トップ映画カスカベ野生王国ストーリー

「オタケベ! カスカベ野生王国」の大ざっぱなストーリーを紹介します。ただし、大ざっぱとは言ってもネタバレには確実になりますので、そのあたりはご注意ください。

東宝マークの後、いきなり「母をたずねて三千里」のような雰囲気となります。みさえが船でどこかへ行ってしまい、残されたしんのすけともども大泣き…と、これはみさえが見ていた夢でした。次にオープニングですが、今年も「ユルユルでDE-O」のままでした。まだ新しいオープニングテーマは登場しませんかね。石田卓也氏の粘土アニメは今年も健在です。

オープニング明け、夜道を走るトラックの前に一人の女性が立ちはだかります。どうやらトラックに用があるようでしたが、突然銃を突き付けてきました。トラック運転手は慌ててUターンしますが、女性から集中砲火を受けハンドル操作を誤り、崖下に転落してしまいました。その時、荷台からジュラルミンケースのようなものが飛び出して川を流れていく様子が描かれます。

夜が明けた野原家、いつもの朝ではありますが、この日は幼稚園バスに間に合ったようです。と思ったらバスが来ません。代わりに自転車に乗ったまつざか先生が猛スピードで野原家前を通過していきました。それを見たみさえは、今日はエコデーでバスは来ない日だったということを思い出します。慌てて自転車で出発しますが、途中でゴミ袋をゴミ捨て場に置きました。すると、急に自転車が動かなくなってしまいます。後ろを見ると、男性が自転車を後ろからつかんでいました。四膳守(しぜん・まもる)と名乗るその男は、新しい町長に選ばれた人のようで、地球環境のためゴミの分別を徹底するというのです。幼稚園に着いた後も、四膳が再び現れます。特別授業ということで、幼稚園で河原のゴミ拾いをすることになりました。各自がゴミ拾いをしていましたが、そんな中でしんのすけが、冒頭でトラックから飛び出して川を流れていたジュラルミンケースを見つけました。中を開けると、液体の入った小さな瓶が1本だけ入っていました。

その夜、ひろしが帰ってきました。ビールを飲もうと冷蔵庫を開けましたがビールがありません。すると、しんのすけが拾ってきた瓶を見つけました。何かの栄養ドリンクかと思ったひろしが飲んでしまいます。さらに、みさえも一部を飲みました。そのまま翌朝になりますが、何とひろしがシロの犬小屋に座ってニワトリのような鳴き声を出していました。さらにひろしは、会社で会議中にもニワトリのような言動を起こしてしまいます。一方でみさえも、ララガーデン春日部での買い物中、目の前に転がってきたオレンジにじゃれついたりバーゲンでは飛びかかって衣類を口でくわえたり、変な言動が出るようになっていました。

さらに次の日、みさえが目覚めて顔を洗いますが、洗面台の鏡を見て驚きました。なんと、自分の顔が猫のようになっていました。悲鳴を上げるみさえに気がついたひろしが向かいますが、ひろしの顔もニワトリになってしまっています。どうやらしんのすけが拾ってきた液体が原因のようではありますが、とにかくこれでは外にも行けず、火が怖くなっていて料理も作れない状況となっていました。仕方なくしんのすけが弁当を買いに行くことに。買い物を終えて戻る途中で防衛隊の面々に出会いました。そして、ひろしとみさえが動物になってしまったとしゃべります。信じてもらえないようなのでみんなも一緒に野原家に行くことになりました。ところが、野原家に乱入者が。やってきたのは顔が犬や猫になった人と、馬になった人…ではなくれっきとした人間(名前はブンベツ)がやってきて、ひろしとみさえを捕まえようとします。みんなは逃げ出しました。

車で逃げようとしますが、車のエンジンがかかりません。ふと足元を見ると、自転車のペダルがついていました。さらにエンジンがなくなっていました。それでも全員車に乗り、ひろしがペダルをこいで車を発進させました。犬顔猫顔の面々が追いかけてきます。さまざまな妨害を受けながらも逃走を続けています。途中で冒頭に現れた女性がアメ車に乗り、追っ手に向けて爆弾を投げつけて援護してくれているようです。しかしアメ車はガス欠を起こして止まってしまい、野原一家の車もニワトリの弱点を突かれて捕まってしまいます。

