修行と勤行

右は中山法華経寺の荒行堂です。
11月から2月まで一番寒さのきつい時期に100日間行われます。
まねをしようと思っても出来ることでも有りませんが

自分で出来る事をしていこうと思っています


修行と勉強の一端です。
≪南無妙法蓮華経≫とは(妙法蓮華経)に(南無)を冠したもので、≪妙法蓮華経≫への
全身全霊の(帰命)を意味する。
<南無>とは帰依します。ヒマラヤのふもとの国々の挨拶は<ナマステー>と行って合掌します。
常不軽菩薩品第二十ではあなたを敬います、あなたを軽んじません。何故ならあなたは仏になる人だから。
と合掌したという。合掌して<おはようございます><さようなら>と挨拶したいものです。
合掌

堅固合掌 :     右手に仏を感じ、左手を自己の真実の姿と感じ左右の五指を伸ばして、
           掌の中の空気が出るように、隙間を作らないように、両の手を合わせる。
         上げすぎず下げすぎず親指の付け根が胸に当たるくらいの位置に置く

右手は大宇宙の真理(ブラフマンbrahman)
左手は我という小宇宙(アートマンatman)
左右の両手の合掌が<梵我合一>という哲理の実践です。


合掌は心気を合一にして、至心に仏を念じ礼拝を行ずる相である。


数珠


房の三本ある方を左手の中指の第一関節に、房の二本の方を右手第一関節にかけて、
一度ひねって輪を二重にし輪全体を掌の中に包み込むようにする。

数珠は珠数とも表記しまたは念数ともいう、ジュズと発音(インドではハンマという)する。
玉数はいろいろあるが基本は百八顆(玉)です。
百八の数は、除夜の鐘の数、煩悩の数と同数です。
六根(眼、耳、鼻、舌、身、意)
Xかける六竟(色、声、香、味、触、法)
Xかける三世(過去世、現在世、未来世)
=イコール百八です。

大法輪閣 発行の合掌と念誦の話ー仏教信仰入門ー著者 伊藤古鑑に細かく載っています。
100円ショップの数珠の話はまとめてありお買い得感がありました。

梵鐘



朝夕の六時に梵鐘をつきます。鐘ごとに合掌、唱題や"願わくは、この功徳を以て、
普く一切に及ぼし我等と衆生と皆共に仏道をじょうぜんことをと願う

前の一打の余韻がなくなってから次の一打をつく(約2分20秒くらい)
時数(6時なので6回)を報じた後、●ー●ー●三打する。「すてがね」という。

合計9打なので約21分かかることになる。


半鐘




半鐘は法要開始用意のために鳴らすものである。第一鐘 警装(用意)
第二鐘 会衆昇堂 太鼓で師衆昇堂となる。

四十下
虚偕十下(からうち)     十         十          七     声尽三下

○○○○○○○○○○
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●

五十四下

 十         十            十           十一          十   声尽三下
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●

小さい ほど急調小音、大きい●ほど緩調大音である。

就寝(消灯)        静かにゆっくりと七回


太鼓


鐘や太鼓の叩き方は、宗派、地域、伝統などにより叩き方は違っています。どれが正しいというのでは無く基本的なもの

を載せています、撥の持ち方としては。一般的には、3分の1の程度の所を親指と人差し指ではさむように軽く持ち、

他の指は添えるくらいで、五本指できつく握らないこと。手首の力を抜いて、腕の振りは、肘から振り上げ、肘から落とす。

感じで。太鼓の打面に当たる瞬間に向けて加速し、瞬間手を絞り、反動で腕を上げる。撥や手が円を描くような無理がない

自然な動きで、より少ない力で、より良い音が出せることが基本である。疲れを最小限にして見た目もきれいである。



昇堂太鼓(師衆昇堂)

                               
声尽三下
●●●●●●●●●●●●●●●● ●● ●

小さい は急に、大きい●は緩に、半鐘に同じ、打数は適宜でよい。
急坂を下りきり、少しのぼって三歩で止まる感じ


唱題太鼓(唱題のときの古法の太鼓
打つはじめとしては、三唱目の「南無」からである。
南無は小さく右左、妙法蓮華経は一字ずつ大きく右左右左右と打つ

○右小 右大 右大 右大
○左小 左大 左大

脇をしめて打った反動で腕が上の方まで伸びると綺麗である。

法華太鼓(唱題のときのリズミカルな太鼓

唱題太鼓(唱題行ー正唱行のときの太鼓)

