テレビのページ
2013- @ 43 Min. 劇映画
出演者 レギュラー
Hugh Dancy
(Will Graham - FBI のプロファイラー)
Laurence Fishburne
(Jack Crawford - FBI 特別捜査官、グレアムの上司)
Mads Mikkelsen
(Hannibal Lecter - 医師、FBI に協力する精神分析の開業医、美食家)
Caroline Dhavernas
(Alana Bloom - 精神科教授、FBI に協力するプロファイラー、レクター博士の友人)
Scott Thompson
(Jimmy Price - FBI の CSI 捜査官、指紋の専門家)
Aaron Abrams
(Brian Zeller - FBI の CSI 捜査官)
第3回の出演者
Vladimir Jon Cubrt
(Garret Jacob Hobbs - 殺人犯)
Krista Patton
(Louise Hobbs - ギャレットの妻)
Kacey Rohl
(Abigail Hobbs - ギャレットの娘)
Mark Rendall
(Nicholas Boyle - 妹をギャレットに殺された青年)
Lara Jean Chorostecki
(Freddie Lounds - 性質の悪いジャーナリスト)
Torianna Lee
(Elise Nichols - 第1話で誘拐され、殺された娘)
Holly Deveaux
(Marissa Schurr - アビゲイルの友達)
Severn Thompson
(メリッサの母親)
見た時期:2013年9月
この回のタイトルは英語では《スープ》、ドイツ語では《鹿の枝角》です。
★ 第1作の監督
第2話がちょっとたるんだ感じだったのですが、第1話の監督が第3話も引き受け、メリハリが戻ります。第3話の死者は前の2話より少ないです。
★ 第3話のあらすじ
第3話の中心は第1話で危うく死に掛けた、連続殺人鬼ギャレットの娘アビゲイル。彼女と見間違うような良く似た女学生が8人殺され、その後模倣犯ではないかと思われる9人目の死体も出ています。
暫く入院して、昏睡状態だったアビゲイルが目を覚ましたので、グレアムたちは連絡を受けます。
精神病院に移されたアビゲイルと最初に話したのはブルーム博士。その様子を聞きながら会議をするのがブルーム博士、クロフォード、レクター博士。ここでアビゲイル共犯説がクロフォードから出ます。
まだ7人分の死体が発見されていないので、クロフォードはアビゲイルから手がかりをつかみたいところ。被害者の家族がはっきり子供の生死を知りたいのかも知れませんし、死体が無いと起訴できないのかも知れません。アビゲイルが直接の共犯者でない場合、共犯者を知っているかも知れないというのがクロフォードの意見。
グレアムは 8 + 1 説で、ギャレットは8人と自分の妻しか殺していないと考えます。9人目の犠牲者はギャレットより頭のいい者で、フレディー・ローンズなどのブログを熟読している者との推測。しかも事情を知る誰かがギャレット逮捕の直前に電話連絡を入れたと考えています。視聴者は第1話でレクター博士が電話をかけたシーンを見ているので、あらかじめ誰だったかは知っています。
シリーズを見ているうちに「捜査陣は間抜けだ」と分かるのですが、この時点でもすでにこれだけ限られた人物でやっているのだから、内通者がいるかも知れないという疑いは持ってもいいと思います。田舎の駐在さんではなく、いわばベテラン揃いの本庁の刑事に当たる FBI なのですから。
グレアムが自分の意見を FBI の捜査官養成の授業で話しているところへ、クロフォードとレクター博士が現われます。なのでレクター博士はグレアムがレクター博士の犯行をほぼ正確に言い当てたことを知ります。
