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Chusanの
鳥撮り見鳥 旅日記 −その5−
2010年10月1日〜4日 与那国島初陣 の巻

与那国空港でB737
最初に出合ったクロハラアジサシ
北牧場の風景
西崎の日本最西端の碑
アカガシラサギ
ベニバト

プロローグ
舳倉島と並び多くのバードウオッチャーを魅了する与那国島、春に舳倉島初上陸を果たした時点で秋の遠征を舳倉島再びとするか与那国島にするか、迷っていましたが舳倉島とはまた違った雰囲気を感じる与那国にすることにしました。折りしも春の与那国島へのお誘いもあったのですが、舳倉島と重なり日程的にも調整が難しかったので与那国島は秋に行くことにしました。秋といってもその時期によって見られる鳥の種類がかなり違うということでもっとも一般的な最適期間として10月上旬とすることにしました。今回は与那国のことならお任せというベテラン女性バーダーのIさんとご一緒させていただき3日半の間島中を駆け回ることにしたのです。
出発3週間前の9月10日、与那国島に詳しい若きバーダーU君、同行予定のIさん、私ども夫婦の4人でバーダーのたまり場でもあるお馴染みの中華料理屋さんで勉強会をしましたが、その結果今回の与那国島遠征の目標をアカハラダカ、ハイイロオウチュウをメインにライフリストに4種を加えることとしました。

10月1日 与那国島へ そして探鳥開始
与那国島の天気 晴れ

飛行機の出発時間は朝6時25分、今回は羽田までの行き帰りの交通費を考えると車で空港まで行き、空港の駐車場に車を置いて、帰りも車で返ることにしました。費用はさほど変らず荷物を持ってアタフタせずに済むので楽なのです。 羽田空港で同行のIさんと落ち合い一路石垣空港経由与那国島に向け定刻に出発です。機体はB−737という比較的短距離用のポピュラーな機種でした。驚いたことに石垣空港から
与那国島間の飛行機も同じB−737でした。てっきり小型のプロペラ機が飛んでいるとばっかり思っていたのでこれにはびっくり、与那国空港にジェット機が降りることができるなんて思っていませんでした。昔のイメージで凝り固まっていたのですね。便によってはプロペラ機も運行されているようです。
さて探鳥開始です。まずは初日のこととてポイントを一通り回って島の現状とポイントの様子、そしてなによりも土地勘を頭にいれることにします。最初の探鳥地は北牧場の西側の海岸に近い小さな牧場。ここですぐ目の前を飛ぶ2羽の
クロハラアジサシや多数のツメナガセキレイの幼鳥を見ることができました。ムナグロ、アカモズ(亜種シマアカモズ)なども。さらに久部良ミト、久部良の集落で昼ごはんを仕入れて満田原湿地に向かいます。この間さしたる成果も得られないまま比川の集落へ。ここではシベリアムクドリを探しましたが数羽のコムクドリとカラムクドリ♀のみ。隣接する比川水田ではシギチ類とヨシゴイの幼鳥が見られました。てっきりリュウキュウヨシゴイとおもったのですが虹彩の形はまんまるでした。その後東崎方面への道を辿りました。崖下のアリシと呼ばれる場所でかなり大きい尾が長い鳥を見たが逆光で色がわからず、写真も撮れないまま姿を消してしまい、あとあとまでナゾを残してしまったのです。しかし他にはこれといった鳥は見られないまま夕刻になり東崎から祖納の宿に向かう途中の牧草地で多数のツメナガセキレイに混じっているマミジロタヒバリを見つけました。ようやく本日初のライファーでした。
10月2日  狙い:とにかくアカハラダカとセジロタヒバリに会うこと  
天気:快晴

