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Hannibal 4

Œuf / Verlorene Jungs

監督: Peter Medak
原作: Thomas Harris
テレビ用脚色: Bryan Fuller, Jennifer Schuur

2013- @ 43 Min. 劇映画

出演者 レギュラー

Hugh Dancy
(Will Graham - FBI のプロファイラー)

Laurence Fishburne
(Jack Crawford - FBI 特別捜査官、グレアムの上司)

Mads Mikkelsen
(Hannibal Lecter - 医師、FBI に協力する精神分析の開業医、美食家)

Caroline Dhavernas
(Alana Bloom - 精神科教授、FBI に協力するプロファイラー、レクター博士の友人)

Scott Thompson
(Jimmy Price - FBI の CSI 捜査官、指紋の専門家)

Aaron Abrams
(Brian Zeller - FBI の CSI 捜査官)

Hettienne Park
(Beverly Katz - FBI の CSI 捜査官、繊維の専門家)


第4回の出演者

Vladimir Jon Cubrt
(Garret Jacob Hobbs - 殺人犯)

Krista Patton
(Louise Hobbs - ギャレットの妻)

Kacey Rohl
(Abigail Hobbs - ギャレットの娘)

Molly Shannon (誘拐犯)

Gina Torres
(Bella Crawford - クロフォードの妻、肺癌を患っている)

Duncan McLeod
(O'Halloran - 皆殺しにされた一家の夫)

Lindsey Connell
(Marcy O'Halloran - 皆殺しにされた一家の妻)

Nicholas Bode
(Christopher O'Halloran - 皆殺しにされた一家の息子)

Austin Macdonald
(C.J. Lincoln)

Brendan Heard
(Jesse Turner - 皆殺しにされた一家の夫)

Sophie Holdstock (皆殺しにされた一家の夫人)

Sydney Cross
(皆殺しにされた一家の息子)

Azeem Nathoo
(コンビニの店員)

見た時期:2013年10月

要注意: ネタばれあり!

見る予定の人は退散して下さい。目次へ。映画のリストへ。

この回のタイトルはフランス語では《卵》、ドイツ語では《消えた少年たち》です。

★ 新しい監督

これまでに登場した監督の中では第1話と第3話を担当したデビッド・スレイドが1番適任という感じです。今回のメダックも、今回起きた一家皆殺し事件に割く時間が短か過ぎ、今週スポットライトが当たるべき事件が横っちょに置かれたという感じがします。CIS など犯罪ドラマ・シリーズに経験の長いアメリカのテレビ界は上手くさばけば2件、3件の事件を過不足なく43分で扱う事もできるので、ちょっと惜しい感じがします。

★ アビゲイルを扱いながら新しい殺人事件に動員されるスタッフ

アビゲイルのその後の様子に結構時間を割いています。彼女は本来ブルーム博士の管轄なので、彼女の許可が無いと病院変更も、退院もできないのですが、レクター博士がアビゲイルを自分の患者にして、自宅に泊まらせてしまうため、ブルーム博士が乗り込んで来て抗議をします。

アビゲイルは前回までにレクター博士と取引もしており、精神的にも少し落ち着き始めています。治療の一環だとしてレクター博士は彼女にドラッグに数えられているきのこを使ったお茶を飲ませ、一種の幻覚状態にしてしまいます。とは言っても、彼女をそれでたぶらかすとか、性的な暴行をするといった意図は無く、擬似親子っぽい感じになります。

レクター博士、ブルーム博士、グレアムは三人三様にアビゲイルを気遣う一方、クロフォードは父娘共犯説を今も持っています。クロフォードはどうも TRICK の矢部刑事のようなもので、必ず的外れな推理をする役割のようです。コメディー仕立てになっていないので、矢部刑事のような個性が出せないところが苦しい。

★ 第4話のあらすじ

一家皆殺し事件が2件起きます。いずれも母親が1番最後に殺されています。両家には息子が1年前に行方不明になったという共通点がありました。

悪夢に悩まされ、神経がボロボロになるような才能を持て余しているグレアムはレクター博士に治療を受けており、ブルーム博士はアビゲイルの主治医となっているため、4人の関係は入り組んでいます。その上患者グレアムに頼まれて、主治医レクター博士はグレアムの自宅へ行って、飼い犬に餌をやる始末。医者と言うのはどの科でも患者と私生活ではつながらないようにするもので、特に精神分析医は肝に銘じて個人的なつながりを避けるのが普通なのですが、この番組ではそういう原則はあっさり無視。

一家皆殺しの現場に行ったグレアムはまたしても血みどろの想像力を働かせ、殺された順番などを言い当てますが、まだ詳しい事は分かりません。それぞれの家の息子だけが恐らくは助かり、まだ生きているだろうという辺りまでで頓挫。

いつもはコメディーを演じているモリー・シャノンがビッグ・マザー役で登場。彼女が子供たちを自分の所に集め、擬似家族を作り、その結果息子たちが自宅へ戻って皆殺しをやっていたのです。彼女はスワットに踏み込まれて呆気なく撃たれて死んでしまいます。

彼女の動機、子供たちの反応などをもう少し掘り下げ、アビゲイルのエピソードはもう少し小出しにしたら良かったと思います。CSI にも時々ランニング・ギャグと言うか、レギュラーの登場人物の連続するエピソードが織り込まれていますが、分量が適当で、その週の中心の話題を邪魔しない程度になっていました。そうやっておいて、数回後そのエピソードをメインに据えるという形を取っています。Hannibal もそうすれば良かったと思います。

ちなみに、当初2シーズンで200人強死ぬだろうと言っていましたが、前回あまりたくさん新しい死人が出なかったので、このペースは下がるだろうと思っていたら、今回また2家族が息子を除いて皆殺し。やっぱり200人近く行くのでしょうか。

★ モリー・シャノンはダメだった

サタデー・ナイト・ライブに出るようなコメディアンがシリアス・ドラマを演じると、恐ろしく怖い俳優に化けるというパターンがありますが、モリー・シャノンはその切り替えに失敗しています。

コメディアンのシリアス・ドラマ転身打率は比較的高いのですが、モリー・シャノンはちょっと力量不足。ジョーン・キューサックの身の毛もよだつような名演技も飛び出すのがコメディアンの世界。シャノンにももう少しがんばってもらいたかったです。

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