組織(The Outfit) 2012年4月15日 DVD いったいどれほどこの映画が観たくて待った事だろう。1973年の作品で、日本公開が1974年だった。テアトル東京の大画面で公開されて、「まあ、そんな大画面で観なくても」と、名画座落ちを待っていたというのに、その後一切、日本のスクリーンで上映されることがなかった。 確か、配給会社の問題で上映できなくなり、そのままになってしまったのだと記憶している。 その後、なぜかビデオも発売されなかったはずで、幻の作品めいていた。それがようやく願いが叶った。もう40年近く待った事になる。 なんといっても、これはリチャード・スタークの小説『悪党パーカー』シリーズの第3作『悪党パーカー/犯罪組織』の映画化だ。これを観ずして死んでは、死にきれない。 それに主演がロバート・デュバル。彼が主演した映画なんてそれほど無いはずだ。また、一緒に組織に歯向かう相棒にジョー・ドン・ベイカー。確か『組織』公開の直前にドン・シーゲル監督が撮った『突破口!』(Charley Varrick)も公開されており、ウォルター・マッソーを狙う凄腕の殺し屋役として注目されていたころ。このふたりをこの時期に観れないでいた悔しさは、アクション映画ファンでなければ言いつくせないだろう。 『悪党パーカー』といえば、最初の映画化が1作目『悪党パーカー/人狩り』の『殺しの分け前/ポイント・ブランク』。主演がリー・マーヴィンで、このイメージが強くてパーカーといえば小説を読んでいてもリー・マーヴィンの姿が浮かんで来てしまう。どうにもロバート・デュバルでは分が悪い。もう少し大柄な男のイメージ。それでもその非情さはリー・マーヴィンに勝るとも劣らない。いいね、いいねと、オールド・ファンは胸が躍る。 それにジョー・ドン・ベイカーという頼りになる相棒がいるではないか。こうなると、立場は常に優位。悪辣な犯罪組織から、弟の敵打ちというよりは、もう弔い合戦もそっちのけという感じで、大金を奪い取る。これよ、悪党パーカーの神髄は。 ラストの敵のボス、ロバート・ライアンの住処への殴り込みも胸がすく。重傷を負って歩くのもやっというジョー・ドン・ベイカーだって、『突破口!』や『ウォーキング・トール』のイメージのころだもん、絶対に死ぬわけないと思えてくる。 返す返す不覚だったのは、なんであの時代にテアトル東京で観なかったのか。もっとも、まさかこの映画がこんな運命になるとは思いもよらなかったわけだけれども。 4月16日記 この映画は、このあと2014年4月21日にも観た。 静かなお喋り 4月15日 このコーナーの表紙に戻る |