檻に入れられた野原一家と防衛隊メンバーの前に現れたのは、四膳でした。実は四膳は究極のエコを目指す組織、Save Keeping Beautiful Earth(SKBE=スケッベ)のリーダーで、地球環境が悪くなるのは人間のせいだから人間を動物にしてしまう「人類動物化計画」を進めているとのことなのです。ひろしとみさえが飲んだものが動物化する薬で、完成したものはあの1本しかなかったとのことです。そこでひろしとみさえから薬の成分を抽出し、薬を大量に作り出すために捕らえたとのことです。一方で子どもたちは騒ぎ回ったために別室に幽閉されてしまいました。

閉じ込められた子どもたちでしたが、知恵を出し合って抜け出すことに成功しました。ある部屋に入ると、そこに大きな冷蔵庫がありました。中には大量の液体入り瓶が並んでいました。みんなのどが渇いていたので飲んでしまいます。正体不明のものを飲んではいけないと風間君は忠告するも、結局風間君も飲んでしまいました。しんのすけとひまわりも飲もうとしたそこに、冒頭で登場した女性が現れて爆弾を投げつけてきました。現場は混乱し、SKBEはひろしとみさえを本部に連れて行くこととするのでした。連行されるみさえの姿を見たしんのすけが後を追うと、みさえはヘリコプターに乗せられようとしていました。しんのすけが声をかけるとみさえも気がついたようで、お互いに名前を叫びます。ところが、しんのすけは爆弾を投げる女性に気を取られてしまいました。そんなしんのすけをみたみさえは「あんたは本当にダメな子ね!」と叫んでしまいます。みさえはすぐに悪いことを言ってしまったと思うのですが、直後にヘリコプターのハッチが閉まり飛び立ってしまいました。

防衛隊メンバーはというと、爆弾の女性とともに爆風に押されて大きな球体に押し込まれて転がっていきました。球体が止まった場所は東武伊勢崎線の線路上でした。春日部に帰ってこれたと思ったのもつかの間、電車が近づいてきて、みんなは線路わきの水田に逃げました。結局泥だらけとなってしまい、嘆いていた女性を野原家の風呂に入れてあげることにしました。その間に防衛隊の4人が警察に行くも、省エネのために本日の営業を終了したと…。さて野原家では女性が入浴中、しんのすけが名前を聞きました。女性は少し考えたのち、持っていたタオルに書いてあった「ビクトリア」(愛称はビッキー)を名前と言うのでした。ビッキーは、連れ去られた両親は次第に心まで動物化してしまうので、今から助けに行ってももうしんのすけのことをわかってくれないから無駄だと言い残して野原家から出ていきました。

しんのすけは戸惑いましたが、無駄なんかじゃないと助けに行くことを決意します。ひまわりやシロも同じ気持ちのようで、いざ出発! と思ったら玄関に何かがいます。何かと思ったら防衛隊の4人でしたが、みんな中途半端な動物の姿になってしまっていました。風間君がペンギン、ネネちゃんがウサギ、マサオ君がコウモリ、ボーちゃんはアルマジロ…ではなく、絶滅危惧種のオオセンザンコウという動物姿になっていました。しんのすけたちがSKBE 本部に行くと言ったところ、防衛隊のみんなもこの姿を元に戻してもらえるかもしれないからと一緒に行くことに。シロの鼻でビッキーを追おうとしますが、途中で雨が降ってきて匂いが消えてしまいました。

公園で雨宿りしていると、横の道を車に乗った馬…ブンベツが通り過ぎていくのが見えました。そこでブンベツを追いかけることに。マサオ君が空を飛んで追跡してみんなに道を教え、ネネちゃんの耳で小さな音を聞き、ボーちゃんの舌で途中のカギ付き扉を開けて先に進む防衛隊隊員たちです。すると、隠し扉から下へと落ちていきました。落ちた先にはトロッコが置いてあり、レールが続く先をブンベツが進んでいくのが見えました。防衛隊隊員たちもトロッコに乗って進んでいきます。途中でブンベツに見つかるも、うまくかわして進んでいきました。やがて目の前には、一面のジャングルが広がってきました。どうやらここは春日部の地下ではないかと考えているようでした。というのも、春日部空洞説という春日部七不思議が存在しているようで、春日部の地下に巨大な空洞があると考えられていたからなのでした。

