プログラムから外されたようです。
2012年ベルリン映画祭参加。
学校教師ダニエルがある日精神不安定な小説家マリオに出会う。ダニエルは自分の潜在意識の深い所で抑圧していた物が表面化したように感じる。2人は両親が結婚をしないことに決めさえしなければ仲良しになれたはずだと考える。
ある日家族が久しぶりに再会し、また一緒になる。しかしその後間もなく小説家マリオは動脈を切って自殺してしまう。ダニエルと妻は子供がおらず、残されたマリオの娘を引き取ることにする。妻は子供ができなかったので、その子の登場に大喜び。ダニエルは恐れを抱き、苦しみ始める・・・。作風はヒッチコック・タッチ。

2日目の4番目。
火事の負傷で引退を余儀なくされ、その後アル中になった父親、癌で死につつある母親を持つ高校生と2人の友達の3人が主人公。中の1人が郊外の森の洞窟で不思議な光る物質を発見。ビデオに撮ろうと3人で出かけて行く。3人は得体の知れない大きくなりつつある物体を発見。触ったら出血してしまう。撮影には失敗。数週間後3人には超能力が生じていた。当初は他愛ないと思っていたのがエスカレート。使いようによっては役に立つ能力なのに、あほな3人は・・・。

後記：　オリジナリティーが少ない作品で、最近の若者向けの作品のミックス風の作風。重点は抜きん出た能力を持った人間と、その力に追いついていない人間形成が生み出す矛盾、トラブル。責任感を要求しているような意味合いの作品。そのための前提になる家庭が崩壊しているという点にも触れていて、目指しているところは理解できる。描写や筋運びにもう少し工夫があればよかった。

2日目のフィナーレ。
キューバ発最初のゾンビ映画。キューバの首都にゾンビ出没。それをビジネス・チャンスと思い、あほな中年男がゾンビ処理業を始めるが・・・。

後記：　初日の失望を挽回しようと、2日目にはややましな作品が登場。その中で観客に気に入られたフィナーレ作品。場所がキューバだというだけではなく出演者のキャラクターもおもしろく、ゾンビ映画の古典的な作りでありながら、普段聞かないような会話があり、大笑いできる。

2日目の2番目。
介護士になるべく勉強中の主人公。意識の無い老女の世話のために家に赴く。かつては踊りで名を成した女性で、引退後も高額な財産を持つと言われていた。一生介護士をやるより他人の財産を貰った方が効率はいいが・・・。
ヴァネッサ・パラディーの妹が出演した屋敷女に続く作品。屋敷女の主演の1人が続投。

後記：　幽霊映画としては気合を入れてある。特筆すべきは凝った内装と舞台になる土地の気候や景色。ファンタの合格点に達している作品。

初日3番目の上映。
オータナティヴのロックバンド Angels & Airwaves が制作。監督のデビュー作。 孤独が人に及ぼす影響を長旅の宇宙飛行士を使って表現。2039年米国人宇宙飛行士はたった1人で国際宇宙ステーションにいる。ステーションには20年来人がいなかったので、メンテが任務。到着後地球との連絡が取れなくなり、生命維持装置に故障が生じる。広い宇宙にいながら閉所恐怖症的な状況に陥る。その後発見したのは1864年の日記。宇宙飛行士は頭がおかしくなったのか、それともタイムスリップしたのか・・・。

後記：　予備知識無しに見るとなぜあんなタイトルなのか分からない。ストーリーは有名な SF のパクリ。失点は哲学を盛り込もうとし過ぎた点。良い点が生きていなかった。良い点は観客からすぐ親しまれそうな主演の俳優の出す雰囲気。始まって間もなく彼の善良そうなキャラクターが伝わる。なので彼の悩みにもすぐついて行ける。もったいなかった。

