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客席放浪記

女のみち2012再演

2015年5月27日
東京芸術劇場シアターイースト

 2012年秋、下北沢[ザ・スズナリ]で上演された、ブス会*の芝居の再演。2015年版として、脚本に手を入れたのかなと思っていたら、ほぼ初演のときのまま。舞台が[東京芸術劇場シアターイースト]になって、舞台も大きくなったので、初演の時のような窮屈な感じは無くなった。でもこの芝居は、舞台も客席も、いささか窮屈な方が面白いんじゃないか。

 感想も初演の時とあまり変わらない。前回書いたものにリンクを張っておきます。

客席放浪記 女のみち2012

 こう書くと女性からヒンシュクを買いそうだけど、男として、女というイキモノの摩訶不思議さを、客席から覗き見させていただくという感覚。枝分かれした、ポツドールが主に男目線だったのに、こちらはまさに女目線。これは男には書けない類の芝居だと思う。

 今回、カーテンコールで出てきた中で、一番印象的だったのは、元アイドルでAV女優に転身したというマリナ役の松本まりか。芝居の中では、徹頭徹尾ぶりっ子を演じてみせ、ラストシーンで「あっ!」という意外な展開で度肝を抜いたが、芝居を終えた彼女の顔は、まさに女優の顔になっていた。芝居の中での元アイドルから脱皮しようとしている設定だが、最後に「ああ見えてもう29歳らしいよ」と陰口を叩かれるわけだが、松本まりかはすでに30歳(!)。とてもそんな齢には見えないし。女は人前ではまさに化けますが・・・。

 あとは、安藤玉恵。ポツドール生え抜きの女優さんだが、2012年にこの芝居に出たあと、2013年春からの朝ドラ『あまちゃん』で観光協会の職員、栗原しおり役で出て来たときにはびっくりした。あのころから世間的にも知られるようになった気がする。テレビの役とは大違いな骨太な芝居を今回も見せてくれた。

5月28日記

静かなお喋り 5月27日

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