また、ギャレットが1人で8人又は9人の死体の始末をしたのかが討議されます。死体は跡形も無く消えていて、発見されているのは死後家に戻された8人目と、ギャレットの犯行か判然としない9人目の死体だけです。クロフォードはアビゲイル共犯説、ブルーム博士、レクター博士、グレアムは父親単独犯説を取ります。
クロフォードはグレアムとアビゲイルを面会させることを決め、グレアム、レクター博士が揃ってアビゲイルを訪ねると、先客が来ています。第2話で色々問題を起こしたジャーナリストのローンズです。アビゲイルに「あなたを助けられるのは私しかいないのよ。グレアムは気が狂っている」などと先入観を与えるような話をしているところに2人が到着して、ローンズはつまみ出されます。
2人はアビゲイルとゆっくり話をし、信頼を得ようと試みますが、アビゲイルはまだショックで心がズタズタ状態。「自宅はいずれ売るつもりだが、1度家に戻りたい」と言い出します。
FBI ではクロフォード、ブルーム博士、グレアム、レクター博士が4者会議。ブルーム博士はまだグレアムとアビゲイルが会うのも早過ぎるという説でしたから、今帰宅させるのももってのほかという考え。しかしクロフォードは帰宅させることにします。
徐々に見えて来るのですが、クロフォードは口を開くと、間違った推測をし、間違った決定をします。落語のボケと突っ込みなのか、彼が狂言回しなのか分かりませんが、1人で間違った事をし、それを他の3人が「やっぱり私が言った事との方が正しかった」と確認して回るパターンが続きます。
その他にクロフォードがあほな事を言っているように演出しておいて、結果としてはクロフォードが正しかったという流れも生じます。トリックの矢部刑事が何の根拠も証拠も出せずに直感だとか言ってあほな説を披露したら、最後それが正しかったと言うような流れです。
他方、ローンズはニコラス・ボイルという、この事件で妹を殺された青年をけしかけ、彼にアビゲイルも妹殺しに加担しているという印象を強く与えます。アビゲイルが退院したという情報を渡し、ボイルが短気を起こしてアビゲイルを襲えばまたニュースになり、取材する自分は事件に1番近い所にいられると考えています。
グレアムたちはアビゲイルを希望通り1度帰宅させ、家までついて行きます。家を見ながらアビゲイルは事件で思い出せる所は思い出します。両親の死を受け止める努力中。
父親が鹿狩りの後皮、骨など全てを無駄にせず使用していることを3人に話すアビゲイル。そのため7人の死体も見つからないだろうというのがアビゲイルの意見。アビゲイルは父親から鹿の死体の処理法を教わったことを思い出していました。
そこへアビゲイルに良く似た、近所に住む友達メリッサが訪ねて来ます。 2人が家の前で会い、話しているところへローンズにけしかけられ、復讐の鬼と化したボイルが現われ、揉め事になりそうになりますが、危ういところで家の中からグレアムたちが出て来て、その場は一旦収まります。
ちょうどそこへ現われたメリッサの母親もメリッサに、つまりはアビゲイルにそっくりのタイプ。母親はメリッサがアビゲイルと付き合うのを嫌がっている様子。
次の日、一行はギャレットが鹿狩りの拠点にしていた山小屋にも出かけます。アビゲイルが話をしている時頭の上から血の滴が。グレアムが屋根裏部屋に入ると、メリッサの死体が鹿の角に架けられていました。明らかにギャレットはもう死んでいるので、ギャレット以外の人物による犯行です。殺し方はボイルの妹の事件にそっくり。
ボイルは自分の妹が生きたまま肺を切り取られたことを恨んでいるので、メリッサ殺しの容疑者にされてしまいます。ギャレットが犯人ではあり得ないのは、本人がもう死んでいるという時間の問題だけではなく、死体を現場に残す手口がギャレットとは違うため。
ニコラス・ボイルがメリッサと妹を殺したというのがクロフォードの意見でレクター博士も賛成します。グレアムはアビゲイルは手伝っていないと考えます。アビゲイルはニコラスもキャシーも知らなかったというのがグレアムの説。誰が犯人かについてはグレアムはまだはっきりした意見を持っていませんが、メリッサとキャシーの犯人は同一人物との考えです。
