提出済みレポート。
(多少オリジナルとは変えています)

フォトジャーナリズムとアート写真 (六枚中五枚目)

4章 結論

 これまで書いてきた事をまとめ、結論とすると、次のようになる。
 まず、photo journarismeに芸術性を全く認めないのは、おかしなことである。実際は、photo journarismeといえども芸術性と分離される事はほぼ不可能であると思われるのであるし(例えば、シャッターチャンスを狙っている段階で、そこに「よりよい構図を求める」という芸術性が発見される)、いくら議論の上でphoto journarismeは芸術と峻別されるべきであると述べた所で、それは机上の空論に過ぎないのである。
 ではphoto journarismeはどのようなものと考えられるのかというと、第二章で述べたように、アート写真とは本質が異なるわけではないが、その目的などの面で、よりjournarisme的であるようなもののことである。この判断には主観が入るため、はっきりと厳密に分離する事は不可能である。さらに言えば、高い芸術性を持つ報道写真もあり得るわけで、アート写真と報道写真は相互排他的(exclusif)ではない。
 以上のように、photo journarismeを定義する事が可能なのではないか、と提案してみたい。

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