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バニラ・ババロワを作りましょう。
創業以来変わることなくメニューにのっている人気のババロワ。マリオでもっとも問い合わせの多いこのお菓子の作り方を紹介します。…2003年8月5日
ババロワは創業以来メニューにのっている人気の高いお菓子です。ないとクレームがあり、お店としてはないわけにゆかない。
またこのお菓子は、お客様より作り方を教えてとの問い合わせが最も多いお菓子です。問われたときには必ず作り方のメモを作ってお持ち帰りいただいているのですが、ホームページも出来たことだし、この際、ネット上に公開しておこうと思います。
家庭的な仕様という事で市販の200ccの生クリームのパックを念頭に書きます。材料はあらかじめ計っておき、鍋やボウル、木じゃくし、泡立て、型なども洗ってその場に準備しておくとあわてなくて済みます。卵白が余りますが、たとえばラング・ド・シャーでも焼いてください。
マリオの<バニラ・ババロワ> |
材料 |
ゼラチン6g 砂糖80g 卵黄4個 牛乳220cc
生クリーム1パック(実質180cc程度とれる。)
バニラ・エッセンス |
道具類 |
ボウル 中小5〜6個。(洗って使い回せば多少少なくできる。)
ナベ 牛乳用・クリーム用それぞれ一つずつ。
泡立て器。 細目のシノワまたはこし器。
木じゃくし。(ナベの底に合うもの。ボウルに適するもの。) ゴムべら。 |
- 板ゼラチンはあらかじめ冷水に浸しておく。粉ゼラチンは5倍程度の水になじませる。
- 牛乳220CCを鍋に取り中火にかける。
- 砂糖を入れたボウルに卵黄、バニラを加え、よくかき混ぜる。
- 牛乳が煮立ってきたら、3のボウルをかき混ぜているところのに一気に注ぎ込む。
- 目の細かいシノワかパソワール(こし器)を通して鍋に取る。
- 鍋を火にかけ、休み無くかき混ぜながら、適度なとろみがつくまで加熱する。
- とろみがつけば火を消し、ゼラチンを加え、(板ゼラチンの場合はあらかじめ水からあげておくとよい。)溶けたのを確認してボウルに取り、氷で冷却する。
- 冷却はなめらかにかき混ぜながら行う。これとは別に、氷を敷いたボウルで生クリームを泡立てるとよい。
- クリームのとろみが増し重くなってきたら氷からあげ、8〜9分目程度に泡立った生クリームを2度に分けて加える。最初は立てクリームの3〜4分の1程度をしっかり手早く混ぜ。なじんだら、残りを手早く生地にかき込んでゆく。
- 均質に混ざったら好みの型に流し、型ごととんとん落としてエア抜きし、冷蔵庫で冷却。2時間後を楽しみにしてください。
ヒントとテクニック
ババロワは別名<フロマージュ・ババロワ>、つまりババリア(現在のドイツ南部)のチーズと呼ばれ、19世紀に作られたときは立てクリームとゼリーでできた甘いお菓子だったそうです。卵などは使わなかった。
それからいえば現代のババロワはずいぶん様子が違います。代表的なのは卵の入ったこのバニラ・ババロワだし、カシスやブルーベリーなど果物のババロワは、しばしばムースと呼ばれるようになりました。また、デザート菓子ではなく、前菜用の塩味料理にもババロワと命名されたものが多数出来ています。たとえばクロード・ペロー氏。ヴィヴァロワの<ピーマンのババロワ>は、その草分けとしてあまりにも有名です。マリオにも、これに刺激されて作った、ピーマンのムースがありますよ。
バニラ・ババロワを成功させるには以下の点が重要です。
- ゼラチンは、成形するに必要な最低限度の量を用いてください。
- 加熱時に十分とろみをつけ、混ぜムラや過熱によるぶつぶつを作らない。
ぶつぶつができた場合、軽症であればボウルにとって泡立て器で手早く攪拌すれば余熱で修復されます。
- 生クリームはきめ細かいしっかりした泡立てを心がける。
ビーターを上下に回転させて空気をかき込むのではなく、横に素早く使い、クリームを波打たせる感じ。電動のハンドミキサーなら比較的低速で使うことをおすすめします。しかし、ムラが生じやすく、仕上げはやはり手によらなければなりません。
- 立てクリームの混入はタイミングよく行い、混ぜムラを作らない。
2回に分けたうちの最初の混入時に、均質でなめらかなクリームを作るのがコツです。
さて、マリオのババロワはお豆腐みたいな形です。パウンド・ケーキの型を利用したからで、ずっとなんとかしたいと思ってきたのですが、適当な型が見つからなかったのと、1個1個湯煎ではずす必要がなく、どんなに手の回らない忙しい場面でも、すぐに切って提供できる利点があって、長らくそのままとなりました。おうちで作るときは、せいぜいおしゃれな形のババロワを楽しんでみてください。
2003年8月5日 マリオ
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