リストB マイケルズ・キュービッド 3 2003/05/30
  説明
使用条件
アドバンサーのレスポンス
キュービッダーのリビッド
  オポーネントの介入
他のシーケンスでのMCB
参考事項
 

 


 オポーネントの介入

□ アドバンサー

ダブルなら、取り決めたとおりビッドします。
オーバーコールに対して、弱いハンドは特に有効な情報がなければパスします。

例1 (EAST)
AK8754
AQ1065
4
5
N E S W
1 2 3 /
/ X / 4
(WEST)
32
973
9865
6432

例2 (EAST)
AJ8754
AQ1065
4
5
N E S W
1 2 3 3
/ 4    
(WEST)
KQ32
K32
986
432

□ キュービッダー

強いMCBなら、ダブルや再度のキュービッド又は新スーツやノートランプを使います。
弱いMCBでは、スーツの質に差があれば、それを示します。

例1 (EAST)
A10875
AQJ1065
4
5
N E S W
1 2 / 2
3 3 4 4
(WEST)
Q32
K3
9865
6432

例2 (EAST)
AQJ75
AQ1065
-
A43
N E S W
1 2 2 /
/ X / 2
/ 4    
(WEST)
K4
J3
Q8652
8652

□ アスキング2NTが使えない時

メジャースーツのキュービッドに対し、アドバンサーは2NTでマイナースーツを尋ねます。
しかし、RHOのビッドによっては使えないことがあります。
このときは、4NT4を使います。

(A) 4NTの使用例 (B) 4C の使用例
(WEST)
2
3
AK8754
AQ1065
N E S W
1 2 4 4NT
       
(WEST)
Q3
976
K986
QJ65
N E S W
1 2 3 4
       
4NTに対し、Eはマイナースーツをビッドします。 Eはクラブならパス。ダイヤモンドなら訂正します。

 
 


■ 他のシーケンスでのMCB

MCBは、オポーネントの1レベル・スーツオープンに対し、ダイレクトシートで使いますが、他のビッドシーケンスでも使います。
ここで紹介するのは大部分慣用的なものですが、新しいパートナーとプレイする時は、事前に確認した方が良いでしょう。

□4番手で

(1)
N E S W
1 / / 2
バランシングシートでのキュービッドはマイケルズです。HCPは8以上です。

(2)
N E S W
1 / 2 3
これもマイケルズです。10HCP以上。

(3)
N E S W
1 / 1NT 2
これもマイケルズです。
両メジャーを示します。

(4)
N E S W
1 / 1 2
これをマイケルズとする流派もありますが、SAYCではナチュラルです。

(5)
N E S W
      /
1 / 1NT 2
パスドハンドでも、マイケルズを使います。

(6)
N E S W
/ 1 / 2
3      
これもマイケルズです。

(7)
N E S W
1NT / 2 2
2JTBです。これは(1H):2Hとおなじ扱いになります。[ ROOT ]
誤用の例がポインツ・シュモインツにあります。

□プリエンプテイブ・ビッドに対し

(1)
N E S W
2 3    
スペードのストッパーを尋ねています。
サイドにソリッドスーツがあり、3NTトライです。HCPは15以上。

(2)
N E S W
2 3    
マイケルズです。12HCP以上。

(3)
N E S W
3 4    
マイケルズです。13HCP以上で使います。


■ 参考事項

□保証するスーツの枚数

5+4でもよしとする流派もありますが、5+5を守ったほうがよいでしょう。

HCPのレンジ

ここでは、GRANTの基準を採用しました。
3レンジに分けるのは大勢ですが、HCPのレンジは流派によって違います。新しいパートナーと組む時はよく打ち合わせてください。

    弱いMCB Overcall 強いMCB
(1) GRANT 5-11 12-16 17+
(2) ROOT -12 13-16 17+
(3) KLINGER 6-10 11-15 16+
(4) SEAGRAM -9 10-15 16+
(5) DORMER 6-11 12-16 17+

□クリンガーの指針

キュービッダーに対するガイドです。

Rlue of 15
2つのスーツにおける、枚数とアナーの数の合計が15以上なら、マイケルズ・キュービッドを使いなさい。 J、10は上位のアナーがある時だけ数えなさい。

例:1のオープンに対し

1  QJ987 KQ1087 87 3 2
2   Q10732 AJ654 87 3 /
3   KJ842 Q108732 4 8 2

(注1) GRANT の例題はこの基準を満たしています。
(注2) KLINGER:Guide to Better Duplicate Bridge(1966)ではRule of 14を採用しています。

( KLINGER : Better Bridge With A Better Memory (p38) )

□ トリック・レショウ

トータルトリック則(LTT)はHCPが彼我に等分にある時の、切札枚数と取れるトリックとの関係を示したものです。

では、HCPの配分が等分でない場合はどうなるのか。
この場合の切札枚数とトリックの関係を示したものがトリック・レショウ(The Trick Ratio Principle)です。

The Trick Ratio Principle
  ・切札が9枚なら、23HCPあれば10トリックとれる。
  ・切札枚数が10枚なら、20HCPあれば10トリックとれる。

これはアドバンサーにとって有力なツールになります。パートナーが5枚スーツと5〜11HCPを保証しているからです。

不利なバルのときに役にたちます。

( JAGO : The Trick Ratio Principle)

MCBのルージングトリック

クリンガーの指針に適合する最低のMCBについてルージングトリック(LT)を調べてみると次のようになります。

  HAND MCB LT
1  QJ1032 Q10432 32 3 1/2 7
2   QJ5432 Q10432 2 3 1/2 6
3   Q10432 2 QJ1032 32 1/2 7

これから、弱いMCB(5+5)のLTは7と考えてよいでしょう。

□ バルネラビリテイ

弱いMCBを使用する時は、枚数、HCPのほかにバルネラビリテイを考慮する必要があります。

ROOTの例題をみてみましょう。

例1
N E S W
1 ?    
(WEST)
AQ843
64
6
K10653
例2
N E S W
1 ?    
(WEST)
J10875
KJ852
72
3
  同じバル以上: 2 (LT=6)   有利なバル: 2 (LT=8)
  不利なバル: 1   同じバル以下:パス

同じハンドでも、バルによってコールは違うことがわかるでしょう。
不利なバルのときは、注意して使いましょう。

不利なバルネラビリテイでの心得
(キュービッダー)
  ・クリンガーの指針を守る。不適合でも、LTが6以上なら使う。
(アドバンサー)
  ・トリックレショウでチェックする。

□ 参考文献

GRANT : Commonly Used Convention(p76),
ROOT  : Modern Bridge Conventions(p143),etc.



 

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