風雲電影院

アドレナリン(Crank)

2012年12月18日
三日月座BaseKOMシネマ倶楽部

 2006年作品。

 てっきり以前、映画館で観たと思い込んでいたのだが、どうも今回観ていて思い出せない。私の記憶違いで、観ていないのかもしれない。

 この映画はベルリンさんも観ていて、詳しくはベルリンさんの『アドレナリン』の文章を参照してほしい。

 観ていないのではなくて忘れてしまっているのだとしたら、言えることは、とにかく疲れる映画であること。映画が始まってから終わるまでの90分弱の間、とにかく疾走しつづける。止まることをゆるされない話だから、そういう演出になったのだろうが、カットがやたら細かい。短いカットが膨大に積み重なってできているような映画で、やたらとめまぐるしい。カットだけでなく、早回しだったり、画面分割だったりして、とにかく落ち着くことが無い。それにBGMがパンクにデスメタル。こっちの神経がおかしくなってくる。

 出てくる奴らは、もう、しょーもないのばっかり。主人公含め、ヤクザやジャンキーしか出てこない。こんな奴らがどうなろうと知ったこっちゃないのだから、ひょっとすると以前観ているうちに、どうでもよくなって、疲れて寝てしまったのかもしれない。

 お下劣さも満載で、主人公の情婦イヴを演るエイミー・スマートもエロい女の役を、堂々と演じている。よく見るといい女だなぁ。エヘヘヘヘ。それでいてコメディエンヌとしてもたいしたもので、主人公が隣で格闘ていようが、自分のハンドバッグの中身ばかり気にしていたりして、大笑い。

 一種のコメディとして作られたらしくて、笑えるシーンも多いが、一番面白かったのが、主人公が白バイに乗って両手を広げると、『真夜中のカーボーイ』に使われたニルソンの『うわさの男』Everydody's talkin'がかかること。でもこれは違うんだよねぇ。正しくは『イージー・ライダー』のパロディなんだから、『ザ・ウェイト』でなければ。

 ひょっとすると、この続編の『アドレナリン:ハイボルテージ』の方を観たのかも知れないが、そうだとすると2009年だから、まだ最近のこと。それを忘れてしまっているなら、かなりボケてきていることになるのだが。

12月18日記

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