冒頭…。いきなり粘土アニメからスタートし、意表を突かれました。さらにオープニング後最初のシーンが野原家の朝。これにも意表を突かれました。毎年クレしん映画の冒頭は野原家ではなく、別世界や他のキャラクターから始まるのが恒例になっていましたからね。11年の歴史で初の展開にいきなり驚かされました。劇場に響いた最初の笑いがシロのえさってところはちょっとなんでしたが(^^;　でもって突然乱入してきた白衣の男（何で名前の設定がないのでしょうね）の顔がしょぼくて…まあ野原家の朝食と合わせたのでしょうか。それでも、あの朝食はあたしンちの立花家の夕食と似たようなものですね。

さてさて、その後しばらく続く野原一家の逃走劇が続くわけですが、笑いどころが次々に襲ってきますね。みんなの変装ぶりとか、配管内でみさえの尻が引っかかってかんちょうのところとか、おなら＆ひろしの靴で敵退治とか、みさえとひろしが見せた恐怖のヒッチハイクとか…。あのトラックドライバーもなかなかいい味出してますね。一家がバラバラになった後、しんのすけが防衛隊のみんなに会いましたが、何となく最初から違う雰囲気だとは感じていました。ただその後、やっぱりしんのすけを信じる防衛隊のみんなの姿、美しい友情のシーンですね。この映画では珍しくジーンとくるシーンであったと思います。その後アミューズメントパークに逃げるわけですが、ジェットコースター上での攻防はなかなかの迫力でしたね。迫りくるヘリコプターと敵のコースター、そして追い詰められる…。その時マサオ君が見せた、しんのすけを疑っていないことを証明すべく取ったあの態度、あれは「ジャングル」でワニから脱出したあのシーンよりはるかにかっこいいものでした。本当にかっこよかったよとあいちゃんに伝えてあげてもいいでしょう。まああいちゃんは「あら、そう」で済ましそうですけれどね。

そして、各々が焼肉の想像をする時の顔ですね。劇場でも「誰やこれ」みたいな声が上がっていました。まあ全員についてああいう顔を見せるのはちょっとくどいかなとも思いましたが、この映画はとにかく笑いで突っ走っているわけですしこういうのもまあいいでしょう。劇画調の絵は時々出てきますが、ああいう形式は今までになかったですね。本当に、ああいうのを見ていると焼肉が食べたくなりますよね。

その後もしんのすけの巧みな自転車操縦とか、みさえのダイビングっぷりとか笑えるところが存分にありますが、熱海に着いて全員が揃った後で見せた歯を食いしばるあの表情、本人たちは真剣そのものなのでしょうが、部外者から見るとやっぱり笑えちゃうものなのですよね。みさえがひろしを抱え、しんのすけが靴を持つ…。あの足の匂いは「最臭兵器」と呼ばれるものですが今回もその能力が遺憾なく発揮されてうれしくなりました。序盤の配管内でも発揮されていましたよね。

そしてついに、スウィートボーイズに潜入、あのパスワードを入れる演技のところがまた笑えますね。何度やってもすぐにERRORになってしまい、テイク73…。特に最後のほうは細かいですね。最後の最後にポイントになるのがおならってのがまた、クレしんらしさを存分に出していていいものですね。少なくとも「戦国大合戦」ではそのような「らしさ」がなかったですし。その後、予告の時からあれこれと言われていたぶりぶりざえもんが登場、しかしああいう形だったとは。かつて「ブタのヒヅメ」ではぶりぶりざえもんに似たブタがたくさん出てきていたこともありましたが、その時の規模をはるかに超えるブタブタブタ……。その時の劇場の反応を見ていると、やっぱりぶりぶりざえもんは永遠に不滅なんだということを感じました。

エンディング、今年はエンディングテーマ曲にスタッフロールがかぶり…ってそれは毎年そうですが、今年はその部分も完全にストーリーの一部分だというのが去年までとは違うところでしょうか。そのため、去年まではスタッフロールが流れ出すと席を立つ人が多かったのが今年はそうではなかった要因だと思われます。オープニング前のアバンタイトルがなくなった代わりに、今年はエンディング後に少々話が続く形式だったのですね。JR東海・熱海駅の駅名標はかなり忠実だったですが、東武春日部駅の駅名標が実物とかなり違っていたのが残念な気がするのですけれど…。最近変更になったってことはないですよね。まあでも、そんな細かいことを気にしなくても十分に楽しめる作品ですね。87分の上映時間は歴代最短ですが、中身は濃いですし（しかもこの時間なら、来年テレビでやる時ノーカットが期待できるし）。で、焼肉食べたいですよ。この映画を観なければ焼肉食べるくらいのお金はあったのでしょうが、観ていないと焼肉を食べたいと思わないし、観たらお金がなくなってるし(^^;