HOME
フィールドノート目次

Chusanの
鳥撮り見鳥 旅日記 −その4−
2010年5月15日〜17日 舳倉島初陣 の巻

ムギマキ ♂
眉班が殆どないマミチャジナイ
宿の前の草原に来たコホオアカ
ヒメコウテンシ、これも宿の前
ハチクマの鷹柱
道路脇から離れなかったエゾムシクイ

プロローグ
日本中のバードウォッチャーはおろか今や外国からの訪問客も多くなったという舳倉島。今までは日程に余裕が持てずつい敬遠していましたが、今年、思い切って初挑戦に踏み切りました。混雑するゴールデンウィークを避けて少し落ち着いた頃にという訳で5月第3土曜日から3日間の予定で舳倉島経験30年の大ベテランSさんにお願いして宿を紹介して貰いました。出発の4ケ月以上も前、1月のことでした。、この日記の書き出しは輪島に向かう深夜ドライブからとなります。

5月14日夜〜15日早朝  輪島への深夜ドライブ
出発した5月14日は奇しくも私の68回目の誕生日にあたります。しかしお祝いの言葉を贈ってくれたのは昼間の勤務先での若い社員1名のみ、家族では気付いてはいたのでしょうが特段のコメント無し。そういえば1カ月余り前の家内の64歳の誕生日の時は前日まで覚えていたにも係わらず当日は頭から抜けてしまっていたのですからこれも仕方ないことなのです。そんな誕生日の夜8時半過ぎに家内と共に出発です。関越道−上信越道−北陸道−能登有料道路のルートでのドライブ距離630Kmを休憩しながら8〜9時間かけて無理せずゆっくり走る計画です。途中1回目関越道の上里、2回目は上信越道の小布施、3回目北陸道の有磯海の各SA、Pで短時間の睡眠をとりながら、またハイブリッドカーの燃費をさらに良くしようとエコ運転を心がけての輪島舳倉島航路の桟橋到着は午前5時丁度でした。乗船開始の8時まで、朝食、仮眠、周辺偵察などで過ごしました。乗船客の中には知り合いのバードウオッチャーも多くますます島での鳥見が楽しみになったのでした。

5月15日  狙い:島の鳥見ポイントの位置関係を知ること、離島ならではの鳥をゲット  天気:快晴
9時に出航、1時間半の極めて穏やかな航海の後10時半に無事舳倉島初上陸となりました。先ずはめでたしです。同行した前出のSさんが「立山連峰が見える!!」と驚嘆の声を上げました。なるほど海を隔てた能登半島の向こう側に白く輝く峰々が連なる立山が見えるではありませんか。幼い頃の4年間を富山で過ごした私にとって立山連峰は毎日の生活の中に溶け込んだ日常の風景でした。その立山連峰を舳倉島から遠望できたことは感慨ひとしおのことでもありました。立山が見えることは滅多にないとのことで、それだけ空気が澄んでいたということでしょう。、民宿に荷物を解いて早々、目の前の草地に
キマユホオジロが出ており到着早々離島ならではの種をゲットし、滑り出しは上々でした。前日と比べると鳥の種類、数が激減したとの先着バーダーの話もあり、実はちょっと心配していたのです。
その後Sさんの案内で島の中を一通り歩いてみました。歩きながらも探したのが前日もチラッと情報があったヤマショウビン。海岸の岩場を探しましたがそれらしい陰はありません。やがて差し掛かった草原でやや大型の鳥が低く飛ぶのを見付け、後を追ってみると
赤色型のツツドリでした。深い草薮の中に身を潜めて短距離を移動しながら餌を追っているように見えます。普段は樹上の姿を見ることに慣れているので少々びっくりです。 さらにマミジロキビタキを見たという方から場所や様子を聞いたり、ムギマキの綺麗な♂や可愛い♀を見たり、ヒレンジャクの群れを観察したりと、道を辿りながらも次々に現れる鳥たちの姿に一喜一憂、驚きの連続でした。この日の昼食は持参したおにぎりでしたが時間も中途半端だったので歩きながらなんとなく済ませてしまいました。一通りの道を歩いた後はSさんとは別に自分で歩いてみたのですが、途中Fさんからチフチャフの目撃情報を頂き、その直後その場所のすぐ裏手の林の樹間を移動する明るい灰褐色のムシクイを発見、足が黒い! チフチャフです。センダイやエゾとは全く違う色合いでした。次に釘付けになったのはムギマキのポイント。同じ場所でオオルリ♂、♀。ヒレンジャクなどが見られます。ムギマキは去年の秋に戸隠まで行ってやっとこさ姿を見る程度だったのですが、ここでは美しい♂。♀を見放題。さすが舳倉島です。このところムギマキが多いとのことなのでいつもこうだということではないそうです。その後夕方にかけて、民宿の前の草原周辺でヒメコウテンシ5羽、コホオアカ、ノジコなどを見ることが出来ました。そして見たことがない鳥が・・・たまたま傍にいた知り合いのNさんに聞いてこれがチャマシコだと教えて頂きました。見たことがない鳥の同定は難しいです。それにしても写真を撮ってから聞けば良かったのに、教えてもらってからそれではとばかりレンズを向けたとたんに飛ばれて行方不明になってしまいました。 その直後Sさんからチフチャフが岩場に出ているとの連絡がありましたがもう岩場まで歩く元気もなく、夕食の時間だしとのことで第一日目の鳥見を終わることにしました。

