低位のコントラクトでは,ペナルテイダブルが成立するチャンスは少ないものです.このため,近年の競り合いビッデングでは,ダブルを「特定の意味」を持つコールとして使用します.
このようなダブルの嚆矢はテイクアウトダブルですが,そのあと,ネガティブダブルがレスポンダーのテイクアウトダブルとして定着し,ここでとりあげる「レスポンシブ・ダブル(Responsive Double)」も広く使用されています.
この他にも,競り合いオークションで使われる有用なダブルがありますが,その主なものは,この講座の「コンペテテイブ・ダブル」で一括紹介します.
あらかじめお断りしておきますが,レスポンシブ・ダブルはコンベンションとして定着していますが,いろいろなバリエーションがあります.
使用に際しては,パートナーと事前によく打ち合わせておくことが大切です.決して,自分の使用基準が正しいと思わないように.
これは介入側が使用するダブルです.オポーネントのスート・オープニングに対しパートナーが介入し,RHOがレイズしたときに使用するダブルです.
次のオークションでWのダブルがレスポンシブ・ダブルになります.
例1,2,3は1のスートオープンの場合,例4は介入がオーバーコールの場合,例5はウイーク2オープンの場合です.
いろいろな基準がありますが,ここでは ACBLの Encyclopedia と Lawrenceの著作に準拠してまとめました.
一般的なことは次のとおりです.
(1)1のスート・オープンに対するテイクアウトダブルの場合
オポーネントが1のスートでオープンして,パートナーがテイクアウトダブルをかけ,レスポンダーがレイズしたとき,次の条件に適合すれば使います.
□使用例
(2)1のスート・オープンに対するオーバーコールの場合
図のように,パートナーがオーバーコールし,RHOがレイズしたときのダブルもレスポンシブ・ダブルの範疇にはいります.
この場合の条件は次のとおりです.
□注意
パートナーのオーバーコールにオポーネントがレイズしてダブルするパタンは他の使い方があります.
これを「キュービッド・ダブル」といいます.こちらのほうが使用価値があるかもしれません.詳細はこちらをご覧ください.→GO.
(3)プリエンプト・オープン対するテイクアウトダブルの場合
パートナーがテイクアウトダブルをしたとき,上記の条件が満足していればレスポンシブダブルを使います.
オーバーコールの場合は,オポーネントのレベルが3D以下で,上記の条件に適合すれば,ダブルをコールします.
レスポンシブ・ダブルは慣用化されているとはいえ,バリエーションが多く,細部に違いがあります.
参考まで,他のテキストの基準を二三示しておきます.
□ Klingerの基準
□ Seagramの基準
□ Satnickの基準
□ 参考図書