提出済みレポート。
(多少オリジナルとは変えています)

フォトジャーナリズムとアート写真 (六枚中四枚目)

3章 以上の議論に対する、考えられる反論

 ここまでphoto journarismeとアート写真の垣根の曖昧さについて述べてきたが、それに対して次のような反論が考えられよう。
 Photo journarismeに於いては、戦争なら戦争、飢餓なら飢餓の悲惨さを一般の読み手に伝え、また、場合によってはそれに反対するジャーナリストとしての意思を表明することもできる。つまり、Journarismeとしての意思(それが「事実を伝える」というものにせよ「意思を主張する」というものにせよ)を持っている。その点でアートとしての写真とは一線を画す。という反論である。
 この反論は、「photo journarismeは存在しない」という論に対しては確かに的を得ているように思われる。しかし、先ほどから述べているとおり、僕はこの論文の中で、アート写真と報道写真をはっきり分別することは到底不可能であると主張しているのであって、photo journarismeの存在を否定しているわけではない。いわゆる曖昧な部分(グレーゾーン)があり、報道写真といえどもアートとしての側面が認められるのではないか、と言っているのである。

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