風雲電影院

ラスト・デイズ(Los últimos dìas)

2013年9月29日
ヒューマントラストシネマ渋谷

 この映画に関しては、ベルリン・ファンタで私よりも一足早く観たベルリンさんの文章が詳しいので、そちらを読んでほしい。私が付け足すことはほとんど無い。

 ベルリンさんも書いているように、とにかく脚本に無理がありすぎ。ある日突然ウイルスが蔓延したのか、人がバタバタと死んでいく。それもなぜか建物の中にいれば安全で、外に出ると広場恐怖症のように死んでしまう。劇中、「日本では、家の中に引き籠ってゲームばかりやっている人がいるらしい」なんて皮肉を込めた台詞もあって、それはまた違うだろうというギャグみたいなものだが、それにしても何だかわからない。空気感染ならば窓を開けていても感染して死んでしまうだろうに、そういうことでもないらしい。外に出ると死んでしまうから地下の下水道などを使って移動。水は雨が降ると窓から鍋やバケツを出して確保する。なんじゃこりゃ。素朴な疑問を感じるのは、それじゃあ食糧はどうするのということ。外に出られなければ農産物は採れないし、畜産も、漁業も無理。まあ、食糧が無くなったら、地球は滅亡するわけなんだろうけど、あえて書いてしまうと、この話、最後の部分を観ると、その後も何年にも渡って人類は生き延びてしまうのだよ。どうなってるんだろう。

 それにしても盛り上がりに欠ける脚本だ。この現象をなんとかしようというわけでもなく、ゾンビが出現するわけでもない。動物園から逃げ出してきた熊が襲ってきたけど。興味を繋ぐのが、別れ別れになってしまった妊娠中の女性に会いに行くだけという事じゃあ、やっぱり話がだれるよね。

 印象に残ったのは、空。嫌な色をしている。なんとなく思いだしたのは、3.11の時の空の色。なんだか変な色をしていたのを思いだす。

 あとは、ベルリンさんの文章を読んでください。
 ベルリン横町にたった家 ラスト・デイズ

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