防衛隊隊員たちは、やがて派手な色彩の建物へとたどり着きました。ここがSKBEの本部のようです。ネネちゃんの耳でSKBEの気配を感じて身をかわし、本部へ潜入しました。中では演歌歌手ジェロが捕らえられてエコの歌を歌わされていたりします。さらに進んでいこうとする防衛隊隊員たちでしたが、ひまわりが違うところへ行ってしまいました。気がついたシロはひまわりを追いかけますが防衛隊隊員たちは気がつきませんでした。やがて、人類動物化ドリンクを飲んでもらおうと誘惑する人の特訓が行われている部屋の前にやってきた防衛隊隊員たちでしたが、しんのすけがついノコノコと出て行ってしまい、侵入がばれて全員捕まってしまいました。同じ頃、ビッキーもまた潜入していましたがブランド物のバッグに罠が仕掛けられていて、引っかかったビッキーも囚われの身となってしまいました。

再び檻に入れられ、四膳と対面したしんのすけは、両親に会わせてほしいと訴えかけます。すると、好きなだけ合っていいとの返事が。ところが実際に会ってみると、ひろしは完全にニワトリになっていてしんのすけのことがわかりませんでした。さらにみさえは、凶暴なヒョウになっていて、しんのすけに襲いかかってきました。しんのすけがいくら訴えかけてもヒョウとなったみさえはしんのすけを理解せずに襲い掛かります。しんのすけは壁をよじ登って逃げようとしますが落下し、みさえの顔面にお尻から落ちてしまいました。すると、その衝撃からかみさえの記憶の中に、しんのすけのお尻がよみがえってきます。やがて完全にしんのすけのことを思い出したみさえは「ダメな子…なんかじゃない」と言い、ひどいことをさせた四膳に怒りの矛先を向けます。

防衛隊の4人は人力発電をさせられていましたが、そこにしんのすけとみさえがやってきました。ヒョウ姿なのに人間の意思を持ったみさえにSKBE隊員たちはおびえて逃走していきます。四膳の元へ行こうとすると、マイハシという女性が立ちはだかりました。長い箸を操って妨害してきますが、しんのすけの真剣おケツ取りが決まり、マイハシを撃破しました。一方防衛隊の4人も、風間君を除いて各自の動物が持つ特殊能力やネネちゃんのウサギ振り回しでSKBEと激しい戦いを繰り広げています。激しい戦いにより、捕らえられていたビッキーの手錠が外れました。ビッキーは建物から出て、隠してあった紙袋からリモコンを取り出してスイッチを入れました。どうやら本部の起爆装置のようで、本部は爆発し、大量の水が噴き出してきました。水に押し流されていた防衛隊隊員たちでしたが、ペンギンの風間君がついに役に立つ時が来ました。水の勢いは衰えず、ついに地面を突き破って春日部駅前に噴き出しました。

無事に帰ってきたと思ったものの、動物化された姿はそのままです(なお、この時の衝撃でひろしも記憶は戻ったようです)。さらに、町の人々が動物化されています。既に人類動物化ドリンクは大量生産されており、春日部中に配布されてしまっていました。やがて水が噴き出したところに大きなライオンの顔で翼を持ち、尻尾が何匹もの蛇でできている動物の石像のようなものが上昇してきました。そこに四膳がいます。野原一家は石像を登り、四膳に立ち向かいました。すると四膳は「DX」と書かれたドリンクを飲み、石像と同じ姿の動物に変身しました。戦闘力は高く、ひろしもみさえも苦戦します。しんのすけも四膳に対抗するため、下で配っていた動物化ドリンクを持ってきて飲み、ゾウに変身して戦いを挑もうとします。が、あまりに大きさが違いすぎて勝負になりません。ところが、そこに巨大なシロクマが現れました。なんとこのシロクマは、ひまわりが動物化したものだったのです(シロも一体化しています)。大きさで勝るひまわりシロクマに四膳も苦戦しています。

そこに今度はビッキーが登場しました。すると四膳の態度が変わりました。実はビッキーの本名は四膳良子といい、四膳守の妻だったのです。ところが良子はエコにまるで無頓着で、守が失望したのが人類動物化計画の始まりだったようなのです。良子は自分が動物になればいいのだろうということで動物化ドリンクを飲もうとします。が、守が止めました。良子は守にとって大事な存在で、自分が悪かったと反省するのでした。かくして人類動物化計画は中止され、でめたしでめたし…。しかし、それでも動物化したみんなの姿は戻りません。守は一人で動物化を元に戻す薬を飲んで元の姿に戻りますが、それを見た野原一家が詰め寄りました。こうして全員が人間に戻り、今度こそでめたしでめたし。

エンディングは、一面の草原をバックとして中央にスタッフロールが流れます。時々動物化した登場人物が現れるという形でした(作品時間1時間36分)。


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