こ台風19号、20号が相次いで襲来、関東には直接の影響はなかったが、強い南風が吹き荒れる日々が続いた。こんな時の常道は銚子や東京湾の南に向いた海辺をパトロールすることである。折からのシギチの渡りと絡めて2日間に亘ってタンボ、銚子、三番瀬の干潟などを回ってみた。
8月23日 : 台風20号が上陸する半日前、稲敷方面のタンボ回り、与田浦の調査などを午前中に済ませ、午後にかけて波崎、銚子をパトロールした。タンボでは徐々に種類、個体数が増えている気がするが早朝とは言え日差しは強く湿気をたっぷり含んだ空気が肌にまとわりついて激しく暑い。タカブシギの数は急激に増えつつあり、少数のコアオアシシギを初認する。与田浦水田ではムナグロの数十羽の群れを確認することが出来た。その後銚子を目指したが。しかしこの日はまだ風は穏やかで、しかも大型の巻き網漁船やサンマ漁船はこの時期の漁場である三陸沖に出払っていて波崎新港、銚子第2、第3漁港には漁船が全くいないという今までにあまり見たことのない光景が広がり、鳥も少数のウミネコが飛んでいる程度で全く成果なしで午後には家路についてのである。
8月25日 : 前日の24日は台風の接近による南からの強風の影響で銚子ではオオグンカンの成鳥(メス)東京湾最奥部の稲毛海岸などではセグロアジサシ、シロハラミズナギドリなどが確認されたとのことで、引き続き南風が強く吹き荒れる今日は早朝三番瀬で探索しつつ、銚子の状況によっては再度銚子に移動するという二正面作戦を立て、まだ暗いうちに家を出た。三番瀬到着は4時半頃で大潮の満潮に加えて南の強風によって海水が吹き寄せられ、さらに高波が防波堤を超え、普段の三番瀬とは全く違った荒々しい姿を見せていた。普段満潮時にシギチが休息している船橋側の防波堤は高波をかぶって鳥の姿はなく、少数のキアシ、キョウジョ、ミユビなどは船橋側の岸から沖に伸びる突堤の上で休息している。一時間以上は何か飛んでこないかとキョロキョロと上空を見たり、徐々に現れ始めた干潟を観察したりしていたが、6時少し過ぎ、干潟の南側、つまり順光側の青空高くゆっくりと市川方向に飛ぶグンカンドリ若ドリを確認、撮影することが出来た。腹部の白斑、嘴の長さや太さなどからオオグンカンドリであることは画像ですぐに確認できたのである。上空を飛んでいる時間は精々1分程度で、やがて市川方向に遠ざかってしまった。かなり時間がたってから市川側上空を探索してみるとどうやら行徳の野鳥保護区辺りの上空を旋回しているオオグンカンを再発見、また三番瀬上空に戻ることを期待して辛抱強くまったのだが、結局は戻らず、9時30分過ぎに内陸方面に姿を消してしまった。干潟のシギチは前回と大きくは変わらずであったが印象に残ったのはメダイチドリの幼鳥で、いかにも幼な顔で各部のアンバランスが本当にかわゆいのだ。このころになると暑さもピークに達するという訳で帰り道谷津干潟に寄って観察センターのカフェでイチゴのソースがたっぷりかかったかき氷(スノーアイス)お気に入りの「セイタカシギ」を注文して汗と熱気を収めてから帰宅したのである。
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