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2012年 アカデミー賞ノミネーション

+ 結果

話を聞いた時期:2011年2月

結果発表:2011年2月末

今年は近所のテレビのある家でオスカー中継を全部見ました。最初30分ほどレッド・カーペットでスターに軽いインタビュー。サシャ・バロン・コーエンがまた騒動を起こしたと後でニュースで知りましたが、私が見ている間は、退屈なぐらいまともなインタビューばかり。それからビリー・クリステルの司会で開始。

ノミネーションの数で見ると、今年はヒューゴの不思議な発明アーティストが数では激突。しかし俳優ではぶつかりません。その代わり主演男優賞は他の渋い俳優を巻き込んで激戦。

両作品は無声映画に対するオマージュという点で共通しています。受賞の数もタイ。

今年もオスカーのシーズン。今年はもしかしたら授賞式が見られるかも知れません。もし見られたらコメントに書き込もうかと思っています。

技術などの受賞は省略しました。

作品

今年もノミネートが多いですが、どの作品も気合を入れて作っただろうと思うのでこの方針には賛成です。これまでに見たのは1作のみですが、王道を行くとすればアーティストヒューゴの不思議な発明に賞が行きそう。フェイントをかけるために地味な作品も用意されているので、予想はつきません。

後記: 作品賞の発表は1番最後。今年は激戦だったのですが、外国の作品だということもあって、あげたいけれどアーティストには行かないのではないかと思っていました。驚いたことに受賞。トム・クルーズが発表。理由はこんな事かも知れません。

説1: 今年は米仏仲直りの年とハリウッドが決心した。
説2: ノスタルジックな作りなので、年寄りの審査員にアピールして票数を稼いだ。

私が勝手に挙げた説ですので、すぐに信じないようご注意下さい。

主演男優

後記: クルーニーが本命、ピットはノミネートのみで受賞無しと思っていましたが、主演男優賞は渋いオールドマンも入っていてやはり激戦。最後から3番目の発表は去年のオスカー主演受賞者ナタリー・ポートマン。

予想外の受賞はジャン・デュジャルダン。クルーニーは直前まで受賞かと私は思ってましたが、ショーが始まってからは変な落ち着きを見せ、外れの連絡でも貰っていたのかという印象。ピットは元から自分の所には来ないだろうという雰囲気でもっと落ち着き払っていました。何度も放送されたノミネート作の予告を見る限り、ピットはこの作品に物凄く気合を入れた印象でもなく、なぜノミネートされたのかは不明。オーシャンの中から2人ノミネートでした。
私は自分が審査員ならデュジャルダンに1票入れたいぐらいだったので、満足。

主演女優

後記: 昨年主演男優賞受賞のコリン・ファースが登場して、主演女優賞の発表。本命のメリル・ストリープが受賞。彼女も事前に連絡でも受けていたのか、上から下までゴールドのドレス。発表後ステージで驚いたふりをして見せましたが、途中でばかばかしくなったのか、中断。でもちゃんとご主人らしき人に対して感謝の辞を述べていました。

世界的に有名な会計事務所がアカデミー会員が送って来る票を厳重に管理していて、事前には誰にも分からないようになっているという説明が番組中にありました。なので本来はストリープが受賞と知るわけはありません。ところが彼女1人堂々とした様子な上、受賞に相応しい服装。他の人は皆一歩引いた服装。なので本当に彼女には事前に知らせが行っていたのかと思いたくなってしまいました。これまでかなりの数ノミネートを受け、ほとんどは受賞に至らずだったので、本人も「またか」と思うのが普通です。しかしこの日の服装はその反対を示していました。

意外な美しさだったのは、グレン・クローズ。役では男装で、全く美しくありませんが、この日のショーには非常にエレガントな姿で登場。キャメロン・ディアスが年を取ったらこんな感じだろうかなどと思いながら見ていました。

監督

後記: 実質的にはマーティン・スコシージとアレクサンダー・ペインの一騎打ちで、ミシェル・アザナヴィシウスには行かないと思っていました。マリックとアレンは引き立て役で。そんな予想を覆しミシェル・アザナヴィシウスが受賞。こちらの発表が先で、その後主演男優賞と作品賞も続いたのにはちょっと驚きました。あげたいけれど、貰えないだろうと思っていました。なのでアーティストの関係者に取っては大快挙。

助演男優

後記: この部門はなぜか最初からぷラマーだろうと思っていました。テレビを見せてくれた近所の人も同じ意見。2人の爺っさまは同い年だとか。栄誉賞でなく、本選の賞だったので、ノミネートされた2人はうれしそう。シドーはプラマーの引き立て役。他は一歩下がって背景を引き立てる役。

