コントラクトブリッジ 3

2002/09/20  


  P: ダウンした場合はどうなりますか。
 
 

(3)コントラクトを負かした場合

次のアンダートリックスコアが与えられます。


● アンダートリック
  ノンバル バル
普通 50/トリック 100/トリック
(ダブルの時)
1ダウン 100 200
2ダウン 300 500
3ダウン 500 800
4ダウン 800 1100
5ダウン 1100 1400
(リダブルのとき)
1ダウン 200 400
2ダウン 600 1000
3ダウン 1000 1600
4ダウン 1600 2200
5ダウン 2200 2800

 
  P: ダブルやリダブルとは何ですか。
 
 
  T:

ダブルはデクレアラーのコントラクトを落とせる時に使うコールです。
ダブルをかけられて、ダウンすると、ペナルテイが大きくなります。
例えば、バルで2ダウンですと、ペナルテイは200ですが、ダブルがかかっていると500になります。
しかし、つくればトリックスコアは2倍になります。

バルの時、3SXで10トリック取れば、スコアは


トリック・スコア
180 =30×3×2
オーバートリック 200  
ゲームボーナス 500  
メークボーナス 50  
合計 930  

となります。

リダブルはダブルに対し、「いや、作ってみせる」というコールで、上記の場合は1360になります。計算してみてください。


 
  P: それは、トリックスコアが360で、オーバートリックが400、ゲームボーナスが500、メークボーナスが100だから、
合計1360でしょう。
 
 
  T:

そのとおり。これで、スコアの計算はおわりです。
シカゴもこの採点法を使えます。

あとは、ビッデングを覚えれば、ゲームに参加できます。


■これからどうするか。

前にあげた、ミニブリッジを楽しみながらビッデングを覚えていくのが理想的だと思います。
クラブやカルチャーセンターの講習会に参加できれば一番ですが、その機会がなければ、同好の仲間を集めて本教室の基本コースを利用して勉強会をもつのもよいでしょう。

独学なら、ACBLのクラブ・シリーズが良いでしょう。練習問題も多く回答つきです。(JCBLから訳本がでていますが、英語のできる方は、原書をお使いになったほうが良いでしょう。スパイラル綴じで、軽く、色刷りです。)

パソコンをお持ちなら,JCBLのホームページから「ブリッジ入門」をダウンロードして,自習するのが良いでしょう.

欲張らずに、まず、ゲームコントラクトを買うために必要なことを覚えましょう。

パートナーを決めて、一緒に覚え、実際にデールしたハンドを二人でビッデングしてみると効果的です。

或る程度自信がついたら、練習会やクラブのウイクリーに出てみましょう。
 

 
  P: ところで、ブリッジの面白さはなんですか。
 
 
  T:

■ブリッジの面白さ。

私は20代からプレイしていますが、まだ、あきません。

コントラクト・ブリッジの面白さは人様々でしょうが、私はこのゲームの魅力は次の3点ではないかと思います。


@推定できる複雑さ。
Aパートナーシップ。
B競技性。 

@の推定できる複雑さについて
ブリッジのハンドはデール毎にかわります。その変化は53.6×(10の27乗)といいます。従って、同じハンドに出会うことはないと考えてよいでしょう。プレイの都度、毎回、新しいハンドにトライするわけですです。

そして、一つのデールは10分もあれば終わります。

このゲームでは計画・実行という手順が重要ですが、このとき、他のプレイヤーのハンドが分かればプレイしやすくなります。

カードの総数は52枚ですが半分の26枚は見えるので、残り26枚を推定できれば、ハンドが見えてきます。

対象が26枚ですし、ビッデング、オープニング・リード、ダミーハンド、カードプレイからの情報を利用すれば、訓練次第でパートナーやオポーネントのハンドの推定がある程度可能になります。

考えれば、或る程度まで分かるところ面白いのです。そして、それも訓練次第でできるところがやる気を起こします。

考えることの好きな人にはお勧めのゲームです。


Aのパートナーシップについて
これまでの説明でお分かりのように、ブリッジはペアでゲームをすすめます。

ビッデングにおける情報交換、プレイにおけるカードの出し方で意思が伝わったときの満足感、協同してゲームを進める連帯感、そして、負けても敗北感は緩和され、勝てばうれしさは2倍になります。

これを、フィギュア・スケートのペアのように、パートナーとぴったりと呼吸を合わせ、見事なゲーム展開で強敵を破ったときの快感は、芸術家の創造の喜びにたとえられるとする人もいます。

外国では、ゲームのよきパートナーになれるというのが、社交技術の一つとされているようですが、日本でブリッジが盛んにならないのも、このパートナーシップもネックの一つになっているかもしれません。


Bの競技性について

ブリッジや碁・将棋、チェスなどの知的ゲームはマインド・スポーツといわれます。碁や将棋、チェスはさしずめ格闘技ですが、ブリッジは競技です。

デュプリケート・ブリッジは各ペアが同一のハンドをデーラーとバルネラビリテイも同じにしてプレイし、スコアを競います。これで運の要因は小さくなり、技で勝負が決まります。良いハンドでなくても勝つということも起こります。
皆が同じ条件でプレイするとところが、他のゲームと違います。

よく「ブリッジは室内サッカーだ」などというのを聞きますが、わたしはスキーの大回転競技を連想します。

このほか、ブリッジのメリットとしては用具の簡便さがあります。最低、カードが1パックと筆記用具があれば、ゲームができるのですから。ただし、プレイヤーは4人必要ですけれど。

ブリッジの愉しみについては、BRIDGE WORLD誌がまとめたものがありますから、こちらもご覧下さい。

 
 
  P: なんか、むずかしそうですね。
 
 
  T:

いや、そんなことはありません。覚えたら、病み付きになるでしょう、考えることが嫌いでなければ。

大衆化されたとは言っても、ブリッジは「紳士・淑女のゲーム」であることは変わりありません。

13まで数えることができ、10分間記憶を保持できれば、ブリッジをプレイできるといいます。

熟年には頭の体操として、子供には算数学力の訓練として役に立つゲームです。 是非、トライしてみてください。

  
 

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