2日目の1番目。
5人の若者がニューヨークで襲われ復讐をするが、大規模に周囲を巻き込んでしまう・・・。

後記：　2日目の冒頭に出て来ましたが、出来が良いので、もう少し後に出しても良かった。

上映前あまり情報がなかったのですが、冒頭親の死後どこかの施設に入っている少年を大学の総長が訪ねて来てリクルート。数年後少年は青年になり、大学で優秀な人材として働いている。今度はこの青年が自分と似た5人の少年をリクルートし、あるクイズ番組に出演させる。トップに立つと大統領に会うことができると言われている・・・。5人の少年や総長、青年は皆頭脳明晰で、他者を大きく引き離した才能の持ち主。才能をどういう方向に生かすかがテーマ。

初日2番目の上映。
シリーズ3作目。REC は《撮影中》という意味で、ブレア・ウィッチ・プロジェクト風の作品。
1作目は消防活動を取材するために火災のあった建物に出向く。そこで何かに感染して起こる騒動。病原体は人間を凶暴化する・・・。
2作目は問題の建物を隔離してからの話。まだ生存している凶暴な感染者の調査に出向く SWAT と医者の騒動。
3作目は問題の建物から遠い、全く関係の無さそうな場所で始まる。元々は結婚式の様子を撮影することを頼まれた人たちがなぜか巻き込まれる。
4作目は・・・、あっ、これは3作目の紹介だった。4作目は現在製作中。柳の下、どじょうは4匹いたか。

後記：　Mientras duerme の監督が来ていたので少し [REC]¹ の話も聞けた。日本でも良く知られた作品だと言ったらうれしそうだった。[REC]³ は他の作品を見ていなくても楽しめる。時系列的には [REC]¹ の双子の作品で、[REC]² がその後に続く。[REC]³ はゾンビの事をまだ知らずに結婚式を挙げたカップル中心に話が進む。披露宴の式場が [REC]¹ のアパートと同じように隔離され、外に出て来ると SWAT に射殺され、中にいるとゾンビに噛まれる。

初日1番始めの上映。
ラジオのトークショーに出演している精神科医が主人公。アル中の父親が死んだので子供時代を過ごした故郷に戻る。その時隣人がとんでもない反社会性を持った少年だと分かる。彼女の父親が狙われた後、今は彼女自身がターゲットにされる。彼女のトークショーに電話をして来て、エスカレートが始まる・・・。

後記：　ちょっと前のファンタにいくつも出た小規模の佳作のようにおもしろい作品になりそうな雰囲気で始まるのに、主演の女優の不手際やプロットの詰めの甘さでこける作品。

主演の女優はマリリン・マンソン、ロバート・ロドリゲスの元婚約者で、前の映画を見た人は良い評価をしていた。ところが Rosewood Lane は大コケ。

初日4番目の上映。
人に無視されることが多い職業のドアマン。私生活でも近所の人から無視される男。彼の方は他人に関心を持ち、観察。他の人が苦しむのがうれしくてしょうがない性格。で、若い女性に狙いを定め、彼女が困るような事を起こす・・・。

後記：　見た直後は悪い印象。評価は監督の話を聞いてから持ち直す。話を聞かないと低い評価。演じている人や映画を作っている人の人柄が分かってしまうと、明るいユーモアにあふれた作品に見える。話を聞かないと暗い結末の話。

初日最終上映。
閉鎖されてそのままになっていた劇場。近所に住む女性が中に入ってみる。するといつ壊れてもおかしくない古い劇場なのにショーが行われている。・・・という枠で始まり6つのエピソードが・・・。

後記：　ウド・キアーはあまり良い演技ではない。他の俳優はまあああ役目を果たしている。

2日目の3番目。
2005年に映画化が決まってから監督や脚本で紆余曲折。
解説を見るとあまりファンタ向きではなく、むしろベルリン映画祭向き。
小説家エバは妊娠を機にキャリアを半ば諦め、それまでの自由な生活を捨て、子育てに取り掛かる。 生まれた息子ケビンはな全くつかず、反抗的。エスカレートしたケビンは破壊的、危険になって行く。