Cチョコのような関係

「お姉さま、これ・・・」

「なに、これは?」

「なにって、チョコ・・・ですが?」

「・・・これなのね、あなたが令と楽しそうに話していたのは」

「はい・・・手作りチョコを祥子さまに渡したくて」

「いらなかったわ」

「えっ?」

「あなたが令と私と一緒にいるより楽しげに話しているのを見て、私がどう感じていたかわかる?」

「申し訳ありません・・・」

「・・・祐巳、ごめんなさい。謝るのは私のほう」

「そ、そんな・・・」

「せっかくあなたが一生懸命つくってくれたのに、それを素直に受け取れないなんて・・・。姉失格ね」

「姉失格でよろしいのではないでしょうか?」

「なにを言うの祐巳?」

「私、祥子さまにお姉さま以上の気持ちを・・・」

「祐巳!」

「それ以上は言ってはダメ。それ以上の事を言われたら私は・・・」

「祥子さま・・・」

「お姉さま・・・でしょ?祐巳?」

「はい・・・お姉さま」

祐巳が私に作ってくれたチョコは、セミスイートのチョコ。
ほろ苦く、でも、ほんのり甘味も感じられた。
私達の関係もこうありたい。
表面は姉妹のように。
そして内面は・・・恋人のように。


あとがき
全部セリフだけにしようかとも思いましたけど、
最後だけ、祥子さまの気持ち入れてみました。
本当なら、令さまを書くつもりが、名前だけしか出せなかった・・・。
哀れ、令さま!!
(2001.10.17)

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