八重山遠征を挟んで3月下旬から4月10日に至る約20日間に計5回通ってようやくはっきりその姿を見ることが出来た珍客カオグロアメリカムシクイ。現地到着の15分後に、まずフィールドの東側にウグイスに似た地鳴きと共に倒れた葦の隙間に姿を見せ、少しづつ西側に移動しながら時には姿が見えなくなり、また離れたところに姿を見せる。まるで忍者のように振る舞いながら最後は葦の切れ目にある小舟の舟べりに乗ってくれた。この間丁度15分。ファインダーを通して、また肉眼で目をこらしてその姿を追い、シャッターを押し続け、再び葦の中に姿を消した時にはホッとした脱力感さえ覚えたのであった。その後は1時間以上待ったものの現れず、この半月以上もご無沙汰していた稲敷方面も気になったので稲敷方面に向かった。しかしシギチの数は極めて少なく、オオハシシギの姿は見えず、タカブシギさえ見られない寂しい状況であった。そんな中無事に越冬してくれた3羽のハジロコチドリの元気な姿に心なごむものがあったのである。その中の1羽は夏羽への換羽が進んでおり、嘴の基部が黄色になり、顔のクマドリも黒々とメリハリのある姿になっていた。蓮田ではクサシギが越冬し、冬の間目にする機会が多かったが今日も数羽のクサシギの姿を見ることが出来た。心なしか上面が黒々として見え、小さな白斑が多くなってきたようにも感じる。蓮田には農作業の発電機やポンプの音が響き畔の緑も濃くなり、まだ姿を見ることが出来るタヒバリの胸もほのかに赤味がさしてフィールド全体が春を迎えて喜んでいるようにも見えるではないか。リストのヨシガモ、サシバ、カンムリカイツブリなどは帰宅途中に立ち寄った印旛沼周辺での観察である。 |