『望み』


僕がここにいるのを 誰が望んでいるのだろう…
いつも父親は言う

『お前はいつまでたっても半人前だ
こんな成績で恥ずかしくないのか』

それでも…300人中10番台というのは 僕の精一杯だったんだ
あの人は、一番でなきゃ誉めてくれないんだろうか
僕は 人として生きるに 値しないらしい
――― … だったらなぜここにいるのだろう
必要ないじゃないか


僕がもしも犬だったら 誰かが必要としてくれるだろうか
番犬、猟犬、盲導犬や警察犬
…臆病な僕には野良犬や負け犬が似合いだろう
そんな僕が 在っていいはずがない
僕は 犬として生きるにも値しない


だったら、猫なら??
ペルシャにシャムに三毛猫、イリオモテヤマネコなんてどうだろう。
…僕がそんな立派な猫になれるわけがない
毛の抜けた 雑種の姿こそ、似つかわしい。
猫の社会でもつまはじきにされるだろう
僕は 猫にもなれやしない


――― 犬や猫にもなれないって?
当然じゃないか
彼らは人間よりも劣ったものなのか?
そんなわけない
自分達の種から落ちこぼれたものが 他の種で迎えられるか?
哀れみの目で見られて、恥ずかしくないのか


知ってる、そんなこと
プライドはとうの昔に砕け散り、僕は人に言われるまま…
消えてしまいたい、この意味のない世から

僕が消えたら、誰か涙を流してくれる…―――?





モドル   ススム