初級室 | |||
プレイ計画 2 |
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2005.01.10 |
■スート・コントラクトの場合スートコントラクトでは、最初に、トップトリックではなくルーザー数えます。そのあとの手順はノートランプの場合と同じです。
□ ルーザーの数え方ルーザー(Losing Tricks)は、確実に勝てるトリックを除いたものです。(プロモーションは考慮するけど、フィネスは考慮しません。) 例1.
切札はハートです。ルーザーは全部で3になります。 クラブの3はダミーのQで消せますから、クラブのルーザーは0です. 例2
切札がスペードです。ルーザーは全部で6です。クラブは、KでAを追い出せばQがウイナーになるので、ルーザーは3になります。 □ 練習問題 |
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□ルーザーを減らす方法ルーザーを減らすには、@ラッフィング,Aデスカーデング,それとBフィネスの3つ基本的主法があり,その方法は次表のとおりです.
フィネスやノートランプで使った手法は、オポーネントがラフできなければ,有効です。 ラッフィングとデスカーデングの説明に入る前に、切札のドローイングを説明しておきましょう。 □切狩りのタイミングスート・コントラクトでは、オポーネントにラフされる危険性があります。従って、スート・コントラクトでは、まず「切狩り」(Trump Drawing) して,オポーネントに切札を使わせないことを検討します。
しかし,ダミーでラフする時,またデスカードする時は、「切狩り」のタイミングが大切です. 次の例は,トランプ・ドローイングを遅らせる場合です. 例1 ラフに十分な切札がない時
ルーザーは5です。 オープニングリードをダミーで勝ち、スペードをリードしてAで勝ってスペードラフします。クラブでハンドに入り、スペードをラフします。もう一度、クラブでハンドに入り、最後のスペードをラフします。 例2 デスカードする時に,切札のトップカードがない時。
ルーザーは4です。 ハートとクラブのルーザーは消し様がありません。スペードのフィネが成功すれば、ダイヤモンドのルーザーをAで捨てることができます。Aで勝ち、すぐスペードをフィネスします。Qで勝てば、Aでダイヤモンドのルーザーを捨てます。切狩りすれば,フィネスするチャンスはありません. |
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例3 切狩りを途中で止める時
ルーザーは4あります。 ルーザーを消すにはダイヤモンドのエスタブリッシュしかありません。ラフ防止のため,Aで勝ち、直ぐ2回切狩りをしますが,Qが落ちません.この場合は、切狩りを中止して、ダイヤモンドで走ります. | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■ラッフィング切札の役目は、次のとおり、デクレアラーとダミーで違います。
ラッフィングはダミーで行うのが普通です。しかし、デクレアラーでラフすることもあります。 ラフするときは、オーバーラフされないよう注意しましょう。 □ダミーでラフする場合例1
ルーザーは4です。 Qをカバーすると,SはKで勝ちAをリードしてきました.これをラフし,スペードをA,Kとプレイし, 4をKでラフします.あと,切狩りすればコントラクトは作れます. 例2
ルーザーは5です。 オポーネントのスペードが4−0でない限り、クラブのルーザーをダミーでラフすれば、ルーザーは3に減りコントラクトはつくれます。 例3
ルーザーは5です。 オープニングリードをAで勝ち,すぐスペードをリードして.これをKでラフします.次に,スペードのAでハンドに入り(この時点で切札の分布がわかります),次のスペードのルーザーをラフします.次に,ダイヤモンドでハンドに入り,スペードをラフし,スペードのルーザーをクリアします.これで,ルーザーは2に減少し,5Hができます. □クロスラフデクレアラーとダミーの両方でラフする手法です。クロスラフする場合は,対象外のスートのA,Kを事前に勝っておくことが肝要です. 例1
ルーザーは7(S=0; H=4; D=0; C=3;)です。 ダミーでハートのルーザーをラフすれば、ルーザーは3になります。ハンドへのエントリーはダイヤモンドをラフして確保します。 例2
ルーザーは6です。 クラブのルーザーをラフすれば、ルーザーは3になります。 ハンドでリード権をとるにはスペードをラフします。オープニングリードをAで取り,Aをプレイします.8をラフし,ダミーのAをプレイします.9をラフして,ハンドに入り,クラブのルーザーをラフします.これを続けてると,コントラクトはメークします. □ダミーでラフできない場合ダミーに短いスーツがない時は次の手段を検討します。
□ダミーリバーサルデクレアラーがラフの主体となる手法です. 例題1 デクレアラーがラフし,ダミーがドローする例
ルーザーは4です。 ダミーはダイヤモンドが短いけれど、ラフするのは無理でしょう。 例題2 デクレアラーがラフとドローの中心となる例。
ルーザーは4です。 ダミーに短いスーツがないのでダミーでラフできません。また、ダミーリバーサルのように、ダミーの切札は強くありません.ここで、発想の転換です。 ウイナーを数えると、クラブが2、ダイヤモンドが2、ハートが1、スペードが2、合計7トリックあります。デクレアラーの残りの切札をハートのラフに使えば、全部で10トリックとれます。 例3 オポーネントの切札の分れが予想外の例
ルーザーは3です。 ルーザーが許容値なので,まず,切狩りを考えます.QをAでとり、切狩りをしました。ところが、Nが2回目にダイヤモンドをデスカードしました。切札の分れが4−1です。計画の変更が必要です。 □ラフィング・フィネスオポーネントがカバーしなければ,ルーザーを捨てる手法です.
