とは言えまい。 だから時間稼ぎをしてこの場を乗り切ろうとしている、と勘ぐられてもおかしくない。

今、関連する財務省の担当部署はてんやわんやではないだろうか。 一般論で言えば一度嘘をつき何かを隠そうとすると、関係する書類をすべて書き換え、或いは始末しなければならなくなり、 それに要する仕事量は格段に増える、と聞いた事がある。 余計な仕事を増やしたくなければ、隠さず正直なのが一番だと。

だから国会で言われたら、何もかも隠さず、素直に出せばそれで済む。 余計な本来の仕事とかけ離れたつまらない仕事もせずに済む。 今の状態を見ていると、財務省は自分の首を自分で絞めているようにしか見えないし、 無意味で余計な仕事を自らこしらえているとしか思えない。

こんな事をいうのは、財務省は普通でもとても忙しい部署なのだ。 それなのにこんな問題で徹夜しなければならない職員がいたとしたら、気の毒だ。 国の国家財政のために、と崇高な思いを抱いて入省したのに、こんな事をさせられるのはたまらん、 と思っている職員もいるかもしれない。

国家の仕事の中には、どうしても秘密にしなければならない案件もある、とは判るが、 森友問題など、財務省にとってはたいした重要な問題ではないし、 どうしても秘密を守らなければならない案件でもない。 それなのに今のような財務省の対応では、何か隠し事をしているのではと勘繰られても仕方ない。

日本の官僚組織では決して上には逆らわず、 上の意向に沿って仕事をこなす者が昇進するのが一般的だろう。これは男社会の弊害の一つだ。 女性でも出世欲の強い者もいるだろうが、男ほど多くはない、と思う。

そういう事で「忖度」が生まれるのだが、なんとも嘆かわしい。 取り分け権力機構の中にいる役人が「忖度」で動いたとしたら、 それは由々しき事で、国家存亡の危機だと言っても言い過ぎではない。 それだけの危機意識を持たなければいけない。

それだけに今の問題はあやふやにしないでほしい。

こんな事を書いていたら、国会で答弁した本人が国税庁の長官を辞任、とのニュースが流れてきた。 辞任理由は兎も角、事の本質は、それで解決した訳ではない。 国政における「忖度」問題を、責任問題に絡めず、将来に亘って起きないように制度を見直すなり、 真剣に取り組んでほしい。

   *

 北朝鮮とアメリカとの首脳会談が決まったとのニュースに接した。

実際に首脳会談が行われるのか楽観はできないが、好いニュースである事には間違いない。 会談では本当に北朝鮮が検証可能な非核国h方向転換するのかが焦点となる。

非核宣言をしても今までのように密かに開発を進めるような事になれば、それこそ致命的な背信行為となろう。 それ程北朝鮮の指導者は愚かではない、とみたいが……?

我々は、ただただ見守るしかない。

<K.K>


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