雁坂峠(日本三大峠)アタック!!
(02/05/11)
三伏峠(南アルプス2580m)、針ノ木峠(北アルプス2541m)とならび日本三大峠と呼ばれる「雁坂峠(2082m)」は埼玉県と山梨県の県境に位置する。その標高だけでなく、古くは日本書紀景行記にも登場することから日本最古の峠と言われている。
また秩父往還とも呼ばれたこの道は江戸〜大正時代には繭を運ぶ交易の道でもあった。1998年に雁坂トンネルが開通し、やっと車で越えられるようになったのである。雁坂峠の名の由来は雁の群の通り道だったからとか。
そんな歴史ある峠、MTBerとしては一度は越えてみたいではないか!!
発案者はEさん、参加者はいっぽさん、よしぞーさん、ハヤシ。十数年来、雁坂峠越えを思ってきた人たちだ。
ハヤシもいつかやってみたいと思いながら、行動に起こせずにいた。長年MTBに乗っているが、2000m級の担ぎなどやったこともない。そこにEさんの発案、経験豊かな人たちと一緒なら安心だ。行くしかない!
決行日は5/11、午前2時集合!しかし週間天気予報でも当日は雨らしい。
天気予報は変わることなく、前日5/10、雨である。5/11は雨のち曇りの予報。ハヤシはこれはもうダメだと思い、友人に自転車の工具を貸しだしてしまう始末。
しかし、Eさんからは”とりあえず決行”の連絡が!!とりあえず現地に行き、様子を見るということ。
大丈夫だろうか?雨が上がったとしても、雨上がりの山は油断できない・・・。
そして5/11、午前2時。雨は本降りのまま。Eさん自慢のステップワゴンの屋根に自転車を4台載せて出発。
途中コンビニで買い出し、正丸トンネルを越えて秩父入り、空が白んできた。やや雨足は弱まっているが・・・。
05:00 大滝村、川又で一旦停止。ここに登山届けのポストがあるのだ。コース的には最後ここがゴールとなる。
また車に乗り込み、そして雁坂トンネルを抜けて山梨県へ。
雁坂トンネルは有料、歩行者、自転車は進入禁止。
そのためコースとしては埼玉・山梨どちらからか登り、峠を越えた後引き返してくるか、峠を越えてヒッチハイク、タクシー等でトンネルを越えて帰ってこなくてはならない。
今回のコースは山梨側からきつい斜面を登り、緩い斜面を長く自転車に乗って下り、自転車は一旦置き、埼玉側からタクシーで山梨へもどり、車でまた埼玉へ戻るというものだ。
05:30 トンネルを抜けて料金所を出るとすぐ駐車場があり、そこに車を停める。雨は霧雨程度になり空も随分明るい。これなら行けそうだ。
しかし、もちろん峠あたりはガスっており今のままでは展望は望めないだろう。それでも・・・。
自転車を屋根に積んでいたため雨に濡れている。チェーン等にオイルを刺し、準備。
06:45 いよいよ出発。当初予定の15分遅れ。まず出発の写真撮影。
4人のうち3人が自分のカメラを持ってきているので、3つのカメラで写真撮影。なにかと写真撮影で時間をとることになりそうだ(笑)
道路を渡り、柵を抜けて登り始める。と、いっぽさんが靴を履き替えるのを忘れていたため、また戻る。自分はタイヤの空気を調整。みんなある程度やり残したことがある(笑)
07:00 再出発。当初の予定より30分遅れ。看板がある。また写真撮影(笑)
最初は舗装路。登りなので当然暑くなって途中の休憩で着替える。Eさんたちは半袖等持ってきていなかったので、シャツを脱いだだけでアンダーシャツのままだ(笑)
07:30 沓切沢橋を越えると舗装路からダートに変わる。すぐ道は細くなり斜面を上がり始める。
雁坂峠到着予定時間は11:00。これから3時間、いよいよ押し・担ぎの始まりだ!
ずっと担ぎかと思ったが、さすがにたまに乗れる場所もある。
山梨側はあまりひどく雨が降らなかったみたいだが、地面は湿っており、地盤の緩みには気をつけなければならない。しばらくすると崖崩れのような場所が出現!
橋が渡してあるので昨日今日崩れたわけではないが、はっきり言って怖い。一人で来ていたら引き返してしまうかも・・・。遭難した場合命に関わる。これが山深い2000m級のトレイルへ容易にアタックをかけることができないわけでもある。
3回沢を渡る。自転車を杖のようにして使い、岩の上を注意して歩き、ほとんど濡れることはなかった。
しばらく沢沿いを行く。そして沢から離れていよいよ斜面が急になってくる。
まず3mくらいの崖を登る。ロープが1本下がっているが、我々は自転車を持っている。どうやって登るか?4人いるがそれぞれ登り方、ルートが違いおもしろかった。
08:30 ここから道は九十九折りになりひたすら高度を稼ぐ。自分のつけているプロトレックの高度計が到達度の目安だ。高度を稼ぐたびまた進んだことを実感する。
いつしか木々が少なくなり熊笹が広がり始める。天気は曇りのまま。周りはちょっとガスっていて展望は無い。
先頭の順番を交代しながら、休憩しながら、ひたすら押す。昔の人たちも休憩しながらひたすら登ったのだろう。
しばらくすると稜線が見え始め、よりいっそう期待が高まるとともにまだあそこまであるという気分にもなる。
足はかなり乳酸がたまってる感じだ。そんな中、プロトレックの高度はとっくに峠の高度より上を示している。ま、もともと出発地点の高度がはっきりしていないので多少誤差が出るのは当然だが。
残り高度100mくらいだろうか。道が崩壊しておりルートが困難である。おまけに地面が滑りやすかったためハヤシは転けてしまい膝や肘が泥だらけになってしまった(涙)
10:30 ついに峠のテーブルやベンチが見えた!最後のストレート、自転車にまたがり”乗って”峠へ!出発はやや遅れたが到着は当初予定通り。
インターネットで見たあの峠、あの景色の中に今いる!やった!
残念ながらやはりガスっていて展望はない。
いろんな看板が出ているのでとりあえず一通り写真を撮る。みんな写真撮影タイム!(笑)
標高2082mで、天気も曇りということもあり、少し肌寒い。
展望もないため、埼玉側の山小屋「雁坂小屋」へ早めに下り昼食にする案もあったが、天気が好転する一縷の望みにかけて、峠で昼食を取ることにした。
風の直接当たらない斜面の影でみんなコンロを取り出しラーメンを作る。こんな何でもないラーメンがこの2000mではなんとうまいことか。
ところで、なんとこの標高2000mでも電波の状況、場所にもよるが携帯電話はつながる。
昼食の後、電波の良いところを探して彷徨い(笑)、電話したり、ホームページの掲示板に書き込みしたり。
これで結構時間を食ってしまった。(笑)当初予定20分遅れ。