左図で,スペードが切札です.Eから,Qをリードします.SがKをカバーしなければ,6をデスカーします.カバーすれば,ラフして,クラブでダミーに入り, Jで6をデスカーします.普通のフィネスでは,失敗してもルーザーの数は変わりません. 例1
ルーザーは6です。(S=3; H=0; D=0; C=3;). オープニングリードをダミーでラフし,2回切狩りします.その後,A,Qとプレイします.SがKをカバーしなければ,クラブをデスカードします.カバーすれば,ラフします.そして,スペードをラフして,リード権をとり,Jをプレイし,クラブを捨てます. フィネスに失敗しても,クラブで2トリック取られるだけで,コントラクトはメークします. 例2
ルーザーは4です。 Sは1NTオーバーコールをしています.オープニングリードをQで勝ち,3回切狩りします.オポーネントの切札はクリアされました. ここで,8をフィネスします.SはQで勝ち,クラブをA,K,Qとリードしてきました.これをラフし,ダイヤモンドでダミーに入り,Kをリードします.Sがローカードをプレイしたので,ダイヤモンドをデスカードします.Aでカバーしたら,ラフして,ダイヤモンドでダミーには入り,Jでダイヤモンドを捨てます. □エスタブリッシュデクレアラーでラフして,ダミーのスートをエスタブリッシュする手法です. 例1
ルーザーは6です。(S=0; H=3; D=0; C=2;). オポーネントはハートをキャシュして,クラブをリードしてきました. Aで勝ち,2回切札をドローした後,ダイヤモンドをA,Kとキャッシュし,7をJでラフします.その後,切札でダミーに入り,ダイヤモンドでクラブのルーザーを捨てます.
例2
ルーザーは4です。 オポーネントはスペードをK,Aとキャシュして,クラブをリードしてきました. Aで勝ち,ダイヤモンドをA,Kとキャッシュし,4をQでラフします.次に,切札でダミーに入り,7をJでラフします.これで,オポーネントのダイヤモンドは5-1の分れでない限り一掃されます,10をプレイした後,ハートでダミーに入り,ダイヤモンドでクラブのルーザーを捨てます. |
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■ デスカーデングダミーの余っているウイナー(エクストラ・ウイナー)でルーザーを捨てる手法です。
ルーザーは3です。 許容ルーザーは2ですから、1つ多いことになります。
ここで注意して欲しいのはスペードです。3はQで捨て、スペードのルーザーは0ですが、Kは余っています。これをエクストラ・ウイナーです。 このエクストラ・ウイナーで、他のスーツのルーザーを捨てるのがデスカーデングです。この例では,クラブのルーザーをすてます. 例1 すぐデスカードする例
ルーザーは5です。 ダミーのダイヤモンドにエクストラ・ウイナーが1つあります。 直ぐAでとり、ダイヤモンドを A,K,Q とプレイして、Qでハートのルーザーを捨てます。その後で、切狩りをします。 これで、ハートのルーザーは1になり、クラブのルーザーはラフできるので、コントラクトはメークします。 この場合、デスカードする前に切狩りをしてはいけません。オポーネントは切札でリード権をとれば、残りのハートをキャッシュしてしまいます。 ダイヤモンドのリードなら、切狩りを優先します。 例2 すぐ切狩りする例。
ルーザーは5です。 ダミーのダイヤモンドをハートでデスカードすればダイヤモンドのルーザーをラフできます。 直ぐAでとり、ハートを A,K,Q とプレイし、ダイヤモンドの6,2をすてます。それから、ダイヤモンドをラフし、Aでハンドに入り、最後のダイヤモンドをラフします。 これで、ルーザーはスペードが1、クラブが2となり、コントラクトはメークします。 □ルーザー・オン・ルーザーこれはオーバーラフの可能性がある時に有効な手法です. 例1
ルーザーは3です。(S=0; H=1; D=2; C=0;). オポーネントはQ,Kと勝ち、Aをリードしてきました。デクレアラーがラフすると、切札が短くなります。 この場合、ラフせずハートをデスカードします。このあと、リード権を得たら、切狩りをしてクラブで走ります。 例2
ルーザーは5です。 ダイヤモンドをK,A,Qとリードしてきました.ダミーでラフらずに,スペードを捨てます. |
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□エクストラ・ウイナーの作り方エクストラー・ウイナーがないときは、フィネスやエスタブリッシュで新しくエクストラウイナーを作ることができます。この場合は、オポーネントのラフやオープニングリード・スートのストッパー等を考慮しなければなりません。 例1 フィネスをする例