助演女優

後記: 票が割れると思った作品が受賞。見ていない作品ばかりなので、コメントができない・・・。

脚本

後記: アレンはハリウッドに来ない上、この年は911のような事件も無かったので、監督賞も脚本賞も受賞は無いだろうと思っていたら、脚本賞受賞。もちろん本人はニューヨークを離れないので登場せず。てっきり主演のウィルソンあたりが代わりにオスカー像を受け取りに来るのだろうと思っていたらそれも無し。さっさとスルーして次へ行ってしまいました。テレビに映らなかったのですが、アンジェリーナ・ジョリーが代わりにオスカーを受け取ったそうです。知らなかった!

脚色

後記: 予想を覆してほとんど目立った賞の受賞が無い中、ファミリー・ツリーの監督が脚色賞受賞。少なくとも脚本家というステータスでオスカーを家に持って帰れました。

長編アニメ

後記: 一般受けするのは長ぐつをはいたネコ。しかしアカデミー賞に投票するのはちょっと頑固な爺っさまやインテリ層。というわけで賞はランゴに行きました。子供や普通の人にはちょっとレベルが高過ぎておもしろくなかったですが。

短編アニメ

外国語映画

後記: サンドラ・ブロックがドイツ訛りの強い中国語で挨拶。・・・なんちゃって、本当は全部ドイツ語。彼女がドイツ語が達者だというのはドイツでは有名な話ですが、実際に話すのを聞いたのは初めて。しっかり通じますし、文法の間違いもありません。

別離は大きな賞を取りまくっている作品。戦争が近いとされていることもあり、本命視されていました。

撮影

後記: スコシージ初の 3D 作品。3D デビューでいきなり撮影が受賞したので喜んでいるでしょう。

美術

後記: かなり始めに2つの賞がヒューゴの不思議な発明に行ったので、監督の受賞は無いだろうと思いました。しかし、その後ヒューゴの不思議な発明に裏方の賞が山積み。つまりスコシージの仕事を引き受ければ裏方にオスカーがどんどん回って来るといういい評判になったわけです。今年監督本人が賞を取れなくても、今後もスコシージと仕事をしてみようと思う人がどんどん集まって来るでしょう。そういう意味でいい宣伝になります。

監督自身この作品では技術的な面に非常に気合を入れているので、今年の受賞の仕方に作った人みんなで満足しているのではと思います。

衣装

後記: この賞は授賞式の始めの方で授与。なのでアーティストに大きな賞は行かないのだろうと半ば諦めかけていました。そうしたら大きな賞が最後に3つも重なり、大快挙。

音響

編集

後記: ドラゴン・タトゥーの女は犯罪物、推理物としてはとてもおもしろいですが、オスカー向きというより、ファンタ向きです。

音響編集

視覚効果

後記: 初めての3D作品なので裏方の賞が重なる中でも、この賞が1番うれしかったのではと思います。

メイクアップ

後記: まあ、似ていないことはありませんが、クイーンマーガレット・サッチャー 鉄の女の涙も完璧に本人に似せるようにはせず、女優本人の特徴も混ぜたメイクに仕上がっています。

音楽(オリジナル・ソング)

後記: 私も近所の人もなぜか理由も無く Man or Muppet が受賞するだろうと思っていたらその通りになりました。

音楽(作曲)

短篇

ドキュメンタリー(短篇)

後記: 津波はベルリンでは大きく取り上げられ、アカデミー賞では無視されるだろうと思ったらその通りになりました。

受賞が決まった Saving Face は顔面に重症の火傷を負った女性の顔再生の手術を取り扱った作品。今年もいくらか政治的な意図の働いた受賞があり、この作品はアメリカとパキスタンの共同出資。パキスタンでは主として女性の顔を狙って酸を浴びせる事件が続発。個人的な動機、多くは結婚に関連する理由で、女性をこういう形で襲う男性が後を断ちません。過去18年だけで8000件弱発生しています。Saving Face はそういう女性の実態を示しつつ、手術で顔を再生させる試みを追っています。ドイツなどの手術の技術で整形など医学的にはいくらか助けることはできるでしょうが、被害者は後を断たず、被害を受ける理由が非常に理不尽。社会の問題を解決しないと事件は減らないでしょう。

ドキュメンタリー

名誉賞

Jean Hersholt 人道賞

主演の賞など最重要な賞の授与の前に昨年無くなった関係者の名前が挙げられました。ウィットニー・ヒューストンが最後に入っていました。

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