「文学横浜の会」
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2023年 8月15日
「自然災害と景気対策」
最近、線状降水帯と言う言葉をよく耳にするようになった。
人間の短い体験からしても、それは実感できる。30年程前、真夏だとはいえ、夜はクーラーなどなくても寝れたのに、
今はクーラー無くしては暑くて眠れない。幸い豪雨被害は受けていないが、いつ線状降水帯が襲ってくるか気象情報を見るようになった。
日本は地形的に山間部や、斜面に接した地に住宅を構えている方も多いから豪雨による災害は人命に関わる。
都会にいても水害によるリスクは無視できない。何より電力が途絶えれば都会は麻痺してしまうだろう。
高層ビルの住人は電力なしに生活できない。エレベーターや水もも止まるし、冷蔵庫も使えなくなれば冷凍物は保存できなくなる。
自然災害に対処できるよう自家発電設備を備えたビルも増えているようだが、燃料の事を考えればそんなに長期間堪えられる筈はない。
こうした自然災害はこれからも続くだろうし益々その危険度は増すだろう。
皮肉な事に景気の回復は産業の活動を活発にし、益々エネルギーの消費を促す。
後進国と呼ばれた国々の成長に伴って、生活環境は改善されるだろう。つまりエネルギーの消費が格段に増加している。
中国やインドは1国だけで、10億を超える人口を抱え、両国だけで30億人に近い人口を抱えている。
そこで使用されるエネルギーと言えば化石燃料だ。昔と比べても圧倒的に多くの化石燃料が使用されているのだ。
それに景気が良くなれば産業は活発化し、益々化石燃料が消費されるし、温暖化はこれからも続くという構図だ。
もはや1国だけが化石燃料をなくしても問題は解決しない。
つまり自然災害はこれからも益々狂暴化するだろうし、人間が自然を破壊し続けた報いとも感じられる。
ならばこれからの自然災害を考慮した生活環境を整えなければならないのではないか。
幸い、日本は少子化で人口は少なくなっている。全国に空き家は多く、放置された家屋もある。
ならばこれから創る住環境は予め自然災害を考慮した町を再構築したらどうだろう。
町の開発に当たっては住宅地地域を限定するのだ。再構築には時間や費用も掛かるが、計画さえ描けば出来ない事ではない。
景気対策にもなる、と思う。
何より人間は安全安心を優先する筈だ。
<K.K>
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