シザーハンズ
EDWARD SCISSORHANDS 1990年
監督:ティム・バートン
脚本:キャロライン・トンプソン
ジョニー・デップ、ウィノナ・ライダー、ダイアン・ウィースト、
アンソニー・マイケル・ホール

まるで絵本や童話のような作品……これがこの作品の一番わかりやすい説明でしょう。

ダニー・エルフマンの音楽にのせたまさに「バートン節」なオープニングからこの物語は始まります。 雪の降る夜。窓の外には暗いお城が遠くに見える。孫娘を寝かしつけようとするお婆さん。 「雪はどこから降るの?なぜ雪は降るの?」と聞かれたお婆さんは孫娘に話すのだった。 「それを説明するにはまず、彼エドワードのことから話さないとね……」

ある小さな町。そのはずれにある山の上に暗いお城が建っていた。エイボン化粧品のセールスウーマン、 ペグ・ボッグス(ダイアン・ウィースト)は思うようにセールスが進まず、その「幽霊屋敷」へとセールスに行ってみる事に…。 誰もいないと思われたその屋敷の中には、人造人間エドワード(ジョニー・デップ)がひとり住んでいた。 完璧な人間を作ろうとした博士の急死により、鋭利なハサミの手のままになってしまったエドワードに対し ペグは最初恐怖を覚えるが、彼の純粋な心を察したことにより自分の家で一緒に住む事を提案するのだった。

初めての町での生活を目の前にし緊張するエドワードに対しペグの家族はみな親切に対応するのだが、ウワサは あっというまに町中に広まる。興味本位で近づいてくる町の住民も、エドワードの天使のような純粋な心、器用な 手先に感動し友達となってくれるのだった。そんな生活にエドワードは嬉しく満足するのだったが、ただひとつ ペグの娘、高校生のキム(ウィノナ・ライダー)だけが自分と距離を置いているのが気がかりではあるのだった・・・。

エドワードの住んでいた古いお城の黒さと町のカラフルな色彩との対称性、町の木や動物・住民の髪 をカットするエドワード、そして涙をさそう雪のラストシーンなど、まるで絵本のような世界に魅入ってしまう ような印象を受けました。ストーリーではやや薄さというか物足りなさを感じる面もありますが、それを補うには 十分のメルヘンがこの作品にはあると思います。まさにティム・バートンらしい作品だと思います。 ジョニー・デップはこの他に「エドウッド」「スリーピー・ホロウ」 でもバートン監督で主演しています。