4人の女性が「定休日」の板が扉にぶら下がる、

小料理屋のカウンターで談笑をしている。

 

一人は明るい茶色の髪を後ろにまとめる、顔が小さく、顔のパーツも小さく、

闊達そうな印象を受けるけれど、少し幼さを残す女性。

もう一人は、肩下15cmの長めの髪に、ゆるいウェーブがかかっている、

とても落ち着きがある、顔立ちの整った女性。椅子をひとつはさんで、

短めの髪全体にシャギーをいれ、流れるような髪形。

眼鏡をかけ、全体的にシャープな感じを与える、中性的な感じの女性。

そして、肩につくかつかないかの所で濡れたように光る黒髪を切りそろえ、

見たからに「キャリアウーマン」という印象を与える女性・・・の4人。

 

朱実:「今日は楽しかったですね!」(ニコニコ顔)

美樹:「そうね、さすがにまだ開園したばかりで、人の海だったけど、楽しめたわね」

樹:「たしかに、すごい人だった」(無表情…)

 

朱実:「樹さん、車の運転、どうもありがとうございました。疲れていませんか?」

由紀子:「あっ、大丈夫よ、朱ちゃん!」

樹:「なんで由紀子が答えてくれるの?」

由紀子:「だって本当のことでしょ?」

樹:「・・・まぁね」(苦笑)

 

由紀子:「あのね、イッちゃんは車運転するのが好きなのよ。だから、もっと遠くまでドライブに行くことだってしょっちゅうなのよ」

樹:「そう。だから由紀子がいったように、気にしなくていいよ」

美樹:「みんなペーパードライバーだものね。でも、電車の方が楽だっかしら?」

樹:「私としては、車の方が楽でしたけど?」

由紀子:「そうよね。イッちゃん、電車は苦手だものね!」

美樹:「そうなの?」

由紀子:「電車の中の雰囲気がダメなんだって。イッちゃんらしいわよね!」

樹:「しょうがないじゃん。苦手なのは」

由紀子:「はいはい!」

 

朱実:「また行きましょうね、東京ディズニーシー!」

美樹:「今度は泊りがけでいけたらいいわね」

由紀子:「賛成!」

樹:「・・・しばらくはいい」

 

そのままTDSでの話題で盛り上がる3人と聞き役1人。

ふと、朱実が聞きたかったことがあるのを思い出し、

そのことを切り出した。

 

朱実:「そういえば由紀子さん」

由紀子:「な〜に、朱ちゃん?」

朱実:「樹さんとの出会いは、嫌というほど聞かされましたけど、美樹さんとはどんな感じだったんですか?」

樹:「それは私も聞きたいかも」

由紀子:「そんなにすごい出会いじゃないわよ。ねっ、美樹」

美樹:「そうね、高校3年の時にクラスが一緒になって、机を並べて学んだ仲って所かしら」

 

朱実:「でも、美樹さんは由紀子さんのこと、特別視していません?由紀子さんも、美樹さんのこと、樹さんとは別の意味で大事にしているみたいだし・・・」

美樹:「朱実ちゃん、嫉妬しても無駄よ。私と由紀子の間には何もなかったわよ」

由紀子:「美樹と私は、しいていうなら、友達以上の関係になり損ねた関係かな?」

美樹:「由紀子?!」

由紀子:「本当のことだもの。それに、イッちゃんには話さないといけなかったことだし。朱ちゃんも、私と美樹との間になにがあったか知りたいでしょ?ちょうどいい機会じゃない?」

 

樹のほうを向き、微笑む由紀子。

少し緊張をしているのか、どこかぎこちない。

いつもと違う由紀子の態度に、樹も緊張をしてしまった。

 

由紀子:「イッちゃん、別に隠していたわけじゃないの。でも、話していなかったことは謝る」(頭を下げる)

樹:「なんで謝るの?謝る必要のある話なわけ?」

由紀子:「それはこれから話す内容を聞いてもらってから、イッちゃんに判断してもらいたい。いいでしょ?」

樹:「良いも悪いも、聞いていないからなんともいえない。話してくれる?」

由紀子:「私が話すけどいい?」(体をそらせ、美樹と視線を合わせる)

美樹:「私よりもあなたの方が話すの上手いから、お任せするわ」

 

由紀子:「じゃぁ、話すわね。私たちが出会ったのは、桜の花が満開に咲き誇る、高校3の春のことだったわ。私はあることがきっかけに学年で浮く存在になっていたの。だから、3年は一人で過ごすことになるかと思っていたら、私を理解してくれる人が一人だけいたのよ。…それが美樹だったの」

(立ち上がり、3人が座る方を向く)

 

 

つぶやき

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