コントラクトブリッジ

2002/09/20  


  T:

■これからどうするか。

ミニブリッジを楽しみながらビッデングを覚えていくのが理想的だと思います。
クラブやカルチャーセンターの講習会に参加できれば一番ですが、その機会がなければ、同好の仲間を集めて本教室の基本コースを利用して勉強会をもつのもよいでしょう。

独学なら、ACBLのクラブ・シリーズが良いでしょう。練習問題も多く回答つきです。(JCBLから訳本がでていますが、英語のできる方は、原書をお使いになったほうが良いでしょう。スパイラル綴じで、軽く、色刷りです。)

 

パソコンをお持ちなら,JCBLのホームページから「ブリッジ入門」をダウンロードして,自習するのが良いでしょう.

 

欲張らずに、まず、ゲームコントラクトを買うために必要なことを覚えましょう。パートナーを決めて、一緒に覚え、実際にデールしたハンドを二人でビッデングしてみると効果的です。

 

或る程度自信がついたら、練習会やクラブのウイクリーに出てみましょう。

 
 
  P:

ところで、ブリッジの面白さはなんですか。

 
  T:

■ブリッジの面白さ。

私は20代からプレイしていますが、まだ、あきません。

これまで、ブリッジの宣伝に有名人が使われてきました。「この人もブリッジをプレイしているんですよ」という手法です。

たとえば、古いところでは、モーム。その後は、山本五十六、アイゼンハウワー、ケ小平。近くは、ビル・ゲーツやテニスのナブラチロワなどです。

しかし、何が面白いのかと具体的な説明はあまりありません。とにかくやってみなさい。面白いからという論法です。

また、ブリッジの本にも、「なぜブリッジをプレイするか。」というセクションを設けているのは余りありません。

コントラクト・ブリッジの面白さは人様々でしょうが、私はこのゲームの魅力は次の3点ではないかと思います。


@推定できる複雑さ。
Aパートナーシップ。
B競技性。 


@推定できる複雑さ

ブリッジのハンドはデール毎にかわります。その変化は53.6×(10の27乗)といいます。従って、同じハンドに出会うことはないと考えてよいでしょう。

そして、一つのデールは10分もあれば終わります。

プレイの都度、毎回、新しいハンドにトライできるわけですですが、52枚のカードの内、26枚は見えるので、残り26枚を推定することになります。対象が26枚ですから、考える範囲は狭まり、パートナーやオポーネントのハンドは、千里眼でなくとも、訓練すれば或る程度見えてきます。
ビッデング、オープニング・リード、ダミーハンド、カードプレイから得られる情報を勘案し、オポーネントやパートナーのハンドを推定できます。

考えれば、或る程度まで分かるところが面白いのです。分からなければ、運に任せることもありますが、決定に推理が大きなウエイトを占めるゲームです。

Aパートナーシップ

これまでの説明でお分かりのようにブリッジはペアでゲームしますので、二人が協力してゲームを進めなければなりません。

ビッデングにおける情報交換、プレイにおけるカードの出し方で意思が伝わったときの満足感、協同してゲームを進める連帯感、そして、負けても敗北感は緩和され、勝てばうれしさは2倍になります。

これを、フィギュア・スケートのペアのように、パートナーとぴったりと呼吸を合わせ、見事なゲーム展開で強敵を破ったときの快感は、芸術家の創造の喜びにたとえられるとする人もいます。

外国では、ゲームのよきパートナーになれるというのが、社交技術の一つとされているようですが、日本でブリッジが盛んにならないのも、このパートナーシップもネックの一つになっているかもしれません。

Bスポーツ性

ですが、ブリッジや碁・将棋、チェスなどの知的ゲームはマインド・スポーツといわれます。碁や将棋、チェスはさしずめ格闘技ですが、ブリッジは競技です。

デュプリケート・ブリッジは各ペアが同一のハンドをデーラーとバルネラビリテイも同じにしてプレイし、スコアを競います。これで運の要因は小さくなり、技で勝負が決まります。良いハンドでなくても勝ということも起こります。

よく「ブリッジは室内サッカーだ」などというのを聞きますが、わたしはスキーの大回転競技を連想します。

ブリッジの愉しみについてはBridge World誌がまとめているので、こちらも見ていただくとして、最後に元JCBL会長の渡邊文夫氏の随筆を引用させていただき、この項を終わります。

「(前略)または脳の活性化のための頭の体操としても、知力プラス冒険心、更には他のゲームにはない社交性をも併せ持ったコントラクトブリッジは、私にとって欠かせないものの一つだ。
(中略)ちなみに、ブリッジの用語は(中略)38通りしかない。こういう僅かな言葉のやりとりから相手の手を読むのである。また相手の性格から告げられたビッドが強気なのか控え目なのかの推測を試みたり、その裏をかいて計算ずくの心理の罠を仕掛けたりする。ブリッジが「人間の考え出した最も楽しい、かつ最も知能的なゲーム」といわれる所以だろう。コントラクトブリッジには、運の介在する余地は殆どない。すべてはプレイヤーの記憶力、推理力、さらに勝負どころにおける決断力にかかってくる。(中略)日本は平均寿命が伸び、今や世界有数の長寿国になった。長くなった人生の一刻をブリッジで楽しまれてはどうだろう(後略)。

 
  P:

なんか、むずかしそうですね。

 
  T:

いや、そんなことはありません。覚えたら、病み付きになるでしょう、考えることが嫌いでなければ。

大衆化されたとは言っても、ブリッジは「紳士・淑女のゲーム」であることは変わりありません。

13まで数えることができ、10分間記憶を保持できれば、ブリッジをプレイできるといいます。

熟年には頭の体操として、子供には算数学力の訓練として役に立つゲームです。 是非、トライしてみてください。

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  P:

ところで、ブリッジはどこへ行けばプレイできますか。

 
  T:

首都圏ならブリッジクラブへ行けば、初心者用の競技会や練習会がありますから、そこで、腕を磨いてください。
地方なら、JCBLに問い合わせるか、クラブに問い合わせてみてください。

 
 

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