「文学横浜の会」
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2019年12月13日
「令和の時代は、」
世界を眺めていると、世の中良くなっているのか、それとも悪くなっているのか判然としない。
無論、これは新聞やテレビ等のマスメディアを通して得られた情報を通して感じる実感だが、
世界は益々混沌の度合いを深めているように思えて仕方ない。
歴史は繰り返すと言うが、やはり力の強い国が生き残り、勝った者が(国が)正しい、と言うことなのだろうか。
もしそれが繰り返されるとしたら、今世紀はどんな世紀になるのか不安は募る。
と言うのは情報化の進展によって、価値観の多様化が進み、それによる情報の偏りによって、
個々の対立がより先鋭化されていくように思えて仕方ない。
つまり情報が多くなれば、当然全て目を通すわけにはいかず、人間は見たい情報だけを見る傾向があるからだ。
最強国であるアメリカの権力者の言動を見ると、反対勢力から出される何事も「フェイク」の一言で一蹴する。
そうした振る舞いを支持する側と批判する側との溝は深まるばかりだ。
現在と言う時代状況は情報の多様化に見合った秩序ができるまでの混乱の時期なのか、
それとも更なる混乱への序章なのか、
もうしばらく見ていなければ判らないが、かと言って日本としては、茫然とただ眺めているだけという訳にはいかない。
アメリカにおける人種、宗教等に根ざす諸問題、英国におけるEUをめぐる対立、
EU諸国における移民問題、中国における民族、宗教、或いは国家による強権体質問題、等等。
国レベルでみるとそれぞれ多くの個別の問題を抱えており、共通して貧富の格差問題も抱えている。
日本の問題は財政の借金体質、それに非正規労働者の増加による、
各国共通の貧富の格差問題が内在しているし、高齢人口の増加による医療・年金等の社会諸経費の増大、
これから益々増えるであろう外国人問題、等等、諸外国と同じような問題を抱えている。
日本の人口問題はあと30年、長くとも50年で、現在のような人口構造ではなくなるが、
その時の日本がどうなっているのかが問題なのだ。
その間に国の財政破綻が生じて、戦後の大インフレ、つまりハイパーインフレが生じて、
国民のそれまでの貯えも借金もガラガラ、ポイ、としてしまうのか。
それとも後世に付けを残すが、なんとか混乱だけは避けつつ、財政のやりくりをするのか。
無論、その中間ということもあるが、いずれにしても大きな問題である事は間違いない。
こんな事を考えていると、時代は変われど、どんな時代でも問題を抱えていたよ、と言う声が聞こえてくる。
確かに、戦争に明け暮れる時があり、つかの間の平穏の時があり、そして混乱の時があり、
とその繰り返しだ。ただはっきりしているのは、過去のどんな時代より、
今の時代は恐ろしい兵器を持っている、と言う事だ。
争いが絶えないと同じように、人の流れは絶えず続いている。
人は生活できる地を求めて絶えず動いている。我々の先祖が大陸から、或いは海流に乗ってこの地にやってきたように。
ぼくは米軍基地のある街で生きている。従って小さい頃から米軍兵士を見ているが、
小さい頃の兵士は西洋風の顔、或いは黒人の顔のいずれかだった。
しかし50年以上経った今、兵士の顔は、アジア系、中南米系、それに白人と黒人のハーフ、
といった顔つきが多くなった。つまり人の流れが続いているのを実感できる。
アメリカには様々な問題があるにせよ、人は希望の持てる国へ、少しでも生活のしやすい土地へと流れるものなのだ。
様々な移動せざるを得ない理由があるにせよ、移動せざを得ない土地より、移動したい土地であった方がいい。
移民問題とは人の移動問題であり、これは今だけの問題ではない。つまりは人が生きて行く上での基本的な問題なのだ。
日本は自然災害の多い土地だが、それでも移動したいという土地、国であり続けてほしいものだ。
さて、令和の時代はどんな時代になるのだろう。
<K.K>
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