木柾(もくしょう 読経用の打楽器)と太鼓一緒に始めゆっくり、だんだん速くなり、また、ゆっくり
太鼓に合わせて一心に唱題を唱える。終わった後、とても気持ちの良くなるのが

次の唱題行、唱題行脚(撃鼓唱題)です


行
 

     唱題行  
禅とはまた違った大乗仏教的な、自他共安の願心という菩薩乗な行法である。

 日蓮の教えにより≪南無妙法蓮華経≫の題目を唱える功徳によって五種の修行(受持、読、誦、解説、書写)を具足する
ことにもなるといわれている。
≪唱題≫を修行の中心とするので≪正行≫といい、法華経を読み、そらんじることは、この正行を助け、より信仰を深める
ことになるので≪助行≫という。
              唱題の行法作法には六法が有ります。
              1:運心    三宝供養、衆生布施、佛土厳浄、一切の福徳冥応、念念一心
              2:持念    唱題を悦楽して唱えるは修練の志にある
              3:句逗    一念唱題合掌
              4:音調    唱題の声を主張  持念制心  信心念心
              5:威儀    合掌は胸間 合掌は念心を助け放逸を防ぐ
              6:記数    声声念念不緩不急 不散不昏 勇猛精進
            さらに唱題の行法を組織体系化したのが湯川日淳(1876〜1968)であり、

           
 こんにち行われている≪唱題行≫である。
    

         
@礼拝       合掌   伏拝(仏足拝)
            A道場観     
道場偈  まさに知るべし このところは、すなわち道場なり
                             諸仏ここにおいて三菩提を得、諸仏ここにおいて
                             法輪を転じ、諸仏ここにおいて般涅槃したもう。
            B本門三帰    
三宝礼 合掌 仏法僧の三宝に帰依する。
                             
南無 久遠実成 本師釈迦牟尼仏
                             南無 平等大慧 一乗妙法蓮華経
                             南無 本化上行 高祖日蓮大菩薩
 

             
形としては法界定印、正坐だが結跏趺坐、半跏趺坐でも
メガネ、時計、アクセサリー、靴下などは外してください。
右手をお釈迦様のように、自分を左手と思い上にのせて、親指を軽く合わせて
丸くなるようにする。尻を左右に動かし安定させ、へそを前に出すようにして
頭のつむじで天を突くような気持ちで
両肩を一度上げてストンと落とす。
             チ〜ン



            
C浄心行     調身      調息       調心
            
           出る息、入る息を整え、心の錯乱を整える。
            D正唱行     合掌    恭音朗唱    専念法音
                       
唱題の音声に心を集中統一して仏様の御心が
                       溶け込むように一心に題目を唱える。 

            E深信行   正坐正念   感応道交   法悦溌願
                       
題目を通じて仏と自心が交わっている。この喜びに
                       浸り自他共安の願心を起こす。


          
F祈願行     祈願回向文 平和幸福の祈りと霊界への祈り
             G四弘誓願    
誓願行 衆生無辺誓願度  煩悩無数誓願断
                             法門無尽誓願知  仏道無上誓願成 
             H受持       
帰依   今身より 仏身に至るまで、よくたもちたてまつる。
                             南無妙法蓮華経 三唱
             I礼拝       合掌   伏拝(仏足拝

             
             ABFGHは省略しても良い、また遺文拝読、法話などが入る場合もある。

唱題行脚
           
唱題修行を屋外で行うもので、唱題に合わせて団扇太鼓を打ち鳴らしながら歩き まわる。
                            太鼓の打ち方には、幾通りかの形が有る。

