風雲電影院

組織(The Outfit)

2014年4月22日
三日月座BaseKОМシネマ倶楽部

 2年前にDVDで観てからこれが2回目の観賞。最初の感想はコチラ

 今回はスクリーンでの観賞だし、2回目ということもあって、違ったところが見えた感じ。

 前回は、何と言っても主役のロバート・デュバルだったり、相棒役のジョー・ドン・ベイカー、そして敵のボスのロバート・ライアンばかり見ていたような気がするのだけど、この映画、女優さんがいいね。もう、見事に蓮っ葉な女しか出てこないのだけど、それがもう、いいんだよね。

 まずは何といってもカレン・ブラック。ずーっとロバート・デュバルにくっついて歩いていて、「もうこんな、モーテルを渡り歩く暮らし何て嫌!」って言いだしたりして、ついには嫌気がさして、モーテルを出て公衆電話から実家に電話。ロバート・デュバルには聞かせられない内容だからモーテルの部屋の電話は使えないんだよねぇ。しかももちろんケータイなんてあった時代でもないし。それで実家に「もう帰りたい」なんて言ったりして、それでも実家からは相手にされなかったり。部屋に戻って、ロバート・デュバルに「あたし、実家に帰ろうかしら」なんて去勢張っても、帰ることも出来ないんだよね。もう、その姿がいじらしくていじらしくて。う〜、惚れてしまうじゃないか〜!

 ラスト近くでロバート・デュバルとカレン・ブラックがベッドの中でふざけあったりして、そして3人でまた車で出発して和気あいあいになって、これは来るぞ来るぞと思ったら、その通りのことになっちゃって。・・・悲しいね。

 一方で、しょーもない悪女ってのが、ジョアンナ・プティットとシェリー・ノース。こういう世界の女ですから、マトモじゃないのは確かなんだけど。

 ジョアンナ・プティットはロバート・ライアンの情婦。ロバート・ライアンの趣味が競走馬だったり、フットボールの試合だったりするのに、彼女はそんなのには、まーったく興味なし。競走馬の買い付けなんて「何が面白いのよ!」と言い放つし、車の中で待ってろと言われれば、フットボールの試合中継のラジオなんて「消すわよ!」だもんね。やな女だねぇー。

 シェリー・ノースの方はというと、改造車のディーラーの女房。登場シーンからして嫌な女。身持ちの悪さ全開。ジョー・ドン・ベイカーに色目を使って誘うのだが、あっさり断られると、夫が帰ってきたら、「この男が私をレイプしようとした」なんて嘘八百並べ立てるという性悪ぶり。ウハハハハ。映画の中だからだけど、こういうの、いいなぁ〜。

 それでまあ、ロバート・デュバルとジョー・ドン・ベイカーの殴り込みになるラストなのだけど、冷蔵庫から取り出した瓶ビールをふたりで回し飲みするところなんて、いいねぇ。ゾクゾクしてきちゃった。そういえば、ジョニー・トーの『エグザイル・絆』のラストの殴り込みでも、みんながウイスキーをラッパ飲みで廻して、「やったれー!」となる。こういう酒の使い方の映画って、ほかにもけっこうあった気がするけど、痺れるんだわぁ。

 ラスト、まんまと敵を叩き潰して抜け出した二人が、「最後は善人が勝つ」と言ったところでストップモーション。この終わり方には笑ったね。おめえら、みーんな悪もんじゃん!

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