ルーザーが4です。 ダミーでラフできるスーツはありません。ハートのフィネスが成功すれば、A
がエクストラ・ウイナーになります。すぐ、フィネスします。 例2 ソリッド・スートを使う例
ルーザーは4です。 ダイヤモンドで、ハートのルーザーをデスカードできます。 例3 デクレアラーがラフしてエスタウリッシュする例
ルーザーは4です。 ダミーに短いスーツが無いので、ルーザーはラフで消せません。 3回ラフすれば,ダイヤモンドがエスタブリッシュし,最後のダイヤモンドでクラブのルーザーを捨てます. |
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■ フィネスフィネスはスート・コントラクトでもよく使われます. 例1
ルーザーは4です。 オポーネントはK,Aのあと,5をリードしてきました.Aでとり,Jをフィネスします.成功すれば,Qでダミーに入り,Qをフィネスします. 例2
ルーザーは4です。 オープニングリードをダミーのKでとり,Qをリードします.成功すれば,続けて,Jをリードします. 失敗すれば,Qの活用を検討します. 例3
ルーザーは4です。 ダミーのKで勝ち,1回,Aをプレイします.オポーネントはホローしました.ここで,切狩りは止めて,ダイヤモンドとクラブをクリアします.その後で,切札をリードします.オポーネントがハートをプレイすると,QかJのどちらかが生きます.ハート以外をリードすれば,ラフして,ハートを捨てます.(エリミネーション・プレイです.) 例4
ルーザーは5です。 ハンドのAで勝ち,10をフィネスします.オポーネントがJで勝ち,ダイヤモンドをプレイし,その後,クラブをリードしてきました.Aで勝ち,Qをフィネスします. 失敗すれば,クラブが3-3の分れであることに期待します. |
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■その他の手法ホールドアップ、アボイダンスなどノートランプで使った手法も使われます. □ホールドアップノートランプでストッパーが不足の場合に、オポーネント間の連絡を遮断するためにホールドアップを使いました。 スートコントラクトでは切札がストッパーの役目をするので、この手法は不要と思われますが、使うことがあります。 例1
ルーザーは4です。 Sは1NTオーバーコールをコールしています.オポーネントの絵札は殆どSにあります。オポーネントのダイヤモンドは7枚。5−2の分れで、リードバックできなければ、クラブのフィネスに失敗しても、Sはダイヤモンドを返せません。 1回ホールドアップすると、案の定、S はK,Jとプレイしたので、JをAで勝ち、クラブのフィネスをします。これが失敗しても、オポーネントは3枚目のダイヤモンドが取れないので、ルーザーはハート、ダイヤモンド、クラブが各1で、コントラクトはつくれます。 □ダッキングエントリーが足りない時,勝てるのに最初のトリックをわざと負ける手法です.スートコントラクトでは有効です. 例1
ルーザーは5です。 ハートが4-3の分れなら,コントラクトをつくれる可能性があります.オポーネントはクラブを2トリックとり,次に,他のスートをリードしてくるでしょう.ハート以外なら,ハンドで勝って,ダイヤモンドを1回負けます.このあと,切狩りを実行し,ハートで走ります.
□アボイダンスアボイダンスは、ストッパーが弱いときに、危険なオポーネントへのリード権を与えないようにする手法です。スートコントラクトでも、切札が使えない場合には、この手法は有効です。 例1
ルーザーは4です。 クラブはSから攻められるとKはストッパーになりません。 □モートンフォークオポーネントのAの後に位置するアナーを確立するこの手法はスートコントラクトでも有効です。。 例1
ルーザーは4です。 Nが1Sとオーバーコールしています.残りのAはすべてNにあると仮定します。 クラブでエクストラウイナーをつくるか、またはNからスペードをリードさせるとルーザーを1つ減らすことができます。 Aでとり、切札をドローします。 NはAでとり、再びダイヤモンドをリードします。Qでとり、切狩りをつづけます。オポーネントの切札は2−2でした。ここで、ハンドからクラブのローをリードします。NがAでとれば、クラブでエクストラウイナができるので、スペードのルーザーを捨てることができます。 |
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