 
                一本桴  五点打
               
● ● ● ● ●
       団扇太鼓をを打つ
          
南 無 妙 法 蓮 華 経

             な   みょう ほう れん げ きょう
                                                                        
           ×  な   みょう ほう れん げい きょう       「無」を「ん」,「華」を「げい」としてはいけない



                                             作務

作務とは、掃除などを無心に一心に行い、心を磨くのに大変重要な修行のつとめの第一番です。
作務には内作務 : 屋内の掃き掃除、拭き掃除、かたずけ、薪を割ったり風呂をたいたりします。
外作務 : 庭の掃き掃除、草取りなど が有ります。汗を流して働く作業です。

釈迦が覚えの悪い弟子のひとりに、雑巾を渡し掃除(作務)をさせて、悟りに導いたということです

   給仕

他の人のために食事のあ世話をすることである。食べることは人間に限らず生物にとって、生きていくうえで一番大切なことである。
「いただきます」  動物.植物の生命をいただくということです。また、多くの人の手によって今食べようとしている食物kがここにあります。
このような多くの命と人の汗によって食べられることに感謝して修行者に給仕をして差し上げましょう。

日蓮聖人への生きているときは勿論入滅後の給仕も大切な仕事(つかえること)になっています。

人のために何かをしてあげることが出来る、役に立てるということは、人間にとって一番の喜びだと思います。

禅宗などでは典座(てんぞ)と呼ばれ、禅宗寺院では修行僧の食事や仏、祖師への給仕(給膳)をする役職でもある。
食事の支度や給仕は修行の重要な一つであり修行経験が豊富な人柄のよい人物がなることが多い



但行礼拝  常不軽菩薩の願い

不軽菩薩は人々を拝み「あなたを敬います。軽んじません。
何故ならあなたはやがて仏になるから」と回って歩いたという。

仏道修行と言うと、修行道場に入り戒律厳しくすることばかり考えがちですが、それだけではなく、
人それぞれの人生のなかに、法華経の精神が生かされることが、大切であり、法華経をたもっている姿は、
人さまざまであってよい。
時機:人それぞれ時期と機根がある。今、自分がやれることを心の求める方向に向かって、
やれることからやって行く事である。


と自分では結論ずけたけれど、人の心は弱いもので、挫けるものです。
一人では無理な時は、先輩、後輩を誘って、また。頼って、人間道場山寺へ行こう
カーナビならぬヒューマン.ナビ法華経がついている。



皆で向こう岸へ行きましょう


勤行とは仏道を勤め行ずることであり六波羅蜜(布施.持戒.忍辱.精進.禅定.智慧)の精進である。
物事を正しく判断し、人間としての本分を尽くして生きるよう努力することである。
この勤行の精神で毎日を生きることが本当の勤行の意味である。


合掌・礼拝 部屋と仏壇を清浄荘厳にし灯明をあげる
奉請.勧請 お釈迦様や法華経守護の諸仏諸天を招く
開経偈 法華経の功徳を称え受持の決意を表す
方便品第二 仏の深い智慧を信じて、身につけることを願って読む。
如来寿量品第十六 自我偈 仏の願い 得入無上道 速成就仏身
御遺文拝読 日蓮聖人の遺文を拝読する
唱題 一心にお題目をお唱えする。中心となる行
宝塔偈 法華経受持の功徳を称え、信心の決意
回向 信仰を誓い一切の人々の安心祈願をする
四弘誓願 人々の為に努力する事を誓う
唱題三唱 心を正し勤行をむすぶ

仕事と家庭を持つ人にとって、なかなか全部を行うのは出来ないかもしれないが、
せめて、中心となる行である唱題だけは一心にお唱えしたい。

在家向けの本
日常勤行の作法がよくわかる日蓮宗のしきたりと心得  全国日蓮宗青年会監修  池田書店
ちょっと古い本ですが、リン、
木柾、団扇太鼓、の打ち方、数珠などの説明がよく載っている本です。

わが家の宗教 日蓮宗 渡辺宝陽、庵谷行亨 大法輪閣
うちのお寺は日蓮宗 わが家の宗教を知るシリーズ うちのお寺は日蓮宗 双葉社

週末出家  プチ出家 出家のススメ など

書店などの宗教関係の本棚へ行くと女性の方が多く感じますね。なかなか本棚の前からどけてくれなくて
長い時間待つことがありました。
それにしても日蓮関係の本は少ないですね、般若心経、禅関係、親鸞関係は割と多いのに



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