出展作品 屏風


  

The making of letters/和紙 オートマチックペン 筆 墨


  

I still hear people asking/和紙、銀箔紙 古文書 墨 胡粉他



 今回の個展を開催するに当たり、立体的な作品を出展した理由は額縁作品ではもの足らなかった気持ちの表れでした。
 その思いは、4年ほど前に初めて屏風を作成していただいた作家の作品展を目にしたときからでした。当時はまだ、自分の文字が屏風に飲み込まれてしまう。――そのことを自分自身よくわかっていました。その後、彼女が作品展を開くたび、何度となく足を運び、どんな作品を作ってほしいのか、どんな文字を書きたいのかを模索していました。
 そんなとき、もうひとつの出会いがありました。漢字を再認識することとなった古代文字展でした。その作品展の印象はしばらくの間、私の頭の中を駆けめぐり、日本人であることを今更ながらに意識させるものでした。こんな出会いから、今回出展した屏風には縦書きと横書きの文字が取り込まれた形となりました。実際仕上がった屏風を目にしたとき、違和感は全くなく、むしろ新鮮な驚きと意外性を感じました。
 これを見て下さった方はどのように感じたでしょうか。
(カリグラフィーの作品を初めて表装したという作家自身もどんな風に仕上がるか楽しみに作った、とはなしてくれました)




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