山小屋から自宅に戻ると家の周りには野次馬が押し寄せていて、ローンズもアビゲイルと話そうとしてつまみ出されます。メリッサの母親も来ていますが、家には入れません。
父親はアビゲイルに執着していましたが、アビゲイルは父親を好きだったと信じようとしている様子。実は彼女はかわいい目をした鹿を銃で撃ち殺すことを好みませんでした。それでも射撃もちゃんと教わっていたので、仕留めてしまいます。父親は彼女が仕留めたので喜びます。そして手にナイフを持たせ、どうやって肉を取るかなどを事細かく教えた・・・そういった事をアビゲイルは自宅にいながら思い出して行きます。骨も毛皮も角も何も無駄にしない、そうやってちゃんと利用しないのに殺すのならそれは《殺し》だ・・・とギャレットはいつもアビゲイルに教えていました。
思い出に浸りながらふと気づいたのがソファーの上に置いてあるクッション。恐ろしい事に気づいたので中を開けて見ると入っていたのは女性の髪。この発見にアビゲイルは半ばパニック状態。ちょうどそこへ侵入して来たのが、ボイル。ボイルはアビゲイルに「自分は容疑がかかっているが、人は殺していない」と言いたかったようで、アビゲイルを襲うつもりはなかったのですが、アビゲイルは手に持っていたナイフで反射的にボイルを刺し殺してしまいます。ナイフの使い方は父親からしっかり教わっていました。
直後にそこに来たレクター博士は、機転を利かせてその場に近づいたブルーム博士を気絶させ、ボイルの死体を隠してやります。博士によるとこの状況で正当防衛は成り立たないとのこと。アビゲイルがこん睡状態の頃からレクター博士は彼女を気遣う面がありました。
毎回見事に的外れの推理をするクロフォードはここでも「ブルーム博士を襲ったのはボイルだ」と言います。「ボイルがアビゲイル、ブルーム博士、レクター博士を襲い意識不明にする。アビゲイルはボイルを引っかく。彼女のシャツの血痕とメリッサの体に残された証拠と一致する」とのこと。
ということはレクター博士とアビゲイルは気絶したふりでもしたのでしょう。2人はその後車でホテルに戻ったとのことで、恐らく道中死体を隠したのでしょう。
別な日、レクター博士の診療所にアビゲイルが現われ、2人は取引をします。 彼女は警察が踏み込む直前父親に電話をしたのがレクター博士だと気づきますが沈黙を守ることにし、レクター博士はは彼女の殺人を通報しないことにします。
劇映画でクラリスをやたら贔屓にしたレクター博士は、どうもこの頃から窮地に陥った若い女性を守る守護天使を演じたかったようです。
★ グルメの食事を振舞うレクター博士
自分自身が美食家で料理の達人なだけではなく、レクター博士は自分に絡む人物に人間の肉をご馳走するのが趣味。劇映画版にもそういうシーンがありました。これまでに食事を振舞われたのはグレアムとクロフォード。多分この調子で他の人にも振舞うでしょう。
★ アビゲイルの謎
アビゲイルがどの程度まで父親を手伝っていたのかはまだ判然としませんが、メリッサが自分にそっくりなことと、行方不明だったり殺された8人が同じようにそっくりなことに理由があることには彼女も気づいています。
捜査関係者にはアビゲイルが犠牲者を誘い出す手伝いをしたのではないかという疑問も浮かんで来ます。
アビゲイルは父親が鹿の皮や骨などを細い物まで利用し、売りさばいていたことは知っていたものの、クッションの中身が人間の毛髪だったことにショックを受けていたので、人間の死体はギャレットが1人で処理をし、口を閉ざしていた可能性もあります。山小屋には鹿の角はたくさんありますが、人体から取ったと思わせる物は何も見えません。
というわけで、まだ暫くアビゲイルのネタで引っ張るようです。
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