5月16日   狙い: 昨日見られなかったマミジロキビタキをゲット。新たに到着した鳥は? 天気:快晴
2日目の朝。4時半に宿を出ました。昨日歩いてなかった島の北東側に行って見ました。前日見かけた
ハヤブサでしょうか、海岸の岩場で食事をしていました。朝食前の一回りを終えて宿に戻った時に狙いのマミジロキビタキ情報を頂き、朝食後にその場所に張り付いて見ましたが現れず、反対側の草原に回ってやっと見ることが出来ました。しかし近くには来てくれず、あまりいい写真は取れませんでしたが、それでも約20分間にわたりスコープで捉えたレモンイエローと黒と白の美しい姿は印象深いものでした。 その後チャマシコを求めて海岸の草地に行ったり、新しく入った鳥を期待して島の中をあちこち歩き回りましたがオオルリ、ムシクイ類の数がかなり増えたように感じました。、ハチジョウツグミが何時行っても同じところに居ましたが、少し離れた別の場所でも見られ、模様も少し違うので別個体のようです。 この日はムギマキも引き続き見られ、マミチャジナイも前日に続いて結構沢山みられました。猛禽ではツミとハチクマを見ることが出来ました。夕方にかけては道路わきの水溜りに来る小鳥を居ながらにして見られる劇場型鳥見を楽しみましたがサンショウクイなども来たとのことでした。夕食後は以前からの知り合いで同宿のベテランバーダーYさんやNさんに撮影した画像について色々教えて頂き、有意義な鳥談義を楽しんだのです

5月17日  狙い: 新しく入った鳥を探すとともにチャマシコの写真を撮る   天気:快晴
朝、例によって朝食前に海岸の岩場を手始めに新しい鳥を期待して一回りしましたが、昨日まで沢山見られていたムギマキ、オオルリが殆ど見られません。一回りして朝食の場に戻った時の情報交換では、アカハラダカ、アカアシチヨウゲンボウなどが見られたとのことでした。朝食後、近くに現れた
カッコウを見たりしながらも島全体をもう一度一回りしました。道路の脇の笹薮でちょっとコルリに似たさえずりを聞きました。暫く囀っていたので立ち止まって鳥を探したり、何の声か考えたりしたのですが、コルリにしてはちょっと違うなどと思いながらも、訛りのあるあるコルリかななどとおもっていました。 知り合いのYさんもこれに気がついていて、後で「シマゴマが鳴いていましたね」 え〜っ あれはシマゴマの声だったのか、というわけでやはり初めて聞く声で後追いながらも忘れられない出来事でした。舗装道路の脇に降りてしきりに餌を啄ばむエゾムシクイやコホオアカ、人が数メートルまで近寄っても飛び去りません。前日には見られなかった光景で、新たに到着して疲れきった個体なのでしょう。 10時半頃、突如として数羽のハチクマが現れ近くの上空を旋回し始めました。 上昇気流を探しているように見えます。 今朝になって島に入って来たのでしょうか? やがて気流にのって高く舞い上がり飛び去りましたが、数は少ないものの思いがけず目の前に繰り広げられた豪華な鷹柱に圧倒されてしまいました。昼食後は民宿近くの草地でチャマシコを探しましたが残念ながら見ることができずやがて乗船時間の2時となり楽しかった3日にわたる鳥見を終えることになりました。

今回の総括
見られた鳥の種数 : 
64種類 シーズンの舳倉島の割には少ないと思いますが、初陣ではこの程度でも仕方がないのかなと思います。。 初見の鳥はアカマシコ(チャマシコ)、マミジロキビタキの2種類でした。
期待していて外した鳥 : 
直前情報で見られていたヤマショウビン、チフチャフ、マミジロキビタキは見られることを願っていたのですが、ヤマショウビンは見られず残念でした。好天続きで全体の種類も数も少ないと言われたので満足です。シマノジコ、シマアオジなどの稀少ホオジロ類があと2種類くらいみらると言うことありませんでした。 この島では「この鳥はこのような環境のところに居る」という習性の常識は全く通用しないことが良くわかりました。海岸の岩場に草原の鳥が沢山みられたし道路に出てくるホオジロ類やムシクイ類など渡りの中継地の小島ならではと言ったところでしょうか。
思いがけず見られた鳥 : 
何と言ってもハチクマの鷹柱でしょう。タカの渡りはもう10年近く前に白樺峠に行ったのが唯一の経験なので、これほど間近で見たのは初めてでした。 また、ムギマキをじっくり見られたことも嬉しいことでした。
島に行ってみればそこは知り合いの方々が大勢。久しぶりにお会いした方々、普段しょっちゅう会っているのにこんなところでもまた会っちゃっつたという方。もちろん初対面の方々とも新たに知り合いになれるなどほんとうに楽しい経験となりました。

改めてサポートしていただいたSさんはじめ現地で色々教えて下さった大勢の方に感謝です。

5月22日  Chusan記