昨日(4月23日)のシギチドリ探しが期待に反して低調で落ち込んでいたさなかに鳥友から山の小鳥の情報が入ってきた。これに触発されてしまい、今日行ってみることを即決したのである。目的地は山梨県の林道、未明の午前3時に出発、首都高を暗いうちに通過し、中央道、一般道を走って午前6時頃には林道を歩いていた。あたりにはコルリやコマドリ、さらにはゴジュウカラやミソサザイ、キツツキのドラミングなど早朝の林道は小鳥たちの啼き声で満ち満ちている。カケスが歩いている目の前を谷に向かって飛び、ミソサザイが黒い礫(つぶて)のように飛び回っては大きな声で囀っている。観察ポイントではまずコルリが姿を見せてくれた。コルリを見るのは数年振りのことではないだろうか。ついで藪の中を潜行していたコマドリが姿を現した。コルリもコマドリもとてもよく囀ってくれる。おかげで両者の囀りの違い、また同じコマドリの囀りのタイプをじっくりと聴くことが出来た。そのバリエーションの豊富なことには驚いてしまう。周囲の木々はまだ新芽が殆ど展開しておらず小さな小鳥でも近くに来ればとても見易く、コガラ、ヒガラ、シジュウカラなどが活発に飛び回っているのもはっきりと視認できる。やや離れた枝にゴジュウカラの姿も確認出来た。ゴジュウカラの独特な囀りは時々谷あいの林のあちこちから聞こえるので個体数も多いのかもしれない。キツツキのドラミングも遠く、また近くになったりと山での鳥見の雰囲気を演出してくれる。遠くにチラリと見えた鳥影は多分オオアカゲラか? このポイントの主役はコマドリのようで、その合間を伺うようにコルリや時にはクロジが姿を見せた。この日は現地の気温は朝方は1℃、準備してきたネックウォーマーやダウンコートがその役割を十分に果たしてくれた。3時間余り、小鳥たちのパフォーマンスを堪能したあとさらに林道の上部を歩き、キバシリなどを確認した後、帰路の渋滞を避けるべく10時前には山を後にした。途中高速のSAで食べたラーメンが冷えた身体を暖めてくれると、なんとも穏やかな幸福感に包まれてくる。その後も高速道路をゆっくりと巡航速度の80〜90Km/hで走り午後2時半過ぎには無事に帰宅していたのである。午前3時からスタートし、このフィールドノートをアップしたのが午後10時過ぎ。私の長い幸せな1日が終わろうとしている。
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