2015年1月以来、2度目の東与賀干潟(大授溺)訪問、春の渡りの季節は初体験である。以前から計画していたのだが、出発前日になって夏羽へ換羽中のヘラシギが出たとの情報が入り、俄然色めきたったのであった。マイフィールドでは2002年から2007年にかけて3回の観察経験があるが、春の渡りでは未経験である。午前8時前頃から前日に観察された辺りの干潟をスコープで探し始める。最も手前にトウネンの群れ、その後ろにハマシギ主体の群れ、さらに後ろにはダイゼン、オオソリなどがひしめき合っている。手前のトウネンの群れを片っ端から検索を始めた。まだ結構活発に動いているので確認も比較的容易ではあったのだが、捜索を始めてから15分程で30m〜40mの距離で活発に採餌するヘラシギを発見することが出来た。まだ満潮のピークには3時間もある。このま満潮になればかなり近距離での観察が期待できると思われた・・・・しかし短距離を飛んで移動してトウネンの群れの中に入り込み、さらに多数のトウネンが飛来、大きな群れとなってしまい、おまけに一斉におやすみモードに突入、そのまま行方知れずになってしまったのである。居合わせた数人のバーダーによるフォローも約30分でお手上げ状態になってしまった。それでも上げ潮とともに近距離で鳥が動き出せば再発見できるとの思いでじっと待ったのだが満潮時刻になっても潮位はさほど上がらず鳥の動きも活発にはならなかった。やはり発見された先週末と比べると数字上の潮位は僅か25cmほどしか違わないのだが有明海の干潟ではこの差は汀線までの距離に大きく影響してしまう。かくてヘラシギのみでなくすべての干潟上の鳥達はかなりの距離を置いての観察を余儀なくされてしまったのである。その後正午過ぎまでの間に、コオバシギ6羽、かなり離れた場所で単独で行動するサルハマシギその他特に目標としていた鳥を一応観察、撮影することが出来たのである。やはりベストの潮周りではなかったことが悔やまれる結果となってしまった。2日目の正午過ぎ撤収の準備中に干潟の西の端でツルシギ、反対側の東端でエリマキシギの情報を頂いたが、残念ながら時間の関係でパスすることにした。それにしても聞きしに勝るシギチ天国、種数、個体数など、マイフィールドの三番瀬とは比較にならない規模である。2日間で観察したシギチの種数は白石町の蓮田地帯も含めて34種、情報のあったエリマキ、ツルを加えると36種にもなる。距離があったとは言えヘラシギを見ることが出来たのはこの上ない幸運であった。次回(と言っても来年)は是非ともベストの潮周りで再挑戦したい。
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