エド・ウッド
ED WOOD 1994年
監督・製作:ティム・バートン
撮影:スティーブン・チャブスキー
ジョニー・デップ、マーティン・ランドー、パトリシア・アークエット、
ビル・マーレー

本作は決してB級ではありません。しかし「B級映画」といえば、この作品を思い出す方も 多いと思われます。それはなぜかというと、この作品は”史上最低の監督”と呼ばれたC級映画 監督エド・ウッドの生涯についての作品だからです。監督は「バットマン」「ビートルジュース」 のティム・バートン、主演は「ドンファン」「デッド・マン」「ギルバート・グレイプ」のジョニー・デップ で、二人は「シザーハンズ」以来のコンビとなります。

やや女装クセのある映画監督志望の青年エドはある日、かつて「魔人ドラキュラ」のドラキュラ役で大スターだった 往年の俳優ベラ・ルゴシと出会い友人となる。女性への性転換をテーマにした作品「グレンとグレンダ」(主演エド、 ヒロインは恋人のドロレス)を製作していたエドは、名優ルゴシに友情出演してもらい作品を完成させるが、これが とんでもないC級作品。どの配給会社も取り合ってくれない…。

ルゴシ、ドロレス、ホモの友人バニー(ビル・マーレー)と途方に暮れるエド。しかし、あるTV番組で口の達者な エンターティナー、予言者クリズウェルに出会う。「グレンとグレンダ」のファンである彼はエドに協力してくれる ことに。更にプロレスラーのトー、女優志望でハリウッドに来たロレッタも仲間に加え、自主製作で待望の新作「原子 の花嫁(公開時は内容から『怪物の花嫁』へ変更)」の撮影に踏み切るのだった…。

こめかみにシワを寄せて黙り込む姿が似合うデップが、今回はほんとによくしゃべります。特に撮影中のエドは、 あっけらかんとした笑顔で「オッケー、オッケー」。彼の脳裏にtake2はありません。なるべく予算をかけずに 撮ろうとするので出演者はコロコロ変わります。大ダコのセットをスタジオから盗んだのはいいけど、モーターが 無いので操作はタコに喰われるルゴシが行います。あからさまにスゴイ画になっちゃってる筈なのに笑顔で「完璧!」。 笑えます。

実際自分は、エド・ウッド監督の作品は残念ながら一つも観ていません。彼の作品を知っている方ならこの作品を 違った目で見る事になると思います。自分もこの作品を観て、ぜひ彼のC級作品を観てみたくなりました。いずれ このリストに載せることができれば幸いです。