A至福の時?
「祐巳、ここはどう?」
「気持ちいいです・・・」
「こっちは?」
「そこも・・・です」
「ふーっ」
「あっ!」
息を掛けられ思わず体が反応しそうになる祐巳。
動いてはいけないと、感じた心地好さを何とか押さえ込む。
「もう少し奥に入れるけど、怖くない?」
「大丈夫です、お姉さまを信用していますから」
「そう?それじゃぁ・・・」
祐巳の言葉を受けて、今までよりも奥へと進ませる祥子さま。
本当は、ちょっぴり怖いのだけど、それよりも、気持ちよさと、
祥子さまにしてもらえるという夢のような出来事にそんな気持ちは
どうでも良いと思っている。そう、今、祐巳は幸せなのだ・・・。
明るい太陽の日差しが降り注ぐ芝生の上。
祥子さまの膝の上に頭を乗せている祐巳。
お姉さまに膝枕をしてもらっているだけで恐れ多いのに、
耳まで掃除してもらっているなんていいのだろうかと思う祐巳。
「祐巳・・・」
「はい」
「こんな日があってもいいわよね?」
「・・・そうですね」
二人の間でゆっくりと流れる至福の時。
薔薇の館にいては過ごせない貴重な時間。
こんな時間があってもいいのかもしれない。
祐巳は目を閉じながら時間が止まって欲しいと
強く願っていた。
あとがき
まだまだ続くよ祥子X祐巳の話。
いかがなものでしょう?カオリ様?
(2001.10.16)
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