朝6時半、朝食前の探鳥は宿から程近い田原川湿地です。川沿いを歩いてみましたが殆ど鳥の動きが見られず、同行のIさんがチヨウセンウグイスを確認したのみでした。その後集落近くのサトウキビ畑でミフウズラを初見。逆光で撮影はしませんでしたが2種目のライファーゲットでした。朝食後はまず北牧場に向かいました。ここでもお目当ての鳥たちには会えませんでしたが牧場の突端から
緑の草原と青い海、白い雲と断崖という美しい景色に魅了されたのでした。その後久部良の集落や漁港を探鳥後有名なカレー屋さんで昼食、美味しいカレーでしたよ。ここで長命草のジュースを飲みました。特に青臭くもなくスムースな口当たりでした。その後近くの日本最西端である西崎に上り遠く台湾方面を望見、空気が澄んでいるときには台湾が見えるとのことでした。午後は本命のアカハラダカを目指して与那国嵩農道に向かいます。いかにもタカが飛びそうな道路の下が開けた場所で山側からタカが飛び出しすぐにまた山側に入ってしまいましたが車から降りて探すうちにまたすぐ頭上を2羽のタカがもつれるように飛びました。急なことで撮影は間に合いませんでしたが多分アカハラダカだと思いました。しかし暫く待ってもタカは現れず、昨日と同様再び東崎を目指します。東崎では昨日のなぞの鳥が現れるのを期待して再度アリシに降りて見ましたがそう都合よく現れるわけもなく灯台の手前の東屋で休憩です。ここからははるかに西表島と思われる大きな島影を望むことができました。顔が白い牛これがこの日の東崎での収穫でした。 その後祖納に向かうことにしましたがまともに逆光になるので迂回路を祖納付近まで戻り太陽を背にして昨日マミジロタヒバリを見た草地に行ってみることにしました。この牧草地、昨日とは少し様子が違い牧草のロールを作る作業が進んでいましたが、そこに居たのはマミジロタヒバリではなく、1羽のツバメチドリ。そして同じ場所の道路の反対側ではコイカルの姿も見ることが出来ました。2日目も朝方ライファー一種をげっとしたものの総じて消化不良気味の一日で終わってしまいました。
10月3日   狙い: やはりアカハラダカを見たい
 天気:晴れ

前夜の作戦会議の結果、朝食前の朝探で昨日2羽のタカを見た与那国嵩農道のポイントに行って見ました。上昇気流が起きる前、枝とまりのアカハラダカを見つけようという目論見です。しかし願いは届かず森林公園経由で朝食に帰ることにしましたが、森林公園の林道に入って間もなく道路際で採餌する小型のハトを発見、薄暗い場所で色がわからなかったのですがよく見るとカラフルな姿。キンバトでした。その後道路をチョコチョコと横切って山の中に姿を消しましたが撮影することが出来て朝探の成果としては上々でした。朝食後は作戦に従い島の最高峰である宇良部岳を目指します。今日は昨日まで見られなかったオオルリやコサメビタキがそこここで見られ、多少鳥の種類や数が増えたように感じました。宇良部岳では初日にお会いしたただ一人のバーダーに再度お会いしましたがなんと捕虫網を振っていました。鳥が余りにも少ないので蝶に転向したとのことで他にも親子連れの蝶屋さんが同じ場所で活動をしており、ここは蝶のポイントてもあるのでしょう。それでも鳥情報の交換後頂上で一休みしました。 ここでやっと帆翔するアカハラダカ幼鳥をゲットすることが出来たのです。その後麓のたんぼでアカエリヒレアシシギなどを見て比川水田に向かいました。ここでは新たにアカアシシギと
アカガシラサギを確認、しかしこのアカアシシギ、ちょっと変っていたのでしつこく撮影に熱中。折からお昼になりましたが地元の運動会もあってお蕎麦屋さんが込んでいるようなので付近をもう一回りすることにして満田原湿地やふれあい牧場周辺を回ってから少し遅めの昼食。来島以来初めて沖縄そばを賞味しました。その後枝どまりのアカハラダカ、ハイイロオウチュウを求めて再び森林公園方面に車を進めました。ここでも枝とまりのアカハラダカ成鳥と思われる個体を確認、すぐ飛ばれて写真は撮れませんでしたが一応目的は達成したことになります。その後比川の集落をシベムクを求めて再捜索することにして比川にもどりましたが比川水田にバーダーの車と思われる車を見つけて再度水田の農道に入りました。ここでIさんの執念が実りベニバトをゲットすることが出来ました。その後再び宇良部岳に向かいましたがここで今夕与那国入りするIさんAさんのチームから17時過ぎに到着するとの連絡がありました。そして17時30分頃空港で落ち合った後AIチームの案内で久部良ミトに。ここでなんとムラサキサギを探しだしてくれました。その後4人で田原川湿地に向かい、鳥の塒入りを狙いましたが不発に終わりました。山側から聞こえてくるリュウキュウコノハの声に送られて今日の鳥見を終えることにしました。しかし鳥の様子が変ったのでしょう、初日38種、2日目7種であった確認種数がこの日は一挙に15種増えて累計で60種に達しました。

