春の渡りの季節、渡来する鳥、渡去する鳥が交錯する季節である。毎年家からほど近い小さな谷津田に渡来するサシバを確認してから稲敷の蓮田の様子を見に行くことにしてゆっくり家を出た。50mほどの幅の小規模な谷津田は以前は水田であったのだが最近は耕作放棄地の荒地の部分が多くなりサシバのエサ取りに影響するのではないかと心配していたのだが今のところ毎年確実に渡ってきているようである。今日も到着早々に♀と思われる個体を確認することが出来た。さらに上空を汎翔するもう一羽も確認出来たのである。その後印旛沼に行ってみた。吉高機場周辺の工事も終了し、ほぼ以前の状態に復していた。沼のカモ類の殆どは渡去しており残っているのは極く僅かとなっていた。やがて冬の小鳥類も渡去、代わってオオヨシキリ等の夏の小鳥で賑わってくるのだ。今日の目的は稲敷の蓮田のシギチの様子を確認することであったが主なポイントを巡ってみても以前から見られているセイタカシギやタシギが目につくくらいでシギチの姿は殆ど目にすることが出来なかった。越冬するシギチが多い年は別にしてシギチの春の渡りはまず干潟で見られるようになり蓮田など内陸の淡水系のシギチが姿を見せるのはツルシギを除いては4月上旬以降であることが多い。タヒバリの群れに遭遇したが全体に赤味を帯びてきておりこちらも渡去が間近いことを思わせる。冬鳥の季節が終わり旅鳥や夏鳥が本格化するまでの一時的な「端境期」を思わせるフィールドであった。
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