10月4日  狙い:ハイイロオウチュウ、セジロタヒバリ   
天気:曇り

今日は午前10時半頃の便で石垣島に移動します。朝の探鳥を早めに切り上げて朝食も早めに済ませ8時前に宿を出ました。比川水田を目指します。前夜雨が降り天気がやや不安定になってきたようです。比川水田ではハヤブサとチヨウゲンボウが飛びまわりシギチの姿は多くありません。仕方なく祖納の集落を探索しようと移動中AIチームからの連絡で北牧場でセジロタヒバリ、キタヤナギムシクイの連絡がありました。空港も近いし与那国最後の探鳥とばかり急行しました。すでに行方不明にはなっていましたがここで初めてホオジロ系のコホオアカに出会いました。見つけてくれたのはAさん。はるか遠くのプッシュの陰で動いているのを見つけたのです。脱帽でした。飛んでいるサンショウクイ、与那国島で最後に確認した鳥でした。午前10時過ぎ同行のIさんに空港まで送ってもらい3日半楽しい時間を過ごしたの与那国島を後にしました。搭乗手続き中にも北牧場のAIチームから連絡がありオオチドリの幼鳥が見つかったとの知らせがありました。

追記 石垣島 10月4日午後(雨のち晴れ)、10月5日午前(晴れ)  
今回は与那国島が目的でしたが帰途石垣島に所用があり立ち寄りました。4日の午後 平田原、バンナ公園、5日午前 白保周辺をパトロールしました。平田原でシギチ、バンナ公園でズグロミゾゴイをそして白保の牧場やサトウキビ畑、宮良川世話河口の干潟でで多数のシロハラクイナや少数のシギチを見ることができました。
今回の総括
見られた鳥の種数 : 
見られた鳥は石垣も含めて74種類 ちょっと不満です。若くてベテランのAIチームとは比べるよしもありませんが。結局 初見の鳥はマミジロタヒバリ、アカハラダカ、ミフウズラ、ベニバトの4種でした。
期待していて外した鳥 : 
秋の与那国島で見られることがあるハイイロオウチュウ、セジロタヒバリが見られず残念でした。あわよくばシベリアセンニュウとの期待もありましたが初挑戦者としては欲張りすぎですね。
思いがけず見られた鳥 : 
ベニバト、キンバトはあまり期待はしておらず、従ってこれらを探して動くということはしませんでしたが偶然見ることが出来ました。特にベニバトは国内では未見でしたのでこの偶然に感謝です。
与那国のシーズンは10月初旬〜中旬とのことでしたがバーダーは非常に少なく、初日にあった京都のN氏の他は3日に与那国入りしたAIチームの二人だけで非常に少なかったです。AIチームによれば5日になって鳥が入れ替わったようで多種の鳥が見られ6日までの滞在でハイイロオウチュウ、ズグロチャクンチョウ、コウライウグイス、シマノジコ他が見られたとのことでした。
しかしはじめての与那国島、舳倉島とはまた違った懐の深さを感じる島でほんとうに楽しい経験となりました。
同行してくださったIさん、勉強会を含め島滞在中もメールでサポートしてくれたUさん、そして実力をいかんなく発揮してれたAIチームのお二人に改めて感謝です。 有難うございました。   フィールドノートに確認種のリストと画像の一部があります